コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

あいづをあいす〜ゼミラリー2011、旅程編

少し空きましたが、10日のテキストの続き。
http://d.hatena.ne.jp/tomosaku/20111010/1318226555


10月1日。集合は東京丸の内は丸ビルの横。ここは結構いろんな長距離バスが止まるのですが、みんなが集まってきてもなかなかウチらのバスは表れないなぁ……まさか、道向こうにいる、どうやらバスケットボールチームの移動バスなワケはないしなぁ……と思いつつ、念のために聞いてみたらそのバスでした。なんて/(^o^)\こったい。


埼玉ブロンコス」というチームのバスらしいのですが、チームで使っていない時はこういうツアー客とかに貸しだしているのだそうです。確かに資材の有効活用ではあります。でもまぁ、高速を走りながら隣の車に覗き込まれたり、SAで休憩する時に注目されるのは、ちょっと照れる。我々は選手じゃないよ!どう見ても運動のできそうにない壮年〜中年だよ!


さてそのバスは東京丸の内を出発し、首都高から一路東北自動車道へ。バスの中でまずは自己紹介タイムです。大人の修学旅行、とも銘打っているものですから、自己紹介の中に、修学旅行の思い出なんかも言ってもらいます。今回、全体の司会進行係でもあるワシがベンチマークになるべく切り出してみましたが、見事に滑っていきなり涙目。いやしかし皆さん、10年から下手したら30年以上前の修学旅行のことを、よく覚えているもんだなぁ。


佐野S.A.、五百川P.A.で休憩を取りつつ、バス内で会津の観光招致DVDを見てもらってそこからのクイズも出しつつ、福島出身のサンボマスターの曲をBGMに、バスは一路会津若松へ。概ね予想通りの時間に到着したのは幸先が良い。磐越自動車道を降りたバスは、まずは昼食処へ。


今回選んだお店は、ソースカツ丼のお店で「なかじま」。会津のソースカツ丼は、ここ最近のB級グルメのブームに乗ってか名物になっているそうで、その中でも「元祖」を名乗る店。団体だったのでお店に隣接した宴会場でいただきましたが、バス移動の良さか、早くもビールが解禁。ソースカツ丼は、「煮込み」の方はかなり味が濃いめなので、少しアッサリ食べたければ「キャベツ」に乗せた方が良いかもです。味は、全体ソースが濃いめですが美味と思います。


再びバスに乗り込み、最初のチェックポイントは鶴ヶ城。ベタですね。バス内で配った「しおり」を元に試験範囲を調べてきてもらうべく、「集合時間に遅刻したら減点だよ!」と参加者の皆さんを城に送り込んで、オフィシャルは、しばし休憩。


ちなみに今回、クイズの出し方に一工夫をしてみまして、通常ですとチェックポイントごとや移動中に「問題」と「解答(用紙)」を与えてそこで問題を解いて来るのですが、今回、チェックポイントごとに「試験範囲」を教えて、問題と解答は宿泊地で行う、という、たぶん過去にないはずのスタイル。


正直、問題の難易度設定が大変だし参加者のクレームも怖かったのですが、今回のコンセプトの「大人の修学旅行」にそって「学を修め」てもらう意味を込めて、試験形式にしてみました。ちなみに、ケータイやデジカメの使用は「カンニング」扱い。笑。メモや記憶、パンフレットが頼りになります。なお、通常は参加者を「班(チーム)」に分けますが、今回は修学旅行ですから「組(クラス)」と呼称しています。細かい演出、のつもり。


城とバスの間に土産物屋がありましたが、だいたいの組は時間通りに戻ってきてくれて、バスは鶴ヶ城を出発。そして、距離的にはほど近い「七日町」に移動します。ここでも、試験範囲と言いますか、ここを見ておくと良いよ、というポイントだけを教えて、皆さんは街中に散らばります。


七日町、とは、駅で言えば会津若松の隣駅ですが、蔵の町・会津の色を残した街区です。建物の作りもさることながら、伝統的なアレコレや、地酒、地のものを使った食材屋に料理屋と、会津の「らしさ」を味わうには良いエリア。ワシも、何度か会津には来ていますが、ここに来たのは今回のラリー下見が初めてでした。


会津漆、小坊師、会津染、会津絵ろうそく、会津三大乾物、和菓子、野口英世が若かりし頃を過ごした場所……などなど、新しさと歴史がない混じった中、参加者の皆さんからも「もっと時間が欲しい!」と、試験範囲の調査だけで無く街をもっと見たかったという声をもらいました。


さて、ここで時間はもう16時半を回っており、バスは宿に向かいます。今回のラリー、チェックポイントは少ないですが、それは移動が多い結果でもありまして、そもそも会津までが結構な距離ですが、宿もここから、1時間ちょっと掛かるのです。


