コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

学級会、終わらず。

11月8日(日)の12時開始の会にて行って参りました、リアル脱出ゲーム「廃校脱出シリーズ3〜終わらない学級会からの脱出〜」
http://ototoy.jp/feature/index.php/d_game07


リアル脱出ゲーム、とは、ここ数年(かな?)じわじわ流行り始めている、現実世界で行われる脱出ゲーム。元はWEB上で、Flashなどで作られたゲームで、画面上の怪しげなところをクリックしてアイテムやヒントを手に入れ、閉じ込められている部屋から脱出する、という遊びでしたが、それを現実世界に落とし込んだものです。


大学時代の友人に誘われて、なんだかんだで4人で参加。が、受付をした段階で渡された首掛けのチーム分けストラップが、どうやら全員違うチームの模様。受付で渡された「招待状」を読みながら待ち、実際に「脱出」する部屋に案内されてみれば、5人1組の6班に分けられていて、案の定全員違う班に振り分けられました。


で、ワシの班は、ほぼ同い年のコンサルさん、25歳のIT関係さん、41歳の子連れで参加したお父さん、24歳のお嬢さま、そしてワシという編成。待ち時間の間にややぎこちなくも挨拶と自己紹介をしていたら時間になりまして、鳴り響くチャイムの音。起立、礼、着席、の号令に合わせて全員が動いて、まずは主催者の方から挨拶。


このイベントの主旨、ルール、そして班分けの首掛けは繰り返し使うため固い紙が入れられていて、冗談めかして「皆さんの分を重ねれば銃弾も止められるんですよ」とのこと。そんな、漫画じゃあるまいし、と沸き起こる笑い。さらに、1時間の制限時間内に何度かチャイムがなって、長いチャイムがなったら全員席に戻って「起立、礼、着席」をしてください、とのこと。この動作が重要だそうです。


で、それ以外にも短いチャイムは5分ごとになり、その時は席に着かないで良い。ただ、そのチャイムを目処に「先生」が入ってくるので、先生に解答用紙を渡すと、先生が5分後に戻った時にその正解数に応じてアイテム(と解答用紙)を渡してくれる。そのアイテムが無いと解けない問題もあるので、一問でも解けたら先生に解答用紙を渡してください、と。


果たしてゲーム開始。長いチャイムに合わせて「先生」役の人が入ってきて全員で「起立、礼、着席」。そして解答用紙が渡されて、a〜jまでのキーワードを導き出して、その中の一列を読むと答えが導き出される……という模様。


ということで、先生の一時退場にあわせて全員で探索開始。どうにもウチの班は、明確なチームリーダーを定めずに始めてしまいましたが、それぞれが部屋の壁や床に貼られている様々な紙、数式、吊されている棒状のもの、床に書かれたビニールテープの数字の書かれた方陣などなど、とにかくヒントになりそうなものを手分けしてかき集めます。


班内で情報を集めて解ける問題もありますが、中には部屋の中の全員でやらなければ解けないものも存在します。各班で固められた机に貼られているビニールテープがあからさまに怪しいと、全員で机を持ちよって15台くらいの机をあわせたら、案の定解答の一つが浮かび上がってきたりもしました。


解答用紙を提出し、正解と引き換えに渡されるアイテムを使ってさらに解答を導く。基本的にはその繰り返しですが、それぞれの謎はやはりそれなりに趣向が凝らされていて、調べれば解けるとか、知っていれば解けるというものでもない。定期的になるチャイムの音にも焦らせられるし、難易度、演出ともによく考えられています。


そんなこんなで30分だか40分だかが過ぎた頃、長いチャイムが鳴って全員が席に戻ります。先生が転校生という女子を連れてきて、その女子の名前も実はキーワードの一つ。ところがいきなり女子が(オモチャの)拳銃で先生を撃って殺してしまいます。何事も無かったかのように立ち去る女子。その場に倒れた先生は……その両手の指先である問題のヒントを指差していました!まさにダイイングメッセージ。


ところが先生が死んでいると、解答用紙を集めてアイテムと交換してくれる人がいない。このままでは詰み……と思いきや、ここで思い出される受付で渡された「招待状」。そこには「時間を戻す」方法が書かれていました。今こそそれを使うときなのか!?


