コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

プレイ時間的に極限(脱出)

極限脱出 9時間9人9の扉
http://www.chunsoft.co.jp/games/999/ds/


「999」クリアしました。って、ワシ、新作で買ったゲームは今年恐らく5本に満たないと思うんですが、そのうち二本が年末に重なるとは……。正直、相当時間の無い昨今ですが(って時間は作るものですが)、がっつりプレイ時間を作って(=睡眠時間を削って)クリア。


で、感想的な何かを書こうと思うのですが、シナリオ部分で多少ネタバレ……というか、核心の一部に触れて書いてしまうのと、併せて「ひぐらしのなく頃に」(原作PC版)の核心とも比較するので、それぞれのバレがNGな方は、本日は回れ右のほどお願いします。














良い?





「脱出ゲーム」のジャンルに入る本作。ストーリー部分の他は、ある区切られたシチュエーション内での部屋からの脱出がメインになるわけですが、この「脱出パート」自体は簡単です。キャラクター同士の会話からヒントもバンバン出てくるし、PCサイトの脱出ゲームに良くある鬼の難易度にはなっていない。


というか、DSというハードであることを考えると、ゲームバランス的にはこれくらいがちょうど良いんだろうな、と思います。脱出ゲーに慣れてない人なら導いて貰えるし、慣れている人なら爽快感を伴ったクリアができる。





マルチエンディングな本作ですが、ワシが最初に迎えたエンディングが、左から二番目、すなわちかなり真相に迫っていた(後一歩で真END)ようです。って、真相が推理しきれていたワケではないけど、そこそこ推理して選んだ選択肢が良かったようで、真ENDに近付くことができました。


ていうかこれは、幾つか不完全エンディングを見ないとクリアできないようになってるんですね。


BADエンドなりの、真とは別のENDを見ることで、真ENDのストーリーが補完されて真相に近付いていく。このあたりは、同じチュンソフトのゲームでいうなら「かまいたちの夜」や「弟切草」でも使われていた手法。


さらにその「補完される」さまそのものを、プレイヤーの記憶に任せるのではなくて、ゲーム内に出てくるギミックというか要素というかを使ってキャラクターに行わせている。いわば「(ゲーム内キャラが)別シナリオで得た知識を真シナリオで共有できる」。このあたりは、「ひぐらしのなく頃に」を彷彿とさせます。


先述のとおりこれをシナリオの主テーマで表現し、そしてゲームシステムに落とし込んでいる。この手法がなかなかに鮮やかで、ワシは楽しめました。


ただ、途中までサスペンスだったものが、終盤からはファンタジーになったね、という感もあり、サスペンス原理主義者は嫌いそう。同じく原理主義者に嫌われた「ひぐらし」のように。もちろんファンタジーにならないように表現しているんですが、荒唐無稽と一蹴される可能性はありますね。ま、ワシは「ひぐらし」も楽しめましたし、全然問題ないんですけど。


あ、さっきから仕切りに「ひぐらし」を連呼してますけど、別に本作がそのパクりだとか言うつもりはまったくなくて、全くの別物です。ただ、平行世界の共有、という世界観が近いなと思っただけで。


幾つか、パラドックスが存在している気がする部分や説明不足に感じる部分、また最後の引きの意味が不明だったりはしましたが、全体としては面白かったです。精神科学的・知的好奇心も満たされましたし(今回のゲームに出てきた事象やキーワードも後日きちんとWikiったり本で調べたい!)、脱出ゲームの入門編としてもよく出来ていると思うので、オススメです!


しかしチュンは、ガンツフェルト実験が好きだなぁ……笑。