コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

太宰をバリに連れてって〜バリ旅道中膝栗毛2

キンタマーニ高原へと向かう車中にて……。


「いやー、ホント楽しい。来て良かったー」

「なんか、色彩も、人も、すごく明るいよね」

「うんうん、いるだけでポジティブになる気がする」

「きっと太宰治も、バリに来てたら前向きになってた気がするよね」

「そうそう、それで『人間ごうかーく!』って言って小説書くのかも」

いや、『人間合格』てwwww


Picasa
http://picasaweb.google.co.jp/tomosaku.n/tEjhKG#


【9/5】
今日は今日とて、前夜にそこそこ酔っていた気がするにもかかわらず、日本時間のいつもの起床時間に目が覚めて、体内時計の不思議を感じつつ、まだ風の涼しい朝の街並みを軽くお散歩。宿の側の田んぼでは当然のように農作業が始まっています。が、ここで気付いたのは、場所によって稲の生育状況が全然違うこと。なんでも、いつ植えても良い!って程ではないにしろ、年間で2.5毛作なので、田んぼによって時期をずらして栽培しているようです。さすが気温の変化の少ない赤道直下!


ヴィラに戻って在住後輩の到着を待って、この日はルームサービスで朝食。ルームサービスといっても安いです。ワシが頼んだのは「ミーバッソ」と言われる、鳥肉団子汁に麺を入れたもの。麺も、フォーとかではなくヌードルで、そこそこ食い応えがあって味も良。


プールサイドでちょっとのんびりしている間にお迎えの時間。この日は、初日にワシらを空港からウブドまで連れてきてくれたプトゥくんのドライブ&ガイドで、バリ島随一の景観を誇るというキンタマーニ高原へと向かいます。


朝の喧噪残るウブドの街を車で通り抜ければ、もう帰りしなの幼稚園の前などで、ピンクの制服を着た子供達の元気な姿を見ます。それ以上に驚きは、幼稚園の前に泊まるバイクの数。たぶん、迎えに来ている人の数≒通っている子供の数、くらいの台数が道に所狭しと並んでいて、交通事情が伺えます。


街を抜けて、田園風景やポツポツ出てくる集落、そしてお土産で売られる木工やらの製作所が集まっている集落なんかの間を抜けて車はひた走ります。たまにプトゥくんが「近道するよー」というと「いえーい!近道いえーい!」と騒ぐワシらのノリに、彼は付いてこられていたでしょうか?あー、でもこれが日芸ノリだよなぁ。。。


そんな中、まずはライステラス(棚田)で有名な「テガララン」というところで一時停止。あー、この風景ガイドブックで見たことある!ってくらい有名な景色ですが、実際に見るとなるほど綺麗。青々とした緑の苗が、狭し中を急な階段状になっていて、よくまぁそもそもここに田んぼを作ろうと思ったなぁ、と感心。写真で見慣れた景色が目の前にあるってのは、不思議な感覚です。



ライステラス


余談。この先もそうなんですが、こういう景観ポイントでは、必ず駐車料金を求められ、あるいは物売りが寄ってきます。物売りは個人の好き好きで買うなり無視なりで良いんでしょうが、駐車料金は、事情を知らないと戸惑ったり、多く払っちゃったりするんだろうな、とか。その意味でも、現地人ガイドは心強いです。


車はさらに登り坂をいきますが、「AMERTHA YOGA」というコーヒー農園で寄り道。ここら一帯は「コピ・ルワック」と呼ばれる、世界最高級のコーヒー豆の産地であるとか。コーヒー好きのワシも名前くらいは知っています。

コピ・ルワック
http://www.d-select.jp/contents/special/coffee/index.html


谷を見下ろすテラスで試飲をさせてもらったり、トロピカルなフルーツをその場で剥いて食べさせてもらったり、それらが庭に生えているのを見たり(パイナップルのなり方は衝撃だった)、豆を煎る釜に火吹き竹を使っているのを見たり、お土産にコーヒー豆を買ったり。あ、フツーのバリコピです。コピ・ルワックは数十グラムで2000円くらいするらしいので……。そして、ここで初めてバリ式のトイレを見ました。水を使って手で洗うもの。これも、実際見るとすごいし、自分ができるかというと正直ちょっと躊躇いを感じます。



