コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

あじゃぱー

http://d.hatena.ne.jp/Delete_All/20100116#1263631581
リアル脱出ゲーム……いや、ゲームじゃないけど。笑い事じゃないけど、面白い。現実なんだろうけど、あまりに非現実的な感がある。ネットって恐ろしい。なんとか脱出して欲しいものです。



タイトルは、映画「AVATAR」から連想した駄洒落。どれだけ同じネタが使われているか怖いからググることすらしない。てことで、もう見てから一週間近く経ちましたが、アバター観賞記。


AVATAR
http://movies.foxjapan.com/avatar/


いきなりの余談ですが、今作のキモである3Dの、映画館(というか映写システム?)ごとの違いをレビューしてあるサイトがあったんでご紹介。ワシは「Xpand」ってヤツでしたが、なるほどねぇ……。結構、ゴーストが出たり画面ブレもしてたんですよねー。

『アバター』3D全方式完全制覇レビュー
http://itsa.blog.so-net.ne.jp/2010-01-15


実はこの映画、仕事でも関係浅からぬ感じではございまして、ジェームス・キャメロン監督来日の際に30分の独占インタビューを生放送させていただいたりもしました(ワシは現場には行きませんでしたが)。それはそれで非常に素晴らしいことでしたが、まぁ、映画の感想はそれとはまた別問題、ということで。


その感想ですが……どうしてもややネタバレを含めて書かないと成り立ちそうにないので、そんなに核心を書くことはしないつもりですが、これから見に行く予定でネタバレNGな方は、今回ご遠慮のほど。










さて。


ワシの総評としては「イマイチ」でした。


まず映像は、もうどこでも言われていることではありますがすっごく綺麗。ワシ的には、喩えとしてはアレですが、FF10を初めてやったときのような、ああまた世の中の映像技術は一つ高いレベルに達したんだな、という感じ。


ただ、3Dについては、その館の方式(Xpand)がイマイチだったのかもしれませんが、すごいと思ったのは最初だけで、そのうちなんとなく普通の2Dに見えてきてしまいました。ワシの目が慣れたのかもしれませんけど、そのワリにはゴーストやブレは出るし、で、余り集中できなかったのは事実。


そうは言っても、あの世界をひとつ作り上げる創造力とそれを裏付ける技術力には素直に感服しました。ナウシカの腐海だろうがラピュタどろうが良いじゃない!アレを実写にしたってのはすごいことだと、やっぱり思うんですよね。


じゃ、何が不満だったかと言えば、全体的な物語というか……結局はシナリオってことになっちゃうんでしょうね。


ものすごく単純化して、且つよく言われているひと言で済ませるなら、まさに「白人対インディアン」物語の典型なワケですよ。それをまぁ、これまでにないスケールで描いた、と言うことも出来るかもしれませんので、実は、ここまではまだワシは良い。


さらに、最初は気味が悪く見えるナヴィに対して、主人公の成長物語と合わせて、徐々に感情移入が出来るように見せていく演出は見事だなー、とは思います。ただ、それと合わせて見せられていく人類の醜悪さが型を出ない。


結局は、「大佐」のキャラの薄さというか浅はかさというか単純さというか、それがこの壮大な叙事詩たり得た物語を、ものすごく矮小なものにしてしまっているんですよね。


悪役や魅力的でない物語は、魅力的でない。


これは最近のワシがよく思うことです(その物語が基本的には善悪二元論である場合には、という前提でですが)。大佐はよく、ナウシカのクシャナ殿下に類型化されて表されているようですが、それにしてもやはり深みは足りないですよね。


他には、個人的な趣味ですが、もうちょっと設定を掘り下げて欲しいところとかありましたね。ていうか「もっとSFして欲しかった」。例えば、惑星パンドラの植物が互いにパルスを飛ばして、人間の脳を上回る規模で情報交換している、というくだり。そのまま、ガイア説のような、意思を持った星がナヴィと人間の間に割って入るとか、そういう展開に行くかと思いきや、それっきりで終わってしまったのは肩すかしでした。


そんなこんなで、悪くはなかったものの満足はしなかった本作。特に映像美や世界観などの部分を見に、そうですね、行ってはいませんがIMAXシアターなんかに出向いてみるには、良いかもしれません。