コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

はやぶさ・雑感と備忘録

昨日、宣伝乙な感じで告知した、小惑星探査機「はやぶさ」のおかえりなさい特番、終了しました。


おかえりなさい。はやぶさ 50億キロ宇宙のおつかい
http://live.nicovideo.jp/watch/lv18265557
(プレミアム会員ですとタイムシフトで視聴できます)


この番組、事前には朝日新聞や産経新聞のWEB記事にも取り上げられてて、まぁこういうのも妙ですけど、かなり注目度の高い出来事だったことを感じます。テレビでライブ放映するところが無かったのも一因かもしれませんが。


ワシは最初の打ち合わせに出て、後は現場に任せてところどころで管理してただけですが、本番中はデスクで待機……のつもりが、ものすごい多くの方に来ていただいて、ぶっちゃけアクセス過多だったりしましたので、実際の番組を制作している現場とは別に、皆さんに出来るだけ快適に見ていただこうというもう一つの戦いがあったことは、内緒です。言っている上に大袈裟だけどな。


あ、はやぶさ自体については下記をご参照のほど。


▼分かりやすい解説記事
質問なるほドリ:「はやぶさ」はどんな旅をしてきたの?=回答者・はやぶさ
http://mainichi.jp/select/wadai/naruhodori/news/20100613ddm010070014000c.html?inb=yt
▼オフィシャル
はやぶさ、地球へ!帰還カウントダウン
http://hayabusa.jaxa.jp/
はやぶさ帰還ブログ
http://twitter.com/Hayabusa_JAXA


でまぁ、twitterでも書きましたが。


今回、「はやぶさ」をダシにしたメディア論をよく見かけまして、そこではTVとネットとをの対立軸として語られていることが多いのですが、ワシにはそうする意味が分からない。


まぁよく見かけたのは、これだけの偉業のラストを生で伝えるのはネットだけだ!TV終わったな、的なもの。それへの具体的な反論もネット上に溢れているのでワシは触れませんが。


ともあれ今、TVはTVでその取材力やらで良いものを作るだろうし、ネットはネットで面白いものを模索しているんです。そしてその二つの光点は、それこそ夜空の衛星のように、たまに邂逅したりしています。企画によっては恐る恐るのランデブーをする時もありますが、それはそれで、それこそはやぶさプロジェクトのような意欲的な試み、と言えるのかもしれません。


そもそも受け手にとってソースがなんであるかは実際たいした問題じゃなくて、それを見て心震わされたならそれで良いじゃないか、と思うんですよね−。もちろん作り手は、自分たちの持つソースを活かして良いものを作ろうと頑張っているけど、それはまた、別のお話なわけで。


何にせよ、今回のような出来事をダシに、TVとネットを対立関係におき、あろうことか善悪二元論で語るのは、それがノイジーマイノリティだろうとは感じていても、その渦中にいる身としてはなんとももんにょりとした気持ちになるのです。


それとは別に、はやぶさの後続計画については、ワシもにわか天文宇宙ファン(いや、小四の文集に書いた将来の夢は天文学者でしたが)としてやきもきする所はあります。とはいえ、それはメディアに対してどうこう言うのでは無く、例えば選挙での意思表示や陳情なりロビー活動なり、自分でアクションを起こすのが筋ではないのかな、と。声を大きく上げる作戦もあるのだろうけど、それならもっと上手くやって欲しいところです。





とまぁ、ウダウダ書いてますが。


ワシは、実はどうにも探査機の擬人化には最後まで慣れなかったんです。でもそんなことはどうでもよく、昨日の「はやぶさ」祭には感動し、nc生で発光したはやぶさを見た時に本気で心が震えました。小難しいことはワシには分かりませんが、きっと、ワシにとってはそれで良いんだと思います。


長年、それこそロケット打ち上げやその前からはやぶさを追っている人、nc動の動画などではやぶさを知った「にわか」と呼ばれる人(ワシもここかな)、世間の騒がしさに昨日初めてはやぶさを知った人、どんな人であっても、あの燃え尽きる光を見て、切れ端でも物語を知って感動をしたのなら、それは等価だと思います。