ダイイングメッセージを元にそのための水晶を手に入れて、教室のみんなで「時間よ戻れ」と唱和すれば、果たして時間は戻って先生が転校生を連れて来るシーンまで逆戻り。そういえば先生は、さっき撃たれる前に「私にプレゼントはありませんか?」と言っていたけど……と、そこで閃いた人がいました!ゲームの冒頭、主催者が言っていた言葉を。


「皆さんの分を集めると、銃弾だって止められるんですよ」


急いで全員分の首掛けを回収。転校生を紹介して「私にプレゼントはありませんか?」と尋ねる先生の首に30個の首掛けがかけられます。そして、さっきと同じように転校生の女子は銃を撃ち……先生は倒れませんでした!


沸き起こる拍手。いや、この伏線の張り方と回収は見事!


再び、アイテムを手に入れては解答を進めていき、どうやら答えのキーワードも分かったところで最後のどんでん返しが先生から届けられます。渡された紙に書かれていたのは「答えの一字下を読め」(だったかな?曖昧記憶)


答えはこの時点で「ファンタジー」という単語だってのは、ウチも含めて全部の班がどうやら導きだせていました。ただ、その一字下……?「招待状」に「ファンタジー」と書かれた一文があったので、それの周囲かと目を凝らしますが、どうやっても意味のある単語が出てこない。迫る制限時間。もう仕方ないので、回答欄には意味を成していない文字列を記載しました。


そしてついに制限時間いっぱい。長いチャイムとともに先生が教室に入ってきて「起立、礼、着席」をし、素直に従う全員。


この時点で、全員脱出不可という結果になりました。





さて、主催者が戻ってきて解答編のスタートです。途中途中にあった、方陣やクロスワードを用いたそれぞれの解答を教えてくれますが、こちらは我が班は全問正解の100点。もっとも、途中で「ファンタジー」のキーワードは導き出せてましたし、実際そこでそっちの解答を中断した班もあったようです。


そして、最後の最後、脱出するための本当の正解とは……クロスワードは一つの設問の答えを導いてくれていたのですが、役割はそこで終わりではなく、実はその中に点在する「ふ」「ぁ」「ん」「た」「じ」「ー」の文字の下を読め、というのが最後の指令の意味だったとのこと。そしてその通りに読んでいくと……。


「きりつするな」


「起立するな」すなわち制限時間の長いチャイムで起立をしなかった班が、教室から脱出できたという解答だったのです!


「分かるかよ!」


と、30人が唱和したかしないか、それぞれの胸中には様々に感想が浮かんだでしょうが、顔には悔しさと苦笑が表れていました。最後に記念写真を撮って、アンケートを書いて解散を書いて解散。ワシは友人達と合流して、ランチがてらに反省会。





いや、これ最高に面白かったです!体も頭もフルに使って反省会ではクタクタになってましたが、心地好い疲れでした。とにかく無駄のない演出。伏線の張りと回収。多彩な謎解き。最後の最後はヒントではなく閃きが無いと解けない問題で、それを不満に思われる方もいるかもですが、謎解きゲームはそれだから面白い!とも思うのです。


ワシ個人としては、実はたいして問題を解けていないなぁ、という意識で、班のみんなのアシストをしていたような感覚を持っていたんですが、終わって考えてみたら、ワシの一言に別の人が答えを閃いたり、あるいはその逆もあったりして、結果的に5人がそれぞれを補い合って進めてたんだな、と気付きました。そのプロセスもまた、面白い。


また次回もぜひ参加したい遊戯です。


写真一枚目:教室全景
写真二枚目:撃たれて倒れる先生
写真三枚目:ウチの班の解答用紙と、問題のクロスワード