コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

あかしあ乗船記

フェリー日本一周2本目の船は、新日本海フェリーあかしあ」。

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就航から13年とのことで、ドアノブの金属周りとかくたびれている所もありますが、全体としては手入れが行き届き豪奢。前面展望あるの嬉しいなー。

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設備的には、やはりキッズルームやゲームセンターは用意されていて、サウナ付きの大浴場も。やはり海原を走りながらの風呂は気持ちいいー。ちな、同社の別の船には、船上露天風呂があるものもあるとか。何それ超入りたい。

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レストラン2つにカフェ、そして売店とありますが、それぞれ営業時間が不規則で、まぁ開けっ放しにしてもそんなに集客しないんだろうと思いつつ、ちょっと自販機ではない珈琲が飲みたい時とかは残念。ホットミールの自販機は嬉しいです。

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2つのレストランの味の方ですが。朝昼晩とやってて気軽に入れるカフェテリア形式の方は、安い割に味もそんなに悪くないです。もう一つの、要予約のグリルレストランは、ちょっと高級感あるし少し値も張るしその分メニュー凝ってるし、ですが、値段に対して期待する味ではなくて残念。悪くは無いんですけどねぇ。やはり鮮度が落ちるか。実際、夜の会は客がワシだけでした……。

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そして充実が船内エンターテイメント。一つ一つはささやかなものですが、色々やってる感が楽しいですねー。

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通信環境的には、小樽-能登半島沖の、全体の2/3程の区間は絶望的。何しろ陸から200kmくらい離れてますしねぇ……まぁ別の娯楽を楽しむしかないですな。小説大量に持ち込んだりとか!

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特筆は運賃の安さ!一番安い料金でも二段ベットで(雑魚寝なし)、さらに舞鶴から三宮までの連絡バスとセットで、時期にもよるけど1万円切るのはすごい。

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本船は、通常船型では日本最速&日本最長のフェリーなんだとか。それに相応しい乗り心地と快適な時間でしたー。

新さんふらわあふらの乗船記

2泊10日のフェリー日本一周、最初に乗ったのは大洗発苫小牧行きの、商船三井フェリー「新さんふらわあ ふらの」。

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今年就航したばかりの新造船とのことで、綺麗だしとても居心地良かった!

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ワシは雑魚寝部屋ではなく、コンフォートなる二段ベッドにしましたが、カプセルホテルのようでありながらちょいちょい快適。でも結局、荷物置きと、寝ていた2時間しか使わなかったですけど……。

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船内にはキッズルーム、ドッグランなんかもあって、船で、自家用車で移動する層をきちんとターゲッティングしている感。

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そして何より心地よかったのは展望風呂!海原を走りながら浸かる風呂ってのも良いもんだねぇ。夜も入れますが、断然、日が昇ってから入るのがオススメ!

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レストランはまぁ普通。悪くはないけど特筆するものもないバイキング。ただ、食い物の自販機がなく、レストランの営業時間か、売店の開いてる時間にカップ麺を仕入れるかしないと食料確保できないので要注意。あと、結構混んで入場規制してたりするので、開店時間に行くが吉。出航前だったりしますけど。

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甲板からの眺めは、個人的には全く見飽きず!とはいえ、夜は月明かり(星は甲板を照らすライトが明るくてあまり見えない)、朝日や、天候の変わり目の雲、もちろん海原。どこまでも広がる世界が楽しいです。

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ネットは、船内Wi-Fiは弱いので、デッキやパブリックスペースで陸地の電波を拾い拾いという感じ。それでも弱いけど、長時間途切れることはありませんでした。

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てことで、最初の船旅は堪能したけど、たぶん、これが今回乗る5本のフェリーで一番設備が充実していて、でも乗船時間は一番短いのよね……通信環境も含めて、この先どんどん過酷になってくよ!(たぶん)

