コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

シチリアの洗礼(本編)〜イタリア・チュニジア トラブル記〜




てことで、先日の独り旅記・スピンオフ小咄第二弾……かな?どこまで続くか分かりませんが。ここで終わるかも知れませんが。あ、ちなみに第一弾は9月22日付の「Il conto?Combien?」( http://d.hatena.ne.jp/tomosaku/20100922/1285162439 )。って、ひと月半ぶりじゃねーか。


いや、このネタ一回書いたんですけど、更新直前に消えてしまいまして……そんな時に限って取っていないのがバックアップ。もう書くのやめようかと思ったけど、リライトしてみた。自己満足だがな!


さて、本題。


旅の最中、9月17日付の日記で「シチリアの洗礼」( http://d.hatena.ne.jp/tomosaku/20100917/1284717914 )ってテキストを書きまして、本当は前日くらったトラブルの話をオチに持ってこようと思ったんですけど、書き殴ってたらケータイから更新できる1万バイト(約5000文字)に達してしまい諦めたのでした。ていうかそんなに書いてんじゃねーよと。


そんなこんなで書きそびれたエピソードと申しますか、既に書いているものも含めて旅中に起こったトラブルというかアクシデントというかをつらつらと列挙する所存。ワリと自分の不注意というか油断と言うかに起因しているので恥ずかしくもあるんですが、もしかしたら何かの参考になるかも。ならないかも。


●タオルミーナのタクシー
9月16日の朝7時半過ぎ、シチリア島はタオルミーナの駅に到着した夜行列車。ローマから、海峡も渡って10時間くらい座席車に揺られての到着で、まぁそれなりに疲れてのタオルミーナ着でしたが、それでも大好きな映画「グラン・ブルー」の舞台のひとつに着いたわけですから、それなりにあがるテンション。


のまま、とはいえまずはこの大荷物をどうにかしなきゃなー、と思って、この日宿泊予定のホテル、カポ・タオルミーナに向かうことに。チェックイン時間の遙か前ですが、まぁ宿泊客の荷物は預かってくれるもの。てことで宿に向かう手段を考えますが……うーん、バスは本数も少ないし、ルートが正しいかも分からない。ここはタクシーか……。


ってことで、駅前のタクシーの運ちゃんと交渉。イタリアの特に南部では、メーターを回さない運転手も多いから先に値段交渉しとく方が良い、という中途半端な知識を元に交渉。結果10ユーロで、うーん、そんなに法外でも無いかなー、と思って乗車。


したところ、意外にもホテルは近くにあって、恐らくメーターで乗れば(感覚的には)6〜7ユーロくらいだったんだろうな、という感じでした。まぁ数ユーロの差なら、安心を買ったと思えば安いものですけどね。それに、高低差がかなりあるから、歩いて来るのは無理だったろうし。


●タオルミーナの白タクシー
ところが、真に問題なタクシー話は同じ日の夕方。ホテル、海岸沿いにあるカポ・タオルミーナから山の中腹にあるタオルミーナの街までは、ホテルの無料シャトルバスが行き来していて、まぁ午前中から昼にかけて一度行ってきたのですが、夕暮れにもう一度行こうとシャトルバス乗り場に行ってみると……発車時刻の数分前なのにバスがいない。


まぁ、一杯になったら行ってしまう、って話だったんでこの時もそうだったんでしょう。さてどうしようかと途方に暮れていたら、ホテルの従業員用駐車場(と思しきところ)から出てきた車が止まって、街に行くのかい?乗ってくかい?と英語で話しかけてきました。


一応、警戒しつつ「それはサービスかい?」と聞いたら「もちろん」的な感じだったので、ホテルの人っぽいし良いか、と乗ってしまうことに。まぁ後から考えればダメダメな判断ですけど、その時は大丈夫と思ったんですよねー。


山を登る車中、英語でいろいろ話をして、なかなかに気の良い兄ちゃんだなぁ、と思ったりしていたのですが、さて目的地の街の近くで車を止めて、グラッチェと立ち去ろうとしたら、ちょい待て、15ユーロ払え、とのこと。


