コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

バス・アドベンチャー(2)〜バス旅よ永遠なれ

<前回のあらすじ>

公共交通機関の便が良くない「この木なんの木」「日立の樹」ことモンキーポッドがあるモアナルア・パーク。ローカルバスで危ういながらも到着して、次の目的地真珠湾に、再びバスで移動を試みます。分かりやすいように一度ダウンタウンに戻ろうと思っていましたが、バスの運転手に「乗り換えるところで教えてやるから乗って行きな」と言われて、全く路線を把握してないし言葉も怪しい土地でまさかの冒険心がむくむくとわき起こることに。

 

 

モアナルナ・パークに近いバス停から乗ったバスは、高速道路の近くを通って大通りを分け入り、住宅街へ。え、住宅街?新興住宅地の中を巡るバスのように、右に左に路地を変えながら走り続けます。そしてどんどん降りていく乗客。えぇと、このまま乗っていて大丈夫?ワシ、忘れられてない?

 

結果、バスの終点「SaltLake」まで来たら運転手さんが「あっちにあるバス停、あそこから32番のバス停に乗ってアロハスタジアムで降りな。そこからはどのバスに乗ってもアリゾナ・メモリアル(真珠湾)行けるから」(英語)とのこと。あ、ありがとうございます。。。

 

ここ「SaltLake」は、どうやら住宅街のショッピングセンター、近くには同名の湖もあるようです。スマホのGoogleMAPで見ました。ていうか、32番のバスってのが、持っているガイドブックにも載っておらず(全路線の半分くらいしか載ってない)、はたしてどこに行くんだろうか……まぁ、アロハスタジアムは載ってるから、なんとかなるかな。

 

次のバスは20分後。SCにあるマックで飲物を買って待機。バス停にも店にも、観光客らしきは誰もおらず、完全に地元の方ばかり。不安な気持ちも夏の入道雲並みにむくむくですが、まぁここまで来たらなるようになる。それより気になるのは、バスの運転手が行っていた「アリゾナメモリアル、もう閉まってる時間だよ」の一言。ガイドブックだと17時までやっているようですが……(この頃13時頃)。

 

32番のバスが到着。またも乗客は地元民ばかり。またも住宅街を右往左往しながら30分ちょっと走って、やがて見えてきたハイウェイと、その先にスタジアムふうの建物。お、地図通りならこの配置は、アロハスタジアム

 

果たして、運転手に聞いたらそうだというのでここで下車。次のバス停の場所を聞いたら、歩いて100mくらいのところだとか。さっきから、微妙に乗換バス停の位置がずれているのでそれも少し怖いところ。バス停に向かいながら横を見れば、アロハスタジアムの駐車場でなんでもフリーマーケットをやっているようです。が、ちょっと本職のヒップホップでもやりそうな人の群れが賑やかに騒いでいるので、恐れを成して眺めるだけにしてみました。

 

次のバスに乗って真珠湾の場所を聞けば「次の停留所だよ」とのことで拍子抜け。なんだかんだで1時間半くらい掛かりましたが、無事、パール・ハーバーの海軍基地に到着。まー、たぶんダウンタウンに戻ってから来ても同じくらいの時間が掛かった目算でしたから、このささやかなアドベンチャーを体験出来たのは良かった、かも。

 

 

パール・ハーバー。言わずと知れた、第二次世界大戦における日米開戦の地です。あの戦争の是非はともかく、こうして日本人として訪ねられることに感慨を感じます。ワシがハワイで来てみたかった場所は、「この木なんの木」ともうひとつがここです。ショッピングとかあまり興味ないからなぁ。

 

ここは現役の海軍基地ですから軽くセキュリティもあって、持ち込める荷物も最低限。で、先ほどから「アリゾナ・メモリアル(記念館)」と書いていますがそれはこの真珠湾海軍基地にある記念館のひとつで、他にボウフィン・サブマリン博物館」「戦艦ミズーリ記念館」「太平洋航空博物館パールハーバー」があります。

 

そして、チケットセンターで聞いてみたら「アリゾナ略」は、どうやら今日の人数に達してしまい行けないとか!ここは、海上にあってシャトル船で行くのですが、どうやら満員のようです(英語だからなんとなく)。んー、さっきバスの運転手が言っていたのはそういうこと、なのかな。

 

仕方ないので他のところに行くかと、「ミズーリ」と「航空博物館」をチョイス。14時半頃着いたワシは係員に「それでも3時間くらい掛かるけど大丈夫?(閉館17時)」と聞かれますが、いやいや、いうても一箇所1時間も掛からず見られるでしょ、と楽観してチケット購入し、日本語放送もあるシャトルバスでそれらの施設があるフォード島へ移動。

 

時間の見積もり、甘かったね。

 