39冊持ち歩き

かつて小笠原往復した際(片道25時間半)に、ワシは酒を飲みながら海原を見ていればいくらでも時間が過ごせるなぁと気づいたけど、 #フェリー日本一周 の間、折角なので、積ん読を崩したり、読みたかった本を図書館から借りたりして、読書しまくることにした。持ってきた本、実に39冊。

 

さすがに全部は読めないだろうけど、万一読みきったら電書買うかな(カバンに入れきらない)。


しかしスーツケース重い!せどり屋みたい(せどり屋さんがスーツケースで仕事してるのかは知らないけど)。

 

そんな今回の旅の蔵書……鞄書リストはこちら。

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キャロリング」「シアター!」「ヒア・カムズ・ザ・サン」「フリーター、家を買う。」(有川浩
「UFOはもう来ない」「夏葉と宇宙へ三週間」「MM9[3]destruction」「トワイライト・テールズ 夏と少女と怪獣と」「C&Y地球最強姉妹キャンディ-大怪盗をやっつけろ!-」「C&Y地球最強姉妹キャンディ-夏休みは戦争へ行こう!-」(山本弘
「神の守り人 <上> 来訪編」「神の守り人 <下> 帰還編」「蒼路の旅人」「天と地の守り人 <第1部> ロタ王国編」「天と地の守り人 <第2部> カンバル王国編」「天と地の守り人 <第3部> 新ヨゴ皇国編」「鹿の王(1~4)」(上橋菜穂子
「渦森今日子は宇宙に期待しない。」「空が分裂する」(最果タヒ
「ままならないから私とあなた」(朝井リョウ
「ハーモニー」(伊藤計劃
「本を守ろうとする猫の話」(夏川草介
下読み男子と投稿女子-優しい空が見た、内気な海の話。-」(野村美月
「人生ドラクエ化マニュアル1 覚醒せよ!人生は命がけのドラゴンクエストだ!」(JUNZO)
「22年目の告白-私が殺人犯です」(浜口倫太郎)
海底二万里(上・下)」(ジュール・ベルヌ
「恋を積分すると愛」(中村航
「きみのために青く光る」(似鳥鶏
「ベイビー、グッドモーニング」(河野裕
神様の御用人7」(浅葉なつ
「キネマ探偵カレイドミステリー〜再演奇縁のアンコール〜」(斜線堂有紀)
「はなとゆめ」(冲方丁
「鏡の花」(道尾秀介
火車」(宮部みゆき
「これは王国のかぎ」(荻原規子
「鉄道旅ミステリー 夢より短い旅の果て」(柴田よしき)

フェリーで日本一周、スタート!

人間たいていどんなことでも、やり過ぎるとロクでもないことに手を出すもので。そこそこあちこち色んな旅をしてきたワシの、今年の夏休み独り旅は、長距離フェリーを乗り継いで日本一周してきます。全行程は2泊10日(船中7泊)。

 

何年か前に長距離フェリー協会的なサイトを見つけてその航路を結んだら「あれ、日本一周できんじゃね?」と気付き、そこには記載のなかった沖縄航路まで調べたら、どうやら陸路交えてある程度一筆書きで結べそう。てことでいつかやろうと思いつつ、今年もテロで欧州旅を諦めたので、やってみることに。

 

そんな今回の行程はこちら。
【9日】大洗1945→【10日】1330苫小牧→(陸路)→小樽2330→【11日】2115舞鶴→(陸路)→神戸(泊)→【12日】神戸1400→【13日】(名瀬寄港)→【14日】0830那覇(泊)→【15日】那覇0700→【16日】0830鹿児島→(陸路)→門司1930→【17日】(徳島寄港)→【18日】0730有明

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独り旅は行き当たりばっ旅の好きなワシですが、今回はむしろ船だけはきちきちに固めないと移動できないというね。


もはや移動が目的感あるけど、「旅は、旅をすることそのものが目的である」という先人の尊い言葉を胸にいざ出発!

