コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

世界一周~ゼミラリー2013、本番の1「謎解き編」

世界一周~ゼミラリー2013、準備編』のつづき。

 

見渡す限りのふんわりとした微笑。これを苦笑と呼ぶむきもあるでしょう。オフィシャルはさも気にしていないふりで、すなわち当初からの「東京を旅と呼べるかどうかは内容次第、だからやりきる!」を心に、ルール説明に入ります。

 

まず配布したのは「パスポート(ふうのしおり)」。旅っぽさの演出と、各チェックポイント(CP)で押されるスタンプスペース(イミグレーションスタンプをイメージ)、注意事項に、一部のクイズも書かれています。クイズはCPに行くと解けるようになっています。続いて今回の得点となる「コバゼニ」。クイズや謎が分からない場合はこちらを消費してヒントをもらい、あるいは制限時間までに解けなければ没収されます。

 

そして、東京メトロ都営地下鉄共通一日乗車券。今回の乗り物は、チームごとの乗用車でも、団体バスでも無く、地下鉄。これで行ける範囲に今回のCPは揃っています。

 

オリエンテーションを終えて第一問。最初の第一CPを全チームに一斉に一個ずつヒントを出し、分かったチームがオフィシャルに耳打ちして正解すればそのチームから出発。一個目のヒントは「江古田にあった喫茶店『トキ』と同じ年」。分かるまい、と思っていたのに、1チームを除いてこのヒントだけで分かったのに驚愕です。

 

そして、ここからオフィシャルはそれぞれの動き。進行台本を書いてても一番大変だったのはこの動きの部分だったりしますが、さておき第一CPでのチェック担当のワシともうひとりは急いで荷物をまとめて、みんなに先んじて出発。行き方は各チームで調べてもらいますので、その間に第一CP、「東京タワー」に移動します。

 

みんなあっさり解いてたので焦って行ったのですが、案外各チームルート選択で遠まわりしているのか、想定よりも10分以上遅れて続々到着。来た順にスタンプを押してみんなを案内したのは「蝋人形館」。世界中の有名人の蝋人形が飾られた、B級観光スポットとしても有名なところです。

 

ここでの問題は「コマ地図の並べ替え」。小間地図とは、次の目的地にたどり着くための地図ですが、書かれているのは交差点やポイントになる部分の「コマ」で、正しい順番に並べないと迷ってしまいます。ヒントを元に順番を正しく入れ換えることで、第二CPへの道が拓けます。

 

皆、あまりヒント取得の「コバゼニ」を使わずに続々と解いていきます。まぁ、ここはきちんと見れば分かるからな、と第二CPへ全員を見送って、ワシらは一足先に第三CPへ……向かう途中にトラブル発生!参加者から電話が掛かってきましたのですが、どうやらその「コマ地図」が間違っており、正しい降車駅に辿り着けない!

 

確認をしたら確かに間違っており、サアッと血の気が引く音。作ってきてくれた問題をきちんと確認をしていなかった自分を恥じますが、まずは対処と、手分けして各チームに電話をし正しい降車駅を連絡。こりゃ、夜の順位発表で炎上するだろうなー、と暗澹としながら、ある意味それもゼミラリーの恒例行事。間違っていますが正しい燃料投下。

 

第二CPは代々木上原にある「東京ジャーミィ」なる、イスラム教のモスクであり、トルコ文化センターでもある場所です。ワシは下見で行きましたが、とてもエキゾチックで都内にあるとは思えない不思議な魅力を持った建物。

 

ここでは、まずクロスワードパズルが配られ、出てきた文字を並べ替えると「えぬぜろよん」になる問題が用意されます。「N04」……都内の地下鉄の符番であり、南北線の麻布十番駅のことです。ちょっと謎解きっぽくなってきました!さらに、マトリックス地図の指定された場所を見つけ出す問題(地図を格子状に切った「B-4」などを捜す)もあり、指定された場所が第三CP、麻布十番の「パティオ十番」。

 

ワシら側のオフィシャルはそこでみんなを待ち構えて、麻布十番問題を配付します。問題は、この近辺にある「微笑みの像」という、「微笑み」をテーマに12の国が寄贈した12個の、大使館の多い麻布界隈ならではの像を巡って解く問題。先のリンク先の地図を活用し、今回ワシが一番気合いを入れて作った問題……というか、謎解きです。

 