戦艦ミズーリ記念館は、まんま、停泊する戦艦ミズーリ艦内に乗り込むのですが、まずバスを降りた時点でかなりの威容を見せつけます。でかい!日本語のビデオガイド(iPod)を借りて乗り込むと……やっぱりでかい!舳先も、主砲も、艦橋も、目に入るところだけでもでかい。さらに、艦内に入れば、2000人が暮らす艦ですから食堂も調理場もでかい。

 

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でかい艦橋

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でかい主砲

 

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でかい調理場

 

この艦上では、太平洋戦争で日本が降伏文書を調印したりしていますし、神風特攻隊がぶつかってきた跡も残っています。湾岸戦争まで現役でしたから、戦歴も相当なもの。それらをビデオガイドで見聞きしながらこの巨大な艦を一周したら……ゆうに、一時間半掛かりましたね。

 

シャトルバスでさらに移動し「航空博物館」へ。閉館までの残り時間は……45分くらい?第二次大戦前後から戦闘機、攻撃機、爆撃機、輸送機、戦闘ヘリなどなどが、二つの格納庫に展示されています。ゼロ戦もあれば、格納庫のひとつには真珠湾攻撃でくらった機銃の跡が残っていたりもして、これも、感慨深い。

 

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真珠湾攻撃の機銃の後がガラスの弾痕に残っています

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第二次大戦中の爆撃機B22

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F14トムキャット。トップガン! 

 

すっかり閉館時間まで堪能して、こりゃ、アリゾナ・メモリアルも見ようとしたら、一日とはいわないけど半日は費やさないとな、という場所でした。

 

 

ここから市街へは何本かローカルバスが走っていますが、ちょうどエクスプレスが来たので乗り込んで、目的地はアラモアナ・ショッピングセンター。ここも有名ながら、以前来た時に来なかったし、やっぱりちょっとショッピングくらいした方が良いかな、と訪問してみました。が、結局。

 

どうにもブランド店巡りに興味を示せず、じゃあせめてフードコートだけでも、と大混雑のところに飛び込みます。やはり友人が教えてくれた「パンダエクスプレス」のオレンジチキンってのを食べてみようかな、と店の前に行ったら、店員さんから試食にその商品を渡されてモグモグ。うん、美味しいね、でも味分かったし、晩飯は別に食べたいし、と試食に満足して立ち去り。

 

そのまま、トロリーバス乗り場へ。滞在20分程度。

 

バスをワイキキビーチで降ります。お買い物よりも、ここから見る夕日を優先した結果、ちょうど沈み行く茜色を楽しむことができました。しばし眺めてカラカウア通りに戻れば、人だかりの先に賑やかな音楽、海岸沿いのステージでフラダンスショウをやっていました。どうやら無料で見られる模様。なんだ、野良フラか辻フラみたいなものか(そんな言葉はありません)。

 

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実はここに至るまでハワイの踊りをほとんど見ていなかったもので、終わりまで堪能。当たり前ですが、なるほど一口にフラダンスと行っても様々だなぁ、というのを知り、特に前々日に行ったマウイ島ハレアカラ山を歌った「Haleakala Hula(ハレアカラ・フラ)」という曲が気に入りました。

 

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日もとっぷり暮れますが、ワイキキはここからがさらにショッピング&飯タイム、ってことで、今一度買い物に挑戦し晩飯を捜しに、近場のロイヤル・ハワイアン・センターなるショッピングモールを訪問。いや、買い物に挑戦って時点でおかしい気もしますが、結局ここでやったことは、土産的アイテムの購入と、実弾射撃。

 

 

実弾射撃は、街中で日本語の看板と片言の日本語でしょっちゅう声を掛けられますが、ものがものだけにちょいとした不安があるのも確かなところ。ここは、きっと相場的にはお高いのでしょうが、綺麗で日本語対応もきちんとしていそうだったので、入ってみました。実は元々、別段やる気は無かったのですが、昼に行った海軍基地の見学でふつふつとミリタリー心がわき起こったのは否定し得ないところ。

 

日本語でのインストラクションの後に実射。ちなみに、一緒にやっているのは日本人の母娘。子供用に小口径銃でのプランもあるようです。今回ワシは、ライフルを含む大口径のものを選んでみまして、ベレッタ、グロッグ、357マグナム、44マグナムと、物語で見知った銃が揃っているのも選んだ理由。

 

室内射撃場で6種類を10発ずつ撃ちますが、これが中々当たらない、というか、撃つ時に反動で銃身はあがるわ目はつぶっちゃうわで、だいたい的に当たるのが3分の2程度、それも真ん中にはほとんどいきません。唯一、テーブルに肘を固定して撃ったライフル銃だけは真ん中に偏っていて、カメラと一緒で腕の固定が大事なんだなぁ、と思い知ります。