 

(あ、飽きたら途中で大人力発揮して飛行機とか乗っちゃうかも。台風とかで帰れなくなりそうになっても然り)
#フェリー日本一周

日本誕生

NHKスペシャル「列島誕生 GEO JAPAN」視聴。日本列島は、地球史上稀に見る奇跡的な事象を経て成立した、というのを最新の学説をもって紹介する番組。過剰に自国を持ち上げるのは少し気になるが、まぁ地学的なことなら良いですかね。


その事象のキーワードは4つ。「引きちぎられた大地」「火山島の連続衝突」「地球史上最大規模の噴火」「突然の列島大隆起」。そして個人的には、我が故郷・千葉県は、日本で最後に作られた地域というのが、ちょっとグッときました。まぁ日本で唯一500m以上の地点が無い県だしね。


「引きちぎられた大地」とは、太平洋プレートの動きでユーラシアプレートが引きちぎられた事象。その結果、ユーラシア大陸から日本列島の半分くらいが離れて、海の中にポツンと島々ができた模様。


そこに「火山島の連続衝突」として、現在丹沢山地(神奈川県)になっているところから南、伊豆諸島にまで続く火山帯が、こちらもプレートに押されて北上&原始日本列島に衝突していったとか。その火山島群から吹き出した土砂が形作ったのが関東平野


ここまでで充分壮大ですが、さらにすごかったのが「地球史上最大規模の噴火」で、その舞台は紀伊半島をメインにした西日本。超巨大な範囲で起こったカルデラ噴火で溢れた溶岩や噴石が、大地を作り、巨石を作り、その各地に残った名残が巨石信仰に繋がった、というくだりは、地殻活動と人間文化の交差点を見た感です。


ワシも熊野界隈を旅していて、川沿いにすごい巨岩を見つけて圧倒されたことがありますが、それは「古座川の一枚岩」と呼ばれていて、あるいは那智の滝も巨石でできているとのこと。そこに信仰を見出したのは自然なことに思えますし、紀州が修験者の聖地になったのも然もありなん。


地殻の話に戻ると。なんでも紀伊半島の地下には、カルデラ噴火の結果できた神奈川県ほどの大きさの花崗岩がマグマに浮かんでいて、それが押し上げられることで紀伊山地は生まれた……とか、もう何なんだよ。地球やばい。

 

ところで。ここまでで出来ているのはほとんど西日本。そして最後の大事件「突然の列島大隆起」は概ね東日本で起こって、その結果が今の日本列島の形だとか。これはある意味シンプルで、太平洋プレートがユーラシアプレートフィリピン海プレートを押してきて、東日本側を隆起させています。


しかしシンプルとはいえ、例えばそれで出来た八海山は2000mの隆起と、これも中々に壮大。なお我が千葉県(房総半島)あたりは、50万年前、日本で最後に誕生した地域なのだとか。真打ちは最後にやってくるんだな!


こんな小さな火山だらけの島国にこれだけ豊かな自然があるのは、これら隆起した山々あって、それによって雨が降り、水の国にもなったからだということです。この島国に山がなかったら、乾燥した大地になっていた……想像はしづらいですが、確かにあり得そうな話でもあります。


なんやかんや、中学高校の時に理科や地理、地学なんかで習っていたことがベースとして身についているので、理解に難しさはありませんめしたが、それからまた年月が経って研究が進み、とりあえず今の着地点を見た気分。ブラタモリ然りですけど、地形好きにはたまらん番組でしたね!