火吹き竹で火をおこして豆を煎る


さて、車はさらに高みを目指しますが、途中の集落でフルーツを山盛にして売っているところがあったので、つい目を惹かれて途中停車。確かに色彩鮮やかで美味しそう。他に特に何もない場所ではあるんですけど、伸びをしながらふと見上げた山の色や空の色が、これもひとつひとつがくっきりとした色を持っていて、良いところだなぁ……とこの旅何度目か分からない呟きがでます。


さらに走って、ついにキンタマーニ高原に到着……するも、景観ポイントでは停まらずにそのまま高原のカルデラの中へ。いろは坂を思わせる急坂を右に左に降りていき、カルデラ内でも、地形に対して素直に作っているっぽい日本ではあり得ないほどの急坂を登って降りて、それでも左右にキンタマーニ高原を形作るバトゥール山、バトゥール湖の美しい光景を見ながら、着いたのはバトゥール湖畔の「トヤブンカ」という温泉の中にある、「toya devasya」というリゾート施設。


プールと温泉プール!というわけで、どかっ晴れの高原の中、みんなで水着に着替えて、プールに浮かんで、温泉に浸かって、ビールを空けて、プールサイドで昼食をとって……リゾートっぽさを満喫。感心したのは、バーの二面がプールに面していて、そこには水中に作られた椅子があり、プールに入ったまま座って飲み物が楽しめること。よく考えられてるなぁ……。なんでも、星空が綺麗な場所らしいので、建設中のヴィラができたら是非泊まりで来てみたいところです。



toya devasya
http://www.toyadevasya.com/index.php?option=com_content&view=article&id=69&Itemid=91


すっかり温泉とプールと夏の日差しを堪能して、車はカルデラを登って高原まで。今度は景観ポイントで停まってもらって記念撮影タイム。この日は本当に天気が良く、山から湖までの雄大な大地の流れを一望することができました。



キンタマーニ高原。バトゥール山とバトゥール湖。


今度は街への降り道。途中、大きなお土産屋に寄ったり、軒先に飾りがしてあるところで降りてみたらガベン(火葬儀礼)の準備をしていたり、あるいはその側に結婚式の飾りがしてあったり(式後、飾りは片付けないらしい)、好奇心旺盛なパーティは気になる物があると車を止めて見に行っていました。


さらにより道で、ティルタ・エンプルという寺院にお参り。ティルタ、とは聖水のこと。聖水の湧く寺院として、重要な場所なようです。実際、聖水の溜まっている箇所の先には沐浴場があり、男女を問わず、着衣のままで沐浴を行っていました。一応、ワシも神主(心得見習)として禊ぎなどはしますので、やり方なんかには違いがあるといっても、ちょっと、厳粛な気分になります。



聖水、この奥に沐浴場。

マンディ(沐浴)についての小咄
http://www.apa-info.com/gt_mandi.html


寺院を見渡せる丘の上にはスハルト元大統領の別荘があって、かつてはそこからお参りに来る女性を選んで一夜の遊びに誘ったとかなんとか。今も、デヴィ夫人とかが来ているとの話です。ほんまかいな?この先はウブドに向けて一直線。すっかり爆睡してしまいました。またまた、夜のおつまみに屋台で売っているいろんな揚げ物を買ってホテルへ帰着。


さて晩飯をどうしようか、というところで、同級生が結構深刻な体調不良の模様。帰りの車の中から調子は悪そうで、ワシの膝枕で寝ていたくらいなので相当だとは思いますが、本格的にダウン。腹を悪くしたようで、いろいろ原因を考えますがワシらは平気なので、恐らく、プールで彼ひとりがガチ泳ぎをしていたので、その時飲んでしまった水に当たったのだろうと推察。いやはや生水、油断できません。


薬とかを飲ませたら少しは落ち着いたようで、同級生も行ってこいと言うので、この日は三人で宿から近いモンキー・フォレスト通りでディナー。在住後輩と渡航後輩で相談して『「カフェ・ド・ショーグン」に行きますよー、かき揚げが美味しいんです!』と言うことで、なるほど久々の日本食か!しかしよりによってかき揚げか!と思っていたら、それはどうやら作り話。実際には「カフェ・ワヤン」というレストラン。先輩騙してどうすんだ、オマエら!ちなみに、宿に帰っての同級生への報告では、カフェ・ド・ショーグンでかき揚げ食ってきたよー、ってことで通しました。ワシも同じ穴のムジナ。


