コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

バンクーバーの半日(北米大陸ぼっち横断1)

カナダはバンクーバーに来ております。前回来たのがたぶん12~3年くらい前で、過去三回来ているので、実に四回目。海外では随一の多さです。まぁその辺は、昔の色恋が絡んでくるのですが、それはまた、別のお話。今回の旅のキッカケは、陸マイラーで結構溜まったJALのマイルが期限切れになりそうだったので、そんじゃあとビジネスクラスで北米往復を取ってみたのです。Cクラスなんて、自腹じゃ乗らない(乗れない)けどな!

そんで、エアーだけはGW中の仕事終わりあわせで数ヶ月前に押さえたので、4日バンクーバーに入り、11日にニューヨークから出国、だけは分かっていたのですが、途中の行程を、ふんわり考えつつも何も決めずに出発当日。朝、慌てて……もいませんが、取りあえず4日のホテルと、カナディアンロッキーに行こうと思ったのでその移動のための鉄道パス&さすがに山中で宿が無いと凍死するのでそのホテル、までは取りました。まだ決まっていないところもあるけど、文字通り、見切り発車だ!



成田空港につきましてチェックイン。ビジネスだから、ラウンジも使えちゃいます。ビールはもちろん、ワインや日本酒も何種かあり、さらにご飯も無料。よく友人が写真をうpしているのを見ていた、JAL特製ビーフカレーをいただきますが……おお、これは美味い!欧風カレーとしてかなりの味の良さです。しかし、ワシの荷物はハイキングにでも行きそうなバックパックひとつ、預け荷物もありません。なんともラウンジには不似合いな異分子です。

 

f:id:tomosaku:20150506001919j:plain

f:id:tomosaku:20150506001944j:plain


搭乗も一番最初。以前乗ったことあるビジネスシートより少し新しいものらしく、席は広々とした席幅&ピッチ幅、フラットリクライニングになるので睡眠も比較的安らかです。そして何より楽しみだったのが食事!一食目は和食を選びましたが、今月は、九州の美味いものを懐石風に並べた御膳に、鰤の焼き物&炊き立てご飯。この、空で炊き立て、というのが気になっていたのですが、若干やわめな感はあれど、充分に美味しい白米でした。飲み過ぎてなければお代わりしたかった。

 

f:id:tomosaku:20150506002022j:plain

f:id:tomosaku:20150506002042j:plain

f:id:tomosaku:20150506002108j:plain


そしてそう、お酒。ワインも日本酒も複数種類あって、気分にあわせて選べます。最初はシャンパンとかワインを嗜んでいましたが、料理が終わる頃には日本酒の獺祭を合わせてみます。いやはや、貧乏性のようだし実際そうですが、酒好きとして、美味しいお酒が無尽蔵に飲めるというのは嬉しいものです。

食事を摂りつつ、映画「ベイマックス」を見ましたが、ナニゲにワシは「兄の喪失」という物語を余り見ていなかったんだな、ということに思い至ります。そして感じるところはあったのですが、それはまた別のお話。や、ハリウッドらしいシナリオメソッドがふんだんに盛り込まれており、良い映画だと思います。

三時間ほど入眠して、たぶんこれで時差ボケは解消されるな、と確信しての朝食は洋食をチョイス。こちらもちゃんとした器に美味しい味でしたが、ちょっと豪華なエコノミー食感もありました。や、美味いんですけどね。

 

f:id:tomosaku:20150506002130j:plain


乗客1人あたりCAさんの数も多く、何かと気を遣ってくれるのも嬉しく、9時間ほどのフライトはとても快適に終了。JALさんさすがやでぇ……という思いもありますが、でもやっぱり普段のワシはエコノミーで充分だな、とも確認。どこでもいつでも短くても休めるスキルを活かして、どうせお金を使うなら現地の食事とかで楽しみたいな、という感覚が強いです。