ミクさん10年

2007年8月31日ころ、「ニコニコ動画」の話題と言えば「ねこ鍋」が大きかったと記憶しています。当時、サービスの広報を担当していたワシはいろんな問い合わせに対応していましたが、特にこの時期で覚えているのはねこ鍋。その数ヶ月後にはDVDの発売もされました。

 

9月に入って「初音ミク」の動画が投稿され始めましたが、最初は既存曲のカバー曲が多くその中に大好きな曲もあったりして、日々のサイトチェックをしながら「面白いものが出始めたなー」なんて思っていたものです。

 

そんな中に投稿された『【初音ミク】みくみくにしてあげる♪【してやんよ】』。
http://www.nicovideo.jp/watch/1190218917

 

やはりここが大きな最初の転換期だった気がします。その後、数多くのオリジナル曲が投稿され、それを歌ったり踊ったり演奏したり描いたり……一次創作と二次創作の強烈なサイクルが回り始めたのが、やはりすごかった。

 

そんな中、その年末にワシは母校の日芸でゲスト講師としてニコニコ動画について授業をしましたが、そこでもやはりミクを巡るクリエイティブの新しい形を中心に取り上げました。
http://textalk.moe-nifty.com/trash/2008/01/post_b8db.html

 

自分的に次に衝撃だったのは、2010年に行われた「初音ミク初のソロコンサート」。ディラッドボードを使って3D投影されたミクさんのライブは、「それまで現象と思っていたものが存在に変わった!」と、その新世界に歓喜と寒気を感じました。
http://tomosaku.hatenablog.jp/entry/20100401/1270133778

 

思い出深いのは、2011年の夏にあったロサンゼルスでのライブの中継と、同じ年の秋にやった初音ミクだけの53時間生放送。まぁこれは仕事としていろいろ苦労と楽しみを味わった故ですが、ささやかかもですがひとつのエポックメイキングにはなったのかな、と。
http://tomosaku.hatenablog.jp/entry/20110703/1309705130
http://tomosaku.hatenablog.jp/entry/20111023/1319376823

 

その後は、超会議を担当する中だったり、ユーザークリエイティブを盛り上げるところだったり……やはりこうして振り返ってみると、この10年の出来事・仕事のすぐ側に、ミクさんがいたんだな、と感じます。

 

なんか、単なる思い出話になってしまいましたが、10周年の自分備忘録に。

デザイン解体新書

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過日、「デザインの解剖展」を見にミッドタウンへ。「きのこの山」など明治の食品を取り上げて、そのプロダクトデザインを解剖してましたが。

 

すげぇ。

 

一応ワシも、一時期はデザインを生業としてたり、会社勤めしてからはCMやポスターとか宣材を手がけたりしてるので、(狭義広義問わず)デザインというものが如何に考えられているものかは分かっているつもりでしたけど、ちょっとこれは、想像の範囲を超えてました。

 

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ロゴやパッケージデザインといった分かりやすいところに、コンセプトがあり色味やバランスが考えられレイアウトし、なんてのは当たり前の話。例えば、法令で義務付けられた表記が、必要性とスペースの都合と視認性とを踏まえて如何に記載されているか。

 

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さらに商品は解剖され、味や成分、原材料と言ったレイヤーにまで分解されていく。それらは一見デザインでは無いようだが、なるほどその根っこがあっての、さらに言うならその商品の歴史(例えばチョコレートやヨーグルトの歴史)があってのパッケージなんだ、と気づかされます。

 

まさに、デザインの、解体新書。

 

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すごい雑に言いますけど、デザインには足し算のデザインと引き算のデザインがあると思っていて、この展示は両者の真髄を味わえる気がします。と同時に、デザインというものが如何に日常に入り込んでいて、我々が何気なく接しているものが考え尽くされているかを実感。デザインすげぇ。

 

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友人で、パッケージデザインとその印刷を手掛けている人がいて、彼にその辺の突っ込んだ話を聞いたことはありませんでしたが、今度飲むことがあれば詳しく聞いてみたいところです。

 

土曜日に行ったせいか、入場制限はされてるし、大きくは無い会場ながら密度は高く、しっかり見ようとしたら3時間くらいは掛けたいほど。時間なくて後半駆け足だったので、もう一度行きたいくらいの展示でした。