コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

絶景ローカル線!川沿い温泉&ご当地グルメで湯ったりのんびり各駅停車の旅

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……なんか、しょっぱい旅番組のタイトルみたいにしてみましたが、一応、今日の旅要素が全部入っているという摩訶不思議。

 

てことで、何年ぶりか、恐らく10年以上ぶりだと思いますが、JRの「青春18切符」を使った旅に出ております。そもそもの話し、夏休み的なサムシングをいただいておりまして、例年ですと混雑期を避けて長期休暇→安めの旅のコンボをかますわけですが、今年は仕事の遣り繰り上、お盆時期が一番取りやすかったので、そんじゃあ18切符使って安くあげるか、という魂胆。

 

そうなると、余り行き先を考えないのも常。ぼんやりとあの辺行こうかな、とネット巡回してたら良さげな宿を見かけたのでそこだけ金曜日の朝に予約して、あとは、12日の夜に四谷で飲み会があるので、それまで四日間をぶらぶらしよう、ってことだけを決めて、土曜日早朝、リュックサックに着替えと小説何冊かを詰めて、出発。

 

 

6時ころに江古田を出て、池袋駅から埼京線赤羽駅乗り換え、高崎線で一気に高崎駅へ向かい、さらに上越線の水上行に乗り換えます。ここまで、一応座れていますが結構な大混雑。山登りに行くんだろうな、という人や、見るからに鉄オタな中学生ぐらいのグループなど、後者は自分の若いころも思い出させます。や、その頃から独り旅派ではあったけれども。

 

朝飯がまだだったので、水上駅前のお土産屋さんでお焼きと温泉饅頭を所望し乗り換え列車に戻ってみれば、相変わらずの大混雑。ここ、水上駅から越後湯沢駅までは、鈍行旅ニストの難所のひとつで、一日に5本くらいしか列車が走っていなかったりします。そのくせ、最近では谷川岳登山やトンネル内にある秘境駅などで謎のブランディングがされているので、この状況も然もありなん。

 

列車は一路長岡へ。ワシの旅路的には本来小出駅で乗り換えなのですが、待ち時間が2時間ほどあったので、長岡まで足を伸ばして昼飯&位置ゲーです。てのも、ちょっと調べたら、長岡駅の構内に「朝日酒造」という「久保田」などで有名な酒蔵の直営飯屋がありまして、実はこの東京の直営飯屋が勤務先のすぐ裏にあって何度か行っているものですから、縁を感じて行ってみた次第。

 

食べたのは、あさひ蕎麦にタレカツ丼のセット。蕎麦粉は地場産らしいです。なるほどどちらも美味しいのですが、どちらもちょっとずつ味の物足りなさを感じてしまい、ちょっともったいない食後感。お酒は、サッポロの新潟限定ビールという「風味爽快ニシテ」と、折角酒造に来たのですから、店舗限定と書かれた純米吟醸「勝保」。日本酒、とても美味しかったのですが、かなり味のしっかりした濃い目の酒でしたので、蕎麦よりも店に数多ある新潟のツマミでいただいた方がよりよいかも。

 

40分で小出方面に戻る列車が来るので、あわあわと酒飯をいただき再び乗車。30分ほど揺られて小出駅で乗り換えましたるが、只見線。この日のワシ的ハイライトです。恐らくこれも乗るのは20年以上ぶりくらい。ワシの記憶では、小学生か中学生の時に、夏休み恒例の父親との二人旅で全線に乗ったのが、最初で最後のはず。

 

只見線は、日本でも有数の絶景ローカル線として知られていて、少ない運転本数ながら鉄道旅好きの間では根強い人気のある路線です。山深い中を、右に左に移りゆく川と並行して、春夏は緑、秋は紅葉、冬は豪雪の中を走っていきます。ですが今は、三年前の豪雨の影響で一部区間が代行バスになっていて、その区間の復旧の目処は立っていません。18切符で来ておいてなんですが、乗ることが応援になるなら、と、前々から再訪したかった気持ちと合わせて乗りに来ました。