バスは、磐越自動車道を1区間走って会津坂下ICから、国道252号線を南西へ。宿泊場所は、奥会津と呼ばれるエリア、三島町にあります「森の校舎 カタクリ」。かつて小学校だった建物を宿泊・研修施設にしたところです。まぁぶっちゃけ、ここからの逆算で「大人の修学旅行」というテーマになったと言えるかもしれない(何)。


元々小学校だったということで、宿泊部屋も教室を改装したもの。床や壁は綺麗に張り替えられていて、黒板だったところも装飾がされていて、ソファも置かれています。40人教室だったところにベッドは10台前後ですから、かなり広々とした部屋に感じます。まぁどうやら、女史部屋に蛾とかが潜んでいたらしいですが、それはこういう地域なら仕方ない。


風呂も温泉ではないですが大風呂がありますし、ロビー的な空間も作られていて(夜〜深夜の宴会はそこで実施)、今回は使いませんでしたが体育館も完備(シューズは持ち込み)。学校の雰囲気ときちんとした宿泊施設とがない混じった、個人的にはとてもステキなお宿でした。


<寝床になっている元教室>

さて、そんな部屋にまだみんなは入れず、まずは「研修室」となっている、恐らく元々音楽室だったところへ集めて「試験開始」。ワシを含む司会組は、無駄に教師っぽい衣装(ワシはスーツの社会科教師、他、ジャージの体育教師と白衣の理科教師)で入っていって、問題用紙と解答用紙を配ります。


制限時間は45分。各組ごとに、意外にもかなり真剣にみんなが解き始めます。やっぱりこういう時には「クイズラリー」の本質が出ますね。問題間違いの指摘を受けつつ、早く終わった人(組)から部屋に行ってもらって、試験は無事終了。オフィシャルは採点に入ります。


<試験時間に頑張っている皆さん(顔の見えない程度に)、真ん中にジャージ姿の体育教師もおります>

その後食堂に移動して夕食。恐らく元々給食室だったところを調理場に、地元のおばさま方が地元食材をふんだんに使った料理をこさえてくれます。これが美味!川魚、煮物、天ぷら、野菜のアレコレ、混ぜご飯に会津名物「こづゆ」……雰囲気に飲まれているところがあるのも確かですが、たらふく食えて美味かった。値段を考えてもこれは嬉しい。


ある程度酒に飲まれてる人もいましたが、食事後は再び研修室に移動して答え合わせ。かつてはここで、問題や解答の粗を探して少しでも点を稼ごうという参加者と、そうはさせまいと言うオフィシャルの侃々諤々の応酬がありましたが(主に先生を先鋒に)、先生は空から見ているだけ、参加者も年を重ねたせいか、ここ数年は大人しく、今年も大きな粗はないまま、答え合わせは終わりました。これはこれで物足りない気がしないでもない。


優勝チームも決まり、賞品の授与。優勝コメントと、来年のオフィシャル候補からの挨拶をもらって、あとはひたすら宴会モード。旧学校だったところで、ビール、日本酒、焼酎、ワインで飲んだくれる、20代から50代の、30人近くの大人たち。異様な光景のようで、ある種の同窓会のようでもあり、ワシもさすがにこの頃には疲れてましたが、飲みつ寝つつで3時頃まで宴席にいた曖昧記憶。


2日目。6時45分起床。企画段階から「無謀」と言われていたのですが、折角学校だし、折角広いグラウンドもあるし、折角修学旅行がコンセプトだし、ということで、朝からラジオ体操タイムです。とはいえ、正規の時間の6時半にはさすがにつらいので、テープを使って7時半からという軟弱さ。


例年、宴会の後はみんな潰れてて、朝ご飯も食べに来ない人が多いくらいなのですが、「来たら景品上げるかも!」という一言に釣られたのか、あるいは妙な意地なのか、7時半、まさかの校庭に全員集合。結果、いい年した団体全員で、爽やかな秋晴れの山の空気の中ラジオ体操という、なかなかに味のある光景が繰り広げられました。


これまた美味しい朝食をいただいた後は、体験学習。ここ三島町は、この宿の近くにも「生活工藝館」ってのを作って、桐細工や編み細工を教えてくれる体験学習ができます。この日は、かたくりの宿の人が講師に、山ブドウの皮を使ったストラップを編みました。これがなかなか、コツと力がいるものでしたが、編み方やビーズの付け方にみんなの個性が出ていて面白かったです。