 

手をビリビリにしながら一通りを終えます。実弾射撃は以前、オーストラリアに行った時にやったことがあるのですが、これこそ日本では出来ないことなので、こういうもの、ここなら出来るってことにはお金を掛けてしまい気味です。バス移動で節約した分を払い出し、みたいな。その際も大口径の銃を使いましたが、的に当てるなら反動の小さい銃の方がやりやすいですね、当然ですが。

 

そして、やってみて思うのは、やっといて言うことじゃないですが、やっぱり銃は良くない。簡単に人の命を奪えるこの道具が日常生活に入り込んで存在しているのは、すくなからずの恐怖感を感じます。まぁここで、アメリカの銃社会の問題に踏み込む気はありませんが、これは限られた世界で使って欲しいもの、無くなるならそれに超したことは無い、と感じます。

 

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記念写真は別料金

 

 

結局まだ晩飯どころを見つけられておらず、なんとなく、賑やかに音楽でもやってそうな店を捜しますが、「インターナショナル・マーケット・プレイス」という場末のワゴン型店舗が並ぶ屋外B級ショップ街、「Tiki Town」なるバーでライブをやっていたのでふらり入店。しかしもう食べ物は終わっていて、でも飲物が見たこと無いビールとかあったので、酒だけでもと腰を落ち着けます。

 

ハワイのローカルビールを飲んで、マウイ島のパイナップルスパークリングワインを飲んで、音楽は50年代からのアメリカンミュージックを中心に演奏。音楽も酒も中々に堪能して、もう飯は良いか、と思ったところ、同じ敷地内にやっすい感じのフードコートを見つけ、閉店間際の店に牛丼を見つけ、なんか食べたくなって購入。固い肉でしたがそれなりに食い応えもあり堪能。

 

ABCマートなんかでもう少しお土産を買ってホテルに帰還。いや、しかし後で空港でも見てみましたが、同じアイテムがABCマートの方が安かったりして、ブランド品以外の服飾品やお菓子なら、ABCマートで買うのが正解ですね。街中、東京の全ブランドのコンビニを合わせた以上に店もありますし。

 

 

8月25日、最終日。といっても昼のフライトに乗るので、まずは朝飯をと、ここまで食べていない「ロコモコ」を食べられる店を捜します。ちょっと街中歩いて、結局ホテル徒歩2分のところに落ち着きましたが、ここ「Seaside Bar & Grill」のお味は可も無く不可も無く。この中途半端さがこの旅の最後に相応しい、のか?

 

そして空港まではまたもローカルバス。今回は渋滞も無く1時間ほどで国際線ターミナルに到着。もろっとイミグレーションなどなどを済ませて、セキュリティチェックをくぐって……そこに、ローカルビアの店を置いとくとか、本当に卑怯だなぁ、とそのまま入店。

 

朝っぱらからになりますが、ハワイ島でしょうか「KONA BREWING」なる醸造所の店に入って、ドラフトビールを堪能。買い物もあまりせず(先述の通り、「土産物」の品揃えはABCマートと変わらず、しかも空港の方が高いので)、中部国際空港行きのJAL便に乗り込みます。

 

そう、今回マイルで行っているのですが、帰りの便で羽田ないし成田直行が無く、セントレアでトランジットをすることに。セントレアでは一度荷物を受け取らねばならずちょいと面倒でしたが、そういえば海外からの帰りで国内トランジットをしたのは初めてなので、ある意味新体験。ついでなので、赤福を買って成田行きに乗り込み、無事、到着。25日の昼にハワイを出た飛行機で、26日夜に帰国と相成りました。

 

 

なんか半分くらいバスは関係ない旅記、しかも帰国後二週間開いてからのものになりましたが、これにて「ハワイぼっち旅」の旅記は終了です。帰ってきてから書くと、やはり長文になりますなぁ……。

 

オアフ島のローカルバスは、ルートさえ間違えなければとにかく安いと思います。乗った時に貰えるトランスファー・チケットを使えば、その先二時間半は最初に払った2ドル50セントでどこまででも行ける。ただやはり、特にワシみたいな英語の不自由な人間には、それなりにアドベンチャーなのも事実。渋滞とかもありますし、明確な目的地があるならアクティビティで移動する方が良いかもです。時間を金で買うのも立派な旅の手段ですから、その辺はスタンスや日程次第なのかな、とか。

 

マウイ島は、ローカルバスの存在があまり日本人に知られていないのかな、と思いますが、これも上手く使えば1日4ドルでどこまででも行ける優れもの。これは機会があれば、別エントリーでまとめておきたいところです。

 

ともあれ、トータルでそれなりに満喫したのは確か。独りで行っても楽しい、バスに乗っても面白い、やっぱりハワイは気分的にはお手軽でステキな旅先、ですね。