コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

HERO

映画「アイルトン・セナ〜音速の彼方へ」を見てきまして。


ある日タクシーに乗ってたら、たまたま車内広告モニターでこの映画のトレイラーが流れていて、きっと映画としては微妙なんだろうな、と思いつつも気になってしまった作品。トレイラーの映像を見ていたら懐かしくなって、その日は家に帰って、92年のモナコGPと、94年のサンマリノGPの映像を見直してしまいました。


最近というかこの10年くらいは、タイミングが合えば見る、といったくらいの観戦頻度ですが、一時期、それこそ中学から高校生のころは、毎レースリアルタイムで見つつビデオも撮って、気に入ったレースは残しておく、というくらいF1を見てました。


そのころのワシにとってF1のヒーローといえば、やはりセナ。


以前も日記に書いたかもしれませんが、92年モナコGPは、ラスト3周のセナvsナイジェル・マンセルの一騎打ち。ワシの見たことのあるF1レースの中で最高のバトルはいまだこれ。


94年サンマリノは、言わずと知れたセナのラストレース。リアルタイムで番組を見ていましたが、確か、番組冒頭にセナが事故にあった旨の放送、その後、レースの模様になりましたが、それが途切れてセナの死亡が報じられたのでした。


ただの一ファンに過ぎないワシにとっても大きな喪失感。当時、高三でしたが、翌朝は買える限りのスポーツ紙を買って登校し、友人達と歎きあったのを覚えています。


さて、映画ですが。ネタバレとかを気にする映画でもありませんが一応気にして書くと、基本的にはF1ドライバー時代のセナに焦点を当てたドキュメンタリー。セナや回りの人々のインタビューや記録映像で構成されます。特に、プロストとの確執やF1における「政治と金」に巻き込まれるセナの姿を浮き彫りにします。


なので、レース映像は(ワシの)思ったより少なめ。華々しいスターとしてのセナというよりは、苦悩や葛藤をする彼の姿が浮かび上がります。そして、彼がどれだけ母国を愛し、母国に愛されていたか。セナの勝利に歓喜し、その死を悼むブラジル国民をみると、ものすごい感情を揺さぶられます。


冒頭とラストに挿入されたセナのインタビュー映像。それを見ると、彼は正直であり、孤独だったのだろうな、ということを思い知ります……少なくともそういった印象を持ちました。まぁ、ある意味ファンムービーでもあるのだと思います。


いまやワシも、セナが天に召された時と同い年になりました。若いころにそこそこいたはずのヒーローが、今や少なくなってきた気がします。それが、時代のせいなのか、ワシの加齢のせいなのかは分かりませんが、セナはやはり不世出のヒーローなんだな、ってことは、今日の映画でも確信しました。