ちょっと気合いを入れちゃったもので、ここでも(少し変えて)紹介しますが……

 

問:次の行き先はこちら

【★-▲】駅【■/26-●】出口

 

★=フランス→アメリカ、アメリカ→きみちゃん、韓国→ドイツ

▲=(オランダ-フィンランド)÷(ベネズエラ÷200)

■=アメリカのネズミの数

●=全世界の「微笑」の数

 

以上を、1時間で解け、というもの。

 

まぁ実際に歩いて各像に付いたプレートなどの情報も入れ込まないと解けない問題ですので、ここに書いても意味がないのですが、それでもうきうきしながら解説をしちゃいますよ。この部分、読み飛ばしても大過ありませんよ!

 

<読み飛ばし推奨>

まず当然、『【★-▲】駅【■/26-●】出口』に到達するのが目的です。ここまでの問題やこの書き方から、『駅』の前にあるのは地下鉄の符番、『出口』の前にあるのはその駅での出口だろう、というのは察せられるかもしれません。

 

『★』は、先の地図上で、フランスの像とアメリカの像、アメリカの像ときみちゃん像(赤い靴の女の子)、韓国の像とドイツの像を、それぞれ直線で結んで地図を横にすると『A』の文字が出てきます。

 

『▲』は、それぞれの像のプレートには、それぞれの国の首都までのざっくりとした距離が書かれていまして、それを国名ごとに代入すると出てくる数字が『20』となります。

 

『■』は、本当に数を調べろってことでは無く、実際に像の前まで行けばシンプルで、アメリカの像にはネズミが『2』匹、まとわりついているのです。

 

『●』は、全世界……ここでは12個の、像のタイトルに着目。タイトルに漢字で『微笑』と入っているのは『3』個、なのです。

 

ここまでは、像を歩いて回れば概ね導き出せるところ。ところがここで出てきた文字を代入すると、『【A-20】駅【2/26-3】出口』。駅は、浅草線の押上駅であることが容易に解けますが、『【2/26-3】出口』って?

 

ここで閃くかどうかが「謎解き」の醍醐味。みんな最初は『2/26』から「13-3……?」とか「2を26ひく3、23で割る?」とか「226事件のあった年?」とか、諸々与えられた条件をこねくり回します。

 

さて、ここで謎解きの好きな方なら察している方もいるかもしれませんが、謎解き系問題でよくあるパターンとして、『26』はアルファベットを、『12』は干支や星座を、『48』はいろは歌を含意していることが多いのです。これもその王道に沿っているだけなのですが、『2/26』とは『アルファベットの2番目』=『B』を意味しているのです。

 

すなわち『押上駅B3出口』が正解!

</読み飛ばし推奨>

 

リアル脱出ゲームなどで謎解きゲームをしている時に、まさに「閃いた」としか言いようのない答えが「降りてくる」瞬間があります。それがとても快感なので、ワシは謎解きが好きなんだと思います。そして今回、自分が出題する側になって見て、各チームが「閃いた」瞬間を見て分かったことがあります。

 

ああ、閃きの瞬間って、出題している側から見ても快感なんだな!

 

その瞬間って、出題側の意図を汲み取ってくれた、すなわち思考が繋がった瞬間なんだと思うんですよね。言い方を変えると、言葉は悪いかもしれませんが、こちらの思惑に乗っかってきてくれた瞬間。「あ、今、理解してくれた!」その瞬間の共有って、なんとも言えずに嬉しいものだというのを知ることが出来ました。

 

その「謎解き」を巡る喜びまで書いて、既に冗長ですので次回持ち越し。

 

 

次回予告:押上駅B3出口、地下鉄を降りてエスカレーターで地上に向かい、建物を出た目の前にそびえ立つのはそう、東京スカイツリー

 

まだ、つづく

 

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写真、1枚目はタワーとツリー。角度のせいですが、倍の高さがあるようには見えない。2枚目は、東京タワーから麻布十番へ移動する途中に神社の例大祭があって、そこに出ている麻布・野田岩の屋台で買った、野田岩の鰻のタレで仕込んだ焼き鳥を食うの巻。まぁ焼き鳥は何でも良いのですが、オフィシャルはこんな浮かれポンチな格好で都内を飛び回ってました。3枚目はパティオ十番のきみちゃん像を調べるみんな(顔の分からない程度の解像度で)。こうして各所調べたり地元の人に聞き込みしながら勧めていきます。