 

のどかながら自然の力強さを感じる中を走って行くローカル線、只見駅代行バスに乗り換え、会津川口駅で再び列車に戻ります。そのまま会津若松には行かず、途中の会津宮下駅で下車。今夜の宿は、この街に取っています。

 

 

只見線に乗るのは久しぶりですが、奥会津は何度か来ていて、最近だと、三年ほど前に大学の出自ゼミのイベント「ゼミラリー」でオフィシャル(幹事)をやった時に、この会津宮下駅を擁する三島町の、駅から数キロ山に分け入ったところにある廃小学校を利用した「森の校舎カタクリ」を宿泊地にしました。下見でも何度か来ているので、なんとなく、馴染みのある街です

 

駅からすぐの、古民家を使った観光案内所で、炭で濾過した水を使ったというアイスコーヒーを飲みながら街のマップを拝見。三島町は桐製品が有名で、ここでもいろいろ販売がされていますが、有名な観光名所があるのでもなく、そのままフラッと駅前散策をしましたが、20分もすれば一周できてしまいました。

 

それでも、趣のある神社や、街中に設置された清水の井戸、先述の桐製品が展示された店に、統一感のあるデザイン看板と、短い時間でそこそこ見所はあった感。ゼミラリーの下見で泊まった「のんびり館」なる民宿も健在でした。さらに只見川の方まで散策して、この日の宿、「宮下温泉栄光館」に投宿します。

 

ゼミラリーの際、隣駅の早戸駅から近い「早戸温泉つるの湯」というところにも行ったのですが、ここのお湯がとても良くて、今回もまた立ち寄りたいなと思ったのですが、そこは本数の少ない只見線に公共交通機関に頼る旅をする身。どうにも時間の遣り繰りがつかず、近場を捜していたら、別の源泉ですが駅に近くて見つけた宿がこちらでした。一人でも泊まれるようだし、と出発前日に予約したのは前述のとおり。

 

古めかしい温泉宿の建物ですが、中はリノベーションされているのかかなり綺麗に感じます。只見川の支流に面した部屋は広々として一人ではもったいないほど。ちょうどまた大雨の影響で、夕方までは対岸の護岸工事の音がうるさかったですが、夜は川のせせらぎだけが部屋に入ってきます。

 

大浴場は源泉掛け流し。露天ではありませんが川に向けて広々と展望が取られ、川の流れやそこにけぶる靄を眺めながら入浴できます。少ししょっぱくてざらつきのある熱めのお湯を堪能し、なんとも爽快。後で聞いた話しでは、震災を機に少し泉質が変わったのだとか。地球の不思議を感じます。

 

広間に用意された晩ご飯は、地産地消を地でいったような料理の数々。身のプリプリした会津地鶏の陶板焼きに、新鮮な福島産の馬刺し。ニシンが山椒漬けなのは、海の遠い奥会津ならではの保存方法なのだとか。大きな米茄子の味噌焼き、鮎の塩焼き、会津の日本酒、美味しい白米と、派手な何かがあるのではないですが、滋味溢れるお料理の数々を堪能しました。隣のテーブルのおじさんは栃木から一人で釣りに来ていて、もう20年来のお客さんらしく、飲みつ食いつつの会話も楽しみます。

 

飯後は再びの温泉。他のお客さんが誰も来なかったので、ノビノビとお湯を楽しみます。朝早かったこともあり、一日中鈍行列車に揺られ、さらにすっかり食い疲れ、風呂疲れしてしまいましたが、これは心地良い疲労感。早めの就寝をして、旅の一日目は終わったのでした。

 

 

写真、1枚目は只見線只見駅。ここで代行バスに乗り換え。2枚目は深緑の只見川とその上にけぶる靄。3枚目は夕食。