もしかしたら、昨日の生放送を見た子供が、20年後に「はやぶさ2」の管制をしているかもしれない。その妄想は、堪らなく心地好いものです。





てことで、以下twitterでも呟いていましたが、はやぶさ関連私的備忘録。長々ですみません。


▼NHKさんの映像、ホントすごい。

はやぶさ カプセルの落下確認(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100614/t10015086401000.html


▼野口宇宙飛行士のtweetと、紹介されていたNASAの動画。

http://twitter.com/Astro_Soichi/status/16088329010
『これを見て泣かずにいられようか つゆと落ち つゆと消えにし わが身かな なにわのことも 夢のまた夢 http://bit.ly/babxqH
The final moment of Hayabusa, incredible shot from NASA aircraft.』
http://archive.nserc.und.edu/~kml/HayabusaRentryVideo.avi

その動画のアップっぽいもの。
http://www.nasa.gov/multimedia/videogallery/index.html?media_id=15112814


▼どれも写真が綺麗すぎる……

はやぶさ」大気圏突入、60億キロの旅帰還(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100613-OYT1T00818.htm?from=main1

探査機「はやぶさ」が地球に帰還、回収カプセルを発見(朝日新聞)
http://www.asahi.com/science/update/0613/TKY201006130193.html

はやぶさ」のカプセル回収を完了!KAGAYA氏撮影の再突入時の画像も(AstroArts)
http://www.astroarts.co.jp/news/2010/06/14hayabusa/index-j.shtml


JAXA撮影の天球画像。
http://twitter.com/Hayabusa_JAXA/status/16080131168


▼『“JAXAの真田ぁ〜ず”に総力インタビュー!』という連載タイトルに吹くけど、ホント良い記事。特に速報の方は、内之浦のくだりに泣いた。

祝帰還!「はやぶさ」7年50億kmのミッション完全解説【その1】
http://ascii.jp/elem/000/000/528/528836/

【速報】「はやぶさ」帰還! ウーメラ砂漠にてカプセルも確認
http://ascii.jp/elem/000/000/529/529611/


▼13日24時から行われたJAXAの記者会見の模様を、臨場感溢れる感じで。

はやぶさ記者会見@相模原
http://d.hatena.ne.jp/Imamura/20100613/hayabusa


▼いろいろと、派生画像なんかも。

はやぶさと(twitter)くじら
http://twitpic.com/1wgxcj

イチローさんマジぱねぇッス!帰還の1時間後には出回ってて吹いた。
http://up3.viploader.net/omoshiro/src/vlomoshiro009931.jpg


▼恐らく、和歌山大学の有志の方が撮られたライブ映像のアーカイブ。3分くらいからがハイライト。撮っている人々の感動が伝わってくる動画。

HAYABUSA re-entry
http://www.ustream.tv/recorded/7634995


ITmediaの、ちょっとしたリンク集になっている記事が、情報豊富すぎます。このページにあるリンクも幾つかありますが、一覧として重宝します。

お帰りなさい、はやぶさ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1006/13/news002.html


▼ラスト、このテキストの写真にも使っている「はやぶさ最後の1枚」を紹介する読売新聞の良記事。最期の最後、管制の人がはやぶさ(のカメラ)に地球を見せてあげようとしたんだとか……。

はやぶさ」最後の力で撮った故郷
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100614-OYT1T00140.htm

<引用始>小惑星探査機「はやぶさ」は大気圏突入の直前、最後の力を振り絞って、数千キロ・メートル離れた地球の写真を送ってきた。

日本時間13日午後10時2分に撮影した白黒写真を送信中の同28分、はやぶさが地球の裏側に入ったため、地上との交信が途絶。写真のデータも途切れたが、地球の姿が奇跡的に写っていた。

はやぶさは同日午後7時51分、機体の前面から地球に向けてカプセルを放出後、底面にあるカメラを地球に向けようと、180度向きを変えた。姿勢制御用のエンジンはすべて故障しており、長距離航行用のイオンエンジンの推進剤を直接噴出して、機体を回転させる離れ業を再び演じた。<引用終>