コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

旅の疲れにショック療法

日曜日。ぐっすりたっぷり寝たものの、前夜の就寝が早すぎたので、目覚めたのは5時半。じいさんか。まぁ旅の期間中にはよくあることですし、日のある時間を有効に使うには良いのですが。


前日ぐしょ濡れになった靴を貰った古新聞紙で乾かしたり、同じく洗濯物を取り込んだり、たっぷりの美味い朝食をとったり、メールチェックしたり(何)、眼前に広がる海と利尻島を眺めてたりしてたら9時半。案外のんびりしてしまいました。てかこの宿、超眺めが良い。


この日、利尻島へ移動するフェリーは13時過ぎの出発でしたので、その気になれば8時くらいに宿を出てもう一つくらいトレッキングコースを歩く時間もあったのですが、翌日、利尻岳を登ろうかとほんのり思っていたものですから、とにかく疲れ切った足を酷使しない朝にしました。


が、チェックアウトして、荷物は後で港まで届けますよ、ってことだったのでふらりと宿から港までの散歩を開始。途中途中、神社や寺を見かけては参道の階段や坂を上り、海が綺麗なら海岸沿いに渡り、恐らく本屋が立ちゆかないので公共の施設になっている本屋を見つければ覗き込み、うん、あんまり足を休めてないぞ。


まぁそれでものんびり歩きながら港へ到着。ちょうどあった船の出港を見送り、日記用のテキストを書き、土産物屋を冷やかしてたら早くもお昼。五年前に来た時に美味しくいただいた「ホッケのちゃんちゃん焼き」ってのを思い出して、港沿いの居酒屋「炉ばた
ちどり」へ。


ホッケのちゃんちゃん焼き、ってのは、その名の通りちゃんちゃん焼きの具がこの辺の名産でもあるホッケになったもの。生の切り身を炭火で焼いて、温まったらネギ&味噌を身に和えて、ほぐしながらいただきます。ホッケの脂身にネギ味噌の豊かな風味が混ざり合い、人によっては濃い味に感じるかもですが、ビールのツマミにも良い逸品です。焦げていなければ皮も食べられてこれもまた美味。


てことで、定食にしつつビールのツマミにもしてたらふくいただいた後は、宿の人に送って貰った荷物を受け取りいざ乗船。初となる利尻島に向かいます。


ところで港にいる間に、前回泊まった桃岩荘の「歓迎」と「送別」を見たのですが、やっぱりあれはグッと来ますね。来る船には「お帰りなさい!」、行く船には「いってらっしゃい!」を、船影の消えるまで全力で叫んでいる様は胸にこみ上げるものがあります。一期一会を全力でおもてなす気持ち。酒が飲めないのと多少の不自由を我慢できる時は、また桃岩荘に泊まりたいものです。閑話休題。


フェリーは40分ほどで利尻島へ。近付くにつれて利尻岳の偉容がいや増します。今夜お世話になる「旅館雪国」の迎えで一旦チェックインして、レンタサイクルもやっている宿なのでチャリンコを借りて少しでも島を巡ることに。全く足を休める気配無し。まぁ、これもショック療法、ってことかな(大間違い)。


で、最初に借りた自転車はなんと途中でパンク!何を踏んだわけでも無いのに……。ちょうどいらっしゃった地元の方が、宿のある方に行くから、と自転車とワシを乗せてくれて宿に戻ります。こんな時、後でお金取られるんじゃ無いかと疑心が少しでも湧いてしまうのが、海外旅での弊害かもしれません。もちろんそんなことは無く、宿で降ろしてくれました。ありがとうございます!


迎えに出かけていた宿の主人の帰りを待って、自転車を代えてもらいます。前のと同様、ちょっと足周りとギアに不安のあるクロスバイクでしたが、こちらは結果最後まで快調に飛ばしてくれました。宿のある鴛泊から西へ、野塚展望台というところから始まる利尻島のサイクリングロードに向かいます。


実はその手前にある、姫沼というところへ向かう道に一度入ってみたのですが、ここが結構な急坂でしんどく、調べたらどうやらサイクリングロード経由でも行けそうだ、ってこともあり、そもそもチャリで走ってもみたかったのですが、ここが正解。自転車用に整備されてますから、坂も緩やかで走りやすい!姫沼へは、途中から一般道に入って結局また登りですが、それでも海沿いの急坂よりははるかにマシ。


そんでその姫沼。沼に写る逆さ利尻岳が美しいってふれ込みでしたが、これが確かに美しかった。遊歩道は一周しなくても良いかなー、という感じですが(ワシは結局一周しましたが)、その景観部分だけでも素晴らしかった。緑の利尻岳が、やはり緑の湖面に反射して、水面が少し波打っていたので多少は歪みましたが、それでも美しかったです。


登った坂なら下りになる。てことでチャリですごい速度に加速しながら坂を下り、再びサイクリングロードへ。この道、高いところは海抜で言えば70から80mあたりにあるのか、基本的には林道の中を進むのですが、時折ある橋からの眺めがまた素晴らしい。片や海、片や利尻岳、爽快です。


道の山頂である富士見展望台まで行ってからは、基本的には下るだけ。当たり前ですが、これがまた気持ちよかった。そこから富士野園地までの5kmほどは、ほとんど漕ぐことも無く、ヘアピンカーブなんかも楽しみ、平地に近付いてからは美しいすすき野から眺める利尻岳なんかも見られ、とにかく楽しい。これ、絶対野塚側から行った方が楽しめるな。


富士見展望台からの夕日ヶ丘展望台と巡り、西方、礼文島の方に沈む夕日を眺めます。礼文から見る利尻は利尻岳が圧倒的な存在感ですが、利尻から見る礼文は比してかなり平坦な島に見えます。それでもその最高峰(490m)まで、前日は登っているのですが。


夕焼けは雲も多く、決して最高の眺めとは行きませんでしたが、吹き行く風を浴びながら赤味を増す空と礼文島を楽しみました。展望台では出会った札幌から来ているという老夫婦とひとしきり話し込み、北海道のオススメの山なんかも教えて貰ったり。


すっかり夜の帳が下りて、急ぎ、宿に戻ります。街灯の数も少ないので、結構な真っ暗っぷり。食事の時間指定をしていた18時半に宿に戻ってからは、食堂でひとり宴会(お客さんは他にもたくさんいましたが)。今日もビールに昆布焼酎なんかを飲んで、これまた大変美味な海の幸、島の幸を堪能し、風炉を浴びたら血行が良くなりすぎたか、すぐに寝入ってしまいました。


そんでまぁ、36歳となった今年の誕生日時(9月16日19時21分)は、その旅館の食堂で迎えてみたり。


結局足は休まったのか……というと、意外にも疲れはそこそこ取れていて、筋肉痛はまだ取り切れていませんが、これならなんとか登れるかな、という感。そこそこ歩いて、それなりに山道をチャリ走とは思えません。やはり、二日酔いには迎え酒、足の疲労にはショック療法、ってとこですかね。絶対間違ってますね。


……そんで、深夜前に一度目覚めて、このテキストを書いてまた1時間ほどの仮眠。さてこれからいよいよ、利尻岳に行ってきます!


写真は、1枚目がホッケのちゃんちゃん焼き。2枚目が姫沼から見る利尻岳。3枚目は夕暮れの展望台から礼文島方面。