さらに続けて、お昼ご飯用の「餅つき」&「きなこ挽き」。えぇ、前日チェックポイントが少なかった分、二日目はイベント盛り沢山で行きますよ。餅つきは、7年前にオフィシャルをやった時も盛り込んだのですが、それはたまたま宿泊地で同日にあった「村祭り」に飛び入り参加させていただいてのもの。今回は、自分たちの昼食確保のためでもあります。


餅つきの経験者は参加者にもそれなりにいましたが(過去にやったし)、石臼できなこを挽くというのは未経験の人が多く、これはこれで結構楽しんでいただけた模様。つきたての餅と、足りない分は機械つきの餅も足してもらって、挽き立てのきなこ、餡、野菜のせ、納豆のせ、などなど、バリエーション豊かにいただきました。ま、自分らでついた餅より機械つきの方が客観的な味は良かった(均一に柔らかかった)のは、仕方ないところ。笑。


散々っぱら遊び倒して、そろそろカタクリを出発の時間、散々っぱらお世話になった宿の方々に手を振って、バスは出発。働いていらっしゃる地元のおじさんおばさん方が、バスが見えなくなるまで手を振ってくれたのが嬉しかった。感じ入ったか、涙ぐむ参加者もいて、良い時間を過ごせたなぁ、と嬉しく思います。


<校舎の模様(2日目の朝)。真ん中にワシらの乗ってた、バスケットチームの大型バスが鎮座>

バスは帰路に向かう……前に、皆さんのお楽しみ、温泉へ。これを入れないと年長者からの文句が(略・笑)。今回、カタクリからもう少しだけ奥会津に行ったところにある「早戸温泉・つるの湯」というところに立ち寄ります。


実はこのラリーの、1回目の下見に来たのは8月の6日〜7日。元々予定していた日程ですが、ちょうどその数日前、台風による大水害が新潟・福島を、そしてここ奥会津・只見川を襲いました。地震や原発による災難に乗っかってきたさらなる災害。ワシらが下見に来た日は、水こそある程度引いていましたが、土砂崩れによる通行止めや残る濁流、そして、元々計画段階では行こうかと思っていた温泉が水害で休館、という事態でした。なお、只見線は橋脚流失で、いまだに一部区間運休中。


結果、こちらの温泉にしたのですが、幸いにも施設もしっかりしていて泉質も良く、時間が無い以外は皆さんにも満足いただけた模様。露天風呂から見る只見川が、いまだに本来のエメラルドグリーンの美しさを取り戻していなかったのが、残念と言えば、残念。いや、でもホント、源泉掛け流しで少しクセのあるお湯は、とても心地良いです。


そしてバスは帰路へ。会津方面に戻って、途中「道の駅会津柳津」でお土産タイム。その後は高速に乗って、磐越自動車道東北自動車道と、ひたすら東京を目指します。途中、事故渋滞があって多少時間は押しましたが、概ね想定内に東京・丸の内につきまして、シャンシャン、と解散であります。


もう帰りのバスでは、参加者もオフィシャルも、たいがい酒を飲むか疲れて寝るかのどちらか。いや一応、休憩とか考えて頭は働かせてますが。まー、それでもある程度休めた気持ちになったか、丸の内で解散後、時間と気力のあったオフィシャル数名で、プチアゲ(プチ打ち上げ)を実施。散々飲んでたのに、またビールに餃子で、一日を締めくくりました。





とまぁ、相変わらずの長々とした備忘録的アレになりました。このイベント、オフィシャル(幹事)をやったのは3年ぶり4回目。過去参加している10回中4回がオフィシャル、っていうオフィシャル率は、たぶんゼミの中でも高い方。でもやっぱり、ワシはそっち側の人間だなぁ、と今回も、日常生活の中でしんどいながらも楽しく企画運営できて、実感。


毎回のことですが、この30年以上に渡る「先生」という軸の「繋がり」、その大切さを実感します。それは、先生が他界されてからこそより強く感じていて、もちろん、みんながみんな同じ気持ちではないでしょうけど、先生という共通体験、共通の物語をもとに集まっているこの人たちが、本当に本当に楽しいし、大事です。


そして今年、少しでも福島の力になれたかなぁ……と思うところは、向こうでお会いした方々が、ワシらのラリーの話を聞くと、すごく感謝してくれるのです。世辞かもしれませんが、実際観光需要が激減しているのは確かで、修学旅行は例年の20%も行かないのだとか。そこに対して少しでも、ワシらの「修学旅行」がお役に立てたなら、ささやかな自己満足と、喜びであるのです。


なかじま
http://nakajima-aizu.biz-web.jp/
森の校舎「カタクリ
http://www2.ocn.ne.jp/~morikata/
早戸温泉・つるの湯
http://www.sakuma-k.co.jp/