こっからは押し問答。タクシーだと15ユーロかかるところを連れてきたんだから払う必要があるというワシと、そんな話は聞いていないというワシ。まぁ結論としては、10ユーロに値切って結局払ったんですけど、そもそも最初に「サービスか?」じゃなくて「コストがフリーか?」と聞くべきだったのかも知れません。まぁ、それでもいざ降りる段階になって金を要求される可能性もありますけどね。


結果的に、街には来られたしそれが10ユーロで済んだのは、シャトルバスを逃したことを考えれば得したのかもしれませんが、気持ち的にはもにょっとしますよね。もにょ。


●さらに、チュニジアのタクシー(空港編)
チュニジアに入国したのは、現地時間で20時近く。空港から市街地への移動は、バスもあるけどツーリストには厳しいからタクシーを使った方が良いよ、でもぼったくりもいるから事前に値段交渉しなよ、ってのがガイドブックの見解。てことで、チュニス空港のタクシープールに向かえば……わらわらと寄ってくる運ちゃんたち。カモがネギしょって来ているように見えているんでしょう。


そんな中、誠実そうな青年がいたので、彼と値段交渉することに。フランス語(チュニジアの公用語)で話してくるのですが、こっちは英語でしか応対できないので、「ミーター」とか言っている彼の言っていることがイマイチ把握できず、値段を教えてとしつこく言うワシに対して、それなら10ディナールで、って回答。夜間なら7〜12ディナールが相場、ってことなので、それなら良いか、と乗り込むことに。


車に乗って、フランス語と英語の中間当たりで会話しながら、あっ、と気付いたのは、この運ちゃん、たぶんさっきは「メーターで良いよ」と言っていたっぽいこと。そして実際運賃メーターを回しています。結果的に市街地までは4ディナールちょっと。でも、メーターではなく10ディナールで良しとしたのはワシですから、ここはもう払うしかない。


いやまぁ、気の良い兄ちゃんだったし、実際メーター制を最初に言ってくれたのは彼の誠実さだろうし、日本円にして300円くらいの差なので良いと言えばいいのですが、自分で墓穴をほったなぁ、という感はぬぐえない結末でした。


●そしてチュニジアのタクシー(カルタゴ編)
なんだ、タクシーのトラブルばっかりだな。


これは、軽くリアルタイム時の旅記にも書きましたが、カルタゴに行った際、駅から歩いてビュルサの丘、円形闘技場と巡りまして、それはそれで軽く歩き疲れるほどに大変だったんですけど、丘の上まで歩いてきて次に行きたいのは海沿いのアントニヌスの共同浴場、ってことで、タクシーで移動することにしました。


で、止めたタクシーが明らかに外れ。英語はおろかフランス語(本で示した)も通じない。地図を見せたら納得したふうなので乗ったら、今度はメーターを回さず、指摘しても無視、止めろと言っても無視。ちなみに運ちゃんは、失礼ながらホームレスふうという喩えがあってしまう風体。


ま、最悪払わなきゃ良いや、というよく分からない開き直りをしたのですが、さらに厄介なことに、地図を見せたのに道を間違い、その辺を歩く人に聞く始末。もうなんか聞こえるようにため息をつきつつ、最終的にはワシが地図を見ながら道案内をして(!)、なんとか目的地近くに到着。


最初はそのまま去ろうとしたら(それはそれでひどい)金を要求してくるので(そらそーだ)、1ディナールだけ渡します。もっと寄越せ、とジェスチャーしてくるので「貴様がメーター回さなかったんだから払う義理は無いし、そもそも道を間違えたじゃねーかこの糞野郎!」という思いを「ユー、ミステイク」の一言に込めて(これも間違ってますが)怒鳴って去ったら、そのまま引き下がりました。


でもこれ、オススメできない。相手によっては危険が危ない(!)可能性もある。


チュニスの私的観光案内人
これも旅記中でも書きましたが。チュニスに着いてホテルにチェックインして、もう夜もとっぷりと暮れた頃ではありましたが、アフリカにしては比較的治安が良いというのと、どうせ晩飯を食わねばならぬと、飯がてらの散歩に出かけることに。


