コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

華果西遊記

金曜日、仕事の合間をぬって行ってまいりましたのは半蔵門にございます国立劇場。大学のゼミの先輩の案内に乗っかって、こちらで開かれております「華果西遊記」を、「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」というプログラムを利用して拝見して参りました。


6月歌舞伎鑑賞教室「華果西遊記」
http://www.ntj.jac.go.jp/performance/2404.html


スーパー歌舞伎などで名を馳せている市川猿之助による演出。ちなみに「華果」とは市川猿之助の俳名で、すなわち市川猿之助版西遊記、と言った作品です。ワシは、歌舞伎は恐らく三回目なのですが、スーパー歌舞伎の類は見たことがないので楽しみに会場に到着。


オープニングから、いきなりゴダイゴのモンキーマジックが流れ、それにあわせて舞台一杯の装置がせり上がり派手な照明にあわせてグルグル回転する……という、およそ歌舞伎らしからぬ演出で始まります。始まりますが、それらはキャッチだった模様で、舞台は元に戻り、登場した市川笑三郎、市川春猿による、最初の30分は「歌舞伎のみかた」という歌舞伎講座。


歌舞伎、すなわち音楽と舞と技を見せる舞台。一応、実際に見たこともありますし、知識としてはそれなりに知っていましたが、改めて舞台上で「義太夫」とか「常磐津」とかを解説してもらうと、知識が体に染みこんでくる感覚があります。


20分の休憩(幕間)を挟んで「華果西遊記」の本編を上演。物語としては、西遊記の一場面を切り取った形で、天竺へ向かう途中に通りかかった女性ばかりが住む西梁国でのドタバタ活劇を、一時間・三場に渡って見せます。


や、これが猿之助演出ってヤツか!


それまで見てきた(数回ですが)歌舞伎とはまったく違う、とにかく楽しい場面の連続でした。派手な演出、分かりやすいストーリー展開、大掛かりな舞台転換、などなど。これは、いわゆる演劇の形で舞台をやっている友人たちにも見て欲しいな、という仕掛けがいろいろとあります。


とはいえ歌舞伎の体をなしていますから、義太夫や演者のセリフが理解しにくいのも事実。これについては、今回はロビーで配布されていた上演台本を見ながら観賞できたので、それが理解の相当の助けになりました。逆に、今後歌舞伎を見るときは、こういったものか、無ければ解説をしてくれる音声ガイドを借りた方が、ワシのような人間には賢明かも知れません。


あっという間の一時間。いわゆる伝統芸能としてこれまで知っていた「歌舞伎」とは、また違う歌舞伎の姿を見ました。無学なワシが言うもんじゃありませんが、やはり単純に見て面白いのは、こっちの方向、すなわちよりエンターテイメントしている方向なんだな、と得心。歌舞伎座の歌舞伎も、音声ガイド付きで改めて見に行きたいですが、スーパー歌舞伎を一度きちんと見てみたいな、と思いますた。