コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

慣れないで向き合う

東日本大震災直後のことを思い返すと、一番の強烈な記憶はもちろん実際に揺れていたあの恐怖の数分間なワケですが、その次に自分の行動として印象的なのは、その後の一週間強、会社&近辺に泊まり込んで震災情報をネットで発信し続けた日々。


テレビ局の映像をお借りし、あるいは自分達でも独自の取材をし、それを24時間体制で放映し続けて。ワシは、会社の会議室をひとつ潰して作った司令室に篭って(といっても通常業務がほぼ麻痺状態だったので特に問題はなかったのですが)、情報の収集や指示、スタッフのシフト作成なんかに邁進していました。


当時の日記にもあるように、ある種の興奮状態にあり、また手前味噌な使命感に駆られていたとも思いますが、目的を持って動いていたことは、結果、個人的には心の平衡を保てました。


良くも悪くも日本中が興奮状態に陥り、うちひしがれ、その中で希望を捜していたあの一週間、情報の濃い部分に触れ続けていた自覚はあります。


その情報の中で語られていた、様々な憶測、恐怖、希望、絶望。それらは、一年経った今、どうなっているのでしょうか。


風化させない。そう言うのは簡単ですが、じゃあ震災のあったことだけ覚えていれば良いのか、といえばそんなはずはありません。起こってしまった残念な現実から、それぞれが出来得る進歩を遂げなきゃいけない……いけない、ということはないかもしれませんし、全ての人ができるわけではないかもしれませんが、少なくともワシはそうでありたい。


だから今、再びきちんと情報と、そして知識と向き合わなきゃいけないな、と思います。震災一周年の特番に多かった、あの時の悲劇を振り返るものやそこから立ち上がる美談だけではない、今、被災地で何が問題になっているのか、被災地から全国に向けて何が起こっているのか、もちろん、原発の影響もどうなっているのか。


残念なことに、ワシらはどんな環境にも慣れます。だから、気が緩んで、もしかしたら大事なことを聞き逃しているかもしれない。今こそ、震災から一年を経て、世界からも「じゃあ日本はどうなってんの?」と言われている時期でもあります。だからきちんと、向き合わなければ、です。