コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

限りなくブルーに近い透明~富士山と水

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「富士山と水」シリーズの5回目です(4回目まではひとつ前のテキスト参照)。きっかけになった富士山の水を巡るNHKスペシャルでもっとも驚いた、前回までとは少し離れた場所にある柿田川湧水群。ここにも、旅に行っていました。

 

ワシはたまに「一番良かった旅先は?」と聞かれることがあります。まぁ旅好きを知っていただいている方からの何気ない会話のフリではありますが、これが答えるのがとても難しい。それぞれの土地の魅力、美味しいもの、美しい景色、それはそれぞれの魅力なので、包括的に一番を挙げにくい。

 

それでも、「これまでの旅で見た、一番綺麗な青は?」と問われたら、ここ、柿田川湧水を挙げるかもしれません。対抗馬は波照間島の海(その青さを指して「波照間ブルー」という呼称もあるほど)ですが、あちらは「青」より「空と海」としての美しさかな、とまぁ感覚的な話ですが。

 

その一番綺麗な青は、最初の写真、「第二展望台」から見える「わき間」と呼ばれる水の湧いているポイント。湧いて出る水は透明なのに、この少し深くなっているポイントだけ青味がものすごく増しているのです。染色でもしたのかしら、と思うほどの青さ。そういえば、顔料でも染色でも、青色を出すのはあらゆる色の中で一番難儀だ、なんて話を聞いたことを思い出します。閑話休題。

 

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<吹き出る周りをたゆたう魚群>

 

この湧水。冒頭の番組に寄れば富士山の雪解け水が富士山の表面を覆う溶岩流の隙間を通り、富士山から30km離れた清水町にて吹き出している、とのこと。なんでも水の組成を調べることで、富士山の標高何メートルくらいで溶岩に染み込んだか分かるそうなのですが、ここの水は、標高1400mが水源にあたるのだとか。

 

そんな高さで入り込んだ水が、地下水脈を流れてこんなところまでたどり着き、この美しさを出している、というのは、なんとも驚きのある、雄大な話です。

 

ちなみに、ここのすぐ近く、三島市は三島駅の南方にも富士山の湧水からたどり着いた川が流れておりまして、そこでは、川の中、と言いますか、川の中心を歩いて行く遊歩道が整備されていて、魚も泳いでおりましてこれはこれでとても涼味のあるもの。この界隈、水好きの散策にはとても良い旅先と思います。

 

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