コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

おしおとバッハ

おしお、と言っても公判中の人ではなく、お塩、ことSalt、こと塩谷哲。ワシの日記にはたまに出てくる、ジャズピアニストです。それも、超一級の。


今日は、調布に住むやはりファンの友人に誘われ、そのSaltのコンサート@調布に久々に行きました。テーマというかタイトルは「Sait to
Bach」。バッハの曲をSaltがピアノで弾く、ということのようです。基本的にはピアノソロですが、途中から、トロンボーン奏者の中川英二郎が入り、デュオで奏します。


で、曲目なんかは写真一枚目をご覧いただければと思うのですが、そういえばSaltも言っていましたが、通常Saltがやるジャズライブは、当然事前に曲目なんか配りませんし、ライブの途中で予定していた曲をやらなかったり予定にない曲をやったり、なんてのは日常茶飯事(と思われます)。それがこうして事前に配られるだけでもそれこそクラシックコンサートっぽい。


てかだから、自分の曲をやるところの曲目は「曲目未定」なんて書かれているのか!さらにはピアノ、トロンボーンともにPAを通さない生音でのライブでしたから、その辺もちょっとクラシックっぽいですね。


さてコンサートですが、久々に聞いたSaltのピアノは相も変わらずアグレッシブでした。自分の曲始め、ジャズよりの曲を弾く時はまぁそうなるでしょうが、結局のところ、バッハの(クラシックの)曲も、すぐにジャジーな弾き方になっている。まぁそれこそが、ジャズピアニストがクラシックを弾く醍醐味なんでしょうけど、余りにいつも通りすぎてむしろ吹くほどでした。もちろん、良い意味で。


これまたSaltがMCで言っていましたけど、クラシックのピアニストは楽譜通りに弾くことが求められ、ジャズピアニストの求められるものとは全く異なる、だからそういう人とは互いに刺激し合う、ということで、なるほど確かにそうですよね。もちろんどちらも、曲を広げる表現力のセンスが問われることは、同じことなんでしょうけど。


全体としては、Saltのものを始めジャズな曲が半分と、バッハの曲が半分くらい、という構成。でも、曲の長さ的にはジャジーな曲の方が長かったのではないかと思いますがまぁそれもご愛敬。バッハの曲も、先述の通り最初の何小節かは楽譜通りなのにすぐに広く展開させる弾き方でしたが、それがとても楽しい音でした。


コンサートの途中で、ケータイの電源を切り忘れた上マナーモードにもなっていないお客さんの着信音が鳴りまして、まぁうっかりだろうとはいえ通常は信じられない話になるのですが、Saltはなんと、その着信音をピアノに反映させて、そこから曲を展開させていきました。ちょうど即興曲だったとはいえ、その展開は信じられないほど鮮やかで吃驚。


そして、日芸クラスタというか、江古田クラスタの方しか分からない言い方をすると、表現を広げているのに何故か「喫茶・トレボン」を思い出しました(分かりにくいw)。あの店にかかっているのは、まぁバッハというかバロック音楽全般ですけど。


いつも通り書き散らかっちゃいましたが、今回も素晴らしい音楽を堪能させていただきました、ってことで。なお、写真二枚目は(ボケてますが)、帰りに張り出されていたアンコール曲名と「曲目未定」だった二曲w。