途中、レース服飾品のお店があって、女性陣二人はワイワイ楽しそうにウインドウショッピング。でも確かに、男のワシから見てすら可愛い服だなぁ、と思うのは旅先効果でしょうか。結局二人は髪留めを買っていましたが、ワシも、男物があったら買っていたかもなー。


さて、ショーグン……もとい、ワヤンでは、ツナスプリングロール、ヌードルスープ、カレーとスタンダードなインドネシア料理、と思われます。こちらも中々の味。というか、当たり前なんでしょうけど、観光客向けに食べやすくなってるなー、という感じです。


Cafe Wayan(カフェ・ワヤン)
http://www.alamindahbali.com/cafe_wayan.htm
http://www.bali-chili.com/center/enak/22wayan.html


ディナーの後は「アンカサ」というインターネットカフェで、持ち込んだノートパソコンでネット。ウブドには、至る所にWiFiを使ったネットポイントがあります。こちらはオーナーが日本人で、在住後輩がよく使っているのだとか。日本人だと気付かずに英語で挨拶をしてしまったことは心に秘めておく。


多少疲れが出てきたか、それとも酔いでも回ったか、若干のフラフラ加減で宿までの夜道をトボトボ歩き。途中にあるモンキー・フォレストでは、夜中に2mくらいある白い巨人の目撃例が頻発しているらしいのですが、残念ながらこの日は見られず。宿に戻ればそこそこ早々に、といっても24時は回ってご就寝タイム。





【9/6】
海行くぞーーー!


ってことで、今日もプトゥくんにドライバー兼ガイドをお願いしていて、いざ、サヌールの海へ出発。の前に朝飯は、地元民の人気ナンバーワン「ナシチャンプル」のお店「パッ・セダン」へ。小汚い半屋台のような建物ですが、まさに地元の食堂ふうでもあり、口にしたナシチャンプルは……おお、確かに美味い!プラシーボ効果もあるかもしれませんが、この旅で一番美味いナシチャンプルは、確かにここだったかも。



PAK SEDAN(パッ・セダン)
http://www.bali-chili.com/center/enak/64sedan.html
http://www.checkinnbali.com/area/spot.php?id=98


コンビニによって同級生の薬なんかも買いつつ(一晩寝たおかげか半分くらい回復していました)、車はサヌールへ向かい……その途中、60年に一度のお祭りの準備をしているところに通りかかって見学し、「UC Silver」という銀細工の工房兼販売店や「ジェンガラ」という有名陶器メーカーのアウトレットのお店に、お立ち寄り&お買い物。


UC Silver
http://www.ucsilverbali.com/
JENGGALA KERAMIK BALI(ジェンガラ・ケラミック・バリ)
http://www.jenggala-bali.com/
http://japan.jenggala-bali.com/about.html


「UC Silver」の工房では、作業台のワリには少ない人数で、でもどの人も、小さい飾りを付けたり、バーナーで焼いて形を変えたり、磨いたり、とそれぞれに手元の細かい作業をしていました。ワシがやったらきっと発狂します。


寄り道の多いドライブも、無事、昼前にはサヌールのビーチに到着。青い海!白い雲!晴れ渡った空!そしてビンタンビール!というワケで、強烈な日差しの中、ビーチベッドとパラソルを借りて、ただビールを飲んでウダウダするのみ。サイコー!



サヌールのビーチ


途中、渡航後輩と「捕まえてごらん」ごっこをやったものの手には殴りかかる形でビール瓶を持ってみたり、パラセーリングを見てたら興味が湧いてきて迷ったあげく結局巨体を宙に浮かせてみたり、なんだかんだとアクティブな動きもしておりました。


ランチは、ビーチに近接したイタリアンのお店「スティッフ・チリ・サヌール」。店の中に釜のあるお店にて、前菜にビーフやサーモンのアンチョビ、メインにはピッツァやパスタをごっそり、とこちらもビールやトロピカルカクテル片手に堪能堪能。


Stiff Chilli Sanur(スティッフ・チリ・サヌール)
http://www.stiffchilli.com/
http://www.bali-chili.com/center/enak/01stiffchilli.html