それでまず足が向かったのがチュニスの中央駅ってのもどうかと思いますが(鉄的には正しいですが)、その道中、ホテルを出てすぐくらいに愛想よく英語で話し掛けてくる兄ちゃんがひとり。最初は自己紹介をして、ワシにどっからきたのって話をして、自分はホテルの人間だ、日本人は友達だ、的な感じで取り入ってきます。


と、そのうち勝手に歩きながらの街中案内が開始。やれあっちに何がある、この建物は何だ、という調子。おっとこれはちょうどさっきガイドブックで読んだトラブル事例、後で案内代を要求してくるパターンだな。てことで、ワシはひとりで回りたいんで案内はいらないよ、って5回くらい言って、振り切りに成功。


本当に気のいい人だった可能性も捨てきれませんが、何にせよトラブルの種は早めに摘むに如くは無し。今回のトラブルの中で事前回避に成功した数少ない例です。まぁ、本ででもネットででも、事前にある程度のケーススタディを知っておくことは大事だな、と実感です。


●駅違い、行き違い
9月15日、フィレンツェにて。この日昼過ぎの列車で次の目的日に向かうつもりでしたが、町歩きが楽しくて、ご飯も食べてたら乗れそうになくなったので、ま、良いかと一本遅らせることに。駅近くの宿に預けてあった荷物をピックアップして、ホームへ……って、あれ15時20分発の特急ってないの?


次の目的地へ向かう、14時20分と16時20分の特急があったので、てっきり一時間に一本と思い込んでいたんですが、どうやら二時間に一本だったようです。本日第一のトラップですが、引っかかったのはワシの勝手ですし、まぁ16時台のでも良いや、と駅のカフェで時間を過ごし、16時10分頃にまたホームへ出てみたら……あれ、16時20分発が電光掲示板に表示されてないよ?


軽くパニックになって案内所に行き、「この電車無いの!?」と聞いたつもりなのに「どこ行きたいの?ふんふん、じゃあ17時13分発に乗りな」とのレス。おいおい答えになってないよ、と問い詰めますが、そこは言葉の壁、17時13分に乗れの一点張り。


やむなく、持っていたトーマスクック(欧州列車時刻表)をよく調べると……16時20分発の特急は、フィレンツェなんちゃら、という、ここ中央駅とは別の駅から出る模様。ああ、気付かなかった!もちろんその駅がどこにあるかは知りませんし、今から行っても間に合いますまい。これが本日第二のトラップ……と言っても、これだって自分の不注意なので仕方ない。欧州じゃよくあることなのは知っていたのにね。


そうしてまたもカフェで時間潰し。軽いストレスを感じていたせいか、パケ死覚悟でtwittermixiに呟いて、リプライ読んでの繰り返し。と、17時50分にも特急があるとのリプライ。改めてトーマスクックを見てみれば、そいつはこれまでの特急のように別駅ではなく、この駅から発車。しかも駅員の教えてくれた17時13分のローカル列車よりも早く目的地に着くじゃないか!


これがこの日第三のトラップ。駅員にも謀られるところでした。結果的に駅に3時間近くいて、気持ちも疲れ果て、次の目的地で楽しみにしていた夕日も、日が暮れてから到着したので見られず。トラップの3分の2は勝手に引っかかっただけですが、なんとも、下調べの重要さを思い知りました。



てことで、リアルタイム旅記中に書いたものも含めてトラブルをまとめてみました。結果、これだけでも5000文字を超える始末。相変わらずの長文サーセン……でもま、今後旅する人の何かの参考になれば、と思います。


ちなみに冒頭の写真は、トラブルにあった各地の写真。1枚目、タオルミーナの駅ホームから朝日の昇るイオニア海、2枚目、アントニヌスの共同浴場からカルタゴの海、3枚目、フィレンツェのドゥオモからフィレンツェ駅方面。これだけ美しい場所でも、トラブルはやってクルノデス(あまり関係ない)。