肌もすっかり黒くなってウブドに帰還。でも、身体は引き締まってないから現地の人には見えないワナ。それはさておき、プトゥくんとはここでお別れで、この後、ワシにとっては人生の初体験、エステが待っておりました。


日本人の方がオーナーの「Asian Prophecy」。なんでも、施術の前と後で身体の変化を計測してくれるらしく、どちらかというと痩せている在住後輩ですら25cmも減った、という話を聞いて、もうみんなワクテカで受けてみることに。ところで、何が25cm減るんだろう?身長かな?(ぉ


Asian Prophecy
http://www.asianprophecy.com/


実際は、二の腕やウエスト、足回りなど、9箇所の計測をして、その合計値、とのこと。ここはせっかくですから、受ける三人で誰が一番減ったかの競争をしよう!という、まぁお約束の展開。ちなみに、3時間の施術で、受ける前に簡単なカウンセリングをして人によって少しずつ内容が変わります。


まず最初のハードルが、用意された紙パンツが入らずにビリッと一部が破けてしまい、ある意味でパンツ神的展開ではあったんですが、それはさておきアロマ的お湯での足の洗浄&マッサージ、ワシはそこからヘッドスパ?的な何か。そして、全身を揉みくだされた後、ホットな何かに入れられて汗をダクダクにかいてみました。


や、先述の通り初エステだったんですけど、結構大変なんですね、これ。ゴリゴリとやられて「イタイですか?」と施術の女性に聞かれるんですが、痛いんです。でも、痛いと言ったら負けな気がして「痛くないです!」と言い続けたんです。で、終わった頃には全身へとへとです。しかしまぁ、こういう言い方はアレがナニですが、褐色の肌の現地女性に全身をまさぐられると、別の意味でドキドキしますな。


結果、他のみんなのは書きませんが、減少量としては16cmだったワシが一番低かったです。むーん。まぁエステの人曰く、元が筋肉質だから減りにくいかと思ってたんですけど、思ったより減りました!と喜ばれました。一応二十歳くらいまではずっとスポーツもやってたんで、額面通り受け取ることにしよう。ふふん。


で、ここで予想外の軽食を出してもらったりしまして、サラダとパンとでこれはこれで美味しかったんですが、この後向かった夕食に多少の影響が……ワシは出ませんでしたなぁ、そういえば。まぁきっと、減った分をその晩にリバウンドしたんでしょう。リバウンド王に、オレはなる!


エステの車に送ってもらって向かった晩食どころは、大統領も御用達というアヒル料理のお店「ベベッ・ブンギル」。まぁわりかし田んぼとかを見ているとよくアヒルの群れも見たりしますが、まさに愛でて良し、食べて良し。


ダックの丸焼きとサテを中心に、もちろんアルコールもかっくらってのディナー。途中途中で民族音楽の生演奏も聞こえてきます。ところで、隣のテーブルに台湾人の若い男女6人くらいがいたんですが、なんか英語と片言の日本語で話しかけられて、曰くワシに向かって「今日来たのか?台北の空港にいなかったか?」とのこと。いやいや、数日前からいますよ、というと、なんでもワシにそっくりな人を台北の空港で見た!といってみんなで大賑わいでした。なんだ、ワシは台湾にもそっくりさんがいるのか?



Bebek Bengil dirty duck diner(ベベッ・ブンギル ダーティ・ダック・ディナー)
http://www.agungraka.com/bebekbengil/
http://www.bali-chili.com/center/enak/05bebek.html


中途半端な国際交流もしつつ、ディナーの後はヴィラに帰還。この宿に泊まるのは今日が最後=プライベートプールが使えるのが最後、ってことで、腹痛同級生以外のメンバーで、雨も降り出して気温も下がる中、水着に着替えてダイブ。水は冷たいですが、一度肩まで入ってしまえば後はなんとかなるもんです。寒いけど。


日本から買ってきたスパークリングワインを開けたり、例によってビールを空けたり、写真やムービーを撮りまくったり、プール上がりに熱湯風呂に沈められたり、少し落ち着いて恋バナ的な何かを語り合ったり、なんともはや、まさに無軌道な学生時代を思い出させる一夜は深夜遅くまで続いていたのでした……。


……翌朝4時起きなのに、2時くらいまで飲んでたぞ!?



空を照り返す田んぼ