 

f:id:tomosaku:20150505032425j:plain


バンクーバー国際空港は、ガラスの多用された解放感が心地良い空港です。10年以上ぶりの懐かしさ。でもその頃よりも、市内へ向かう交通網は整備されたらしく、スカイレールと呼ばれる鉄道がダウンタウンとの間を結びます。到着したは良いけどどこに行くかは考えていなかったので、ガイドブックをパラパラ見ていて、ダウンタウンまでの途上にあって気になった、クイーン・エリザベス・パークに行ってみることに。過去3回で行ったことの無い場所です。

スカイレールをキングエドワード駅で降りて5分強で到着。よくある公園と言ってしまえば身も蓋もないですが、少し丘を登っていく高台からは、ダウンタウンとノース・ショアが一望でき、中々に爽快な眺め。園内には花が咲き乱れ、庭師の方が手入れをしています。これといって惹きのあるものは無いかもですが(バラ園とかあるようですが)、街の中心からちょっと離れた、ちょっとした散歩に良い公園です。

 

f:id:tomosaku:20150505050126j:plain

f:id:tomosaku:20150505044822j:plain


駅に戻ってスカイレールで二駅、オリンピックビレッジ駅で降りてバスに乗り換えます。市内の詳細なマップやバス路線図は持っていないのですが、ガイドブックの情報と過去にきた土地勘から、なんとなく次の行き先まであたりをつけたらビンゴ。来たバスに乗ったら目的地方面に走って行きました。W-4th Ave,を通ってVine St,で降車。坂を下りた先に広がるのが、バンクーバー民の憩いの場、らしいキツラノビーチです。

こちらは、過去3回の来訪時に毎回来ているので、今回も皆勤。バンクーバーに住んでいた人が好きで、毎回案内してくれたのです。ちょっとしたノスタルジーも入りつつですが、流木が並んだ砂浜で、木に寄りかかったり腰掛けたりする人々に混じって一休みすると、本当に心地良い場所だな、と感じます。何もかもが柔らかい場所、とでも言うか。柔らかい風が柔らかい波を呼び柔らかい日差しの中で休める場所です。

 

f:id:tomosaku:20150505060935j:plain


キツラノビーチからバニア公園方面に散歩をしていたらフェリー乗り場を見つけまして、しかもちょうど時間よく次のが来るようでしたので乗ってみることに。持っていた、トランスリンク社のデイパスで乗れなかったので別料金でしたが、小さなフェリーで喫水線間近に座りながら港湾を走って行くのはまた心地よく、そういえばこれも、以前乗ったなぁ、と思い出にも浸ります。



そうして向かったのがグランビル・アイランド(以下、G・I)。廃工場街だったものを再生した一大街区で、東京近郊で言えば横浜の赤レンガ倉庫にような感じでしょうか。セレクトショップや小さなミュージアムにシアターが並び、パブリックマーケットもあり、お洒落で賑やか。ワシがバンクーバーで一番好きな場所かもしれません。マーケットを覗いて、小腹が空いたのでG・Iの名前がついたピザを食って、ふらふら。

 

f:id:tomosaku:20150505073037j:plain


していたら、そんなG・Iでもさらに一番好きなお店、PAPER-YAがまだあって感激!ここは、15年前初めてバンクーバーに来た時に見つけて、その時からのお気に入りなのです。池袋で言えば、紙のたかむらみたいな、日本のものを含めた様々な紙、紙加工品、文房具が揃っています。ワシは日本でもこういうのは眺める専門ですが(買っても使わない……)、飽きずにいつまでも眺めていられます。

 

f:id:tomosaku:20150506002732j:plain


そしてG・Iのもう一つの楽しみは、グランビル・アイランド・ブリューイングなるビール醸造所と、そこで飲める各種出来たてドラフトビール。5オンスのテイストグラスなら4種類が7C$で飲めるので、ついカッとなって2回転、8種類を制覇してしまいました。いやはや、どれも特徴的で美味いですが、やはりワシはペールエールがお気に入りかなぁ。

 

f:id:tomosaku:20150505074434j:plain



ほろ酔いで店を出ますと、さっきまでの晴れが身を潜めて冷たい雨が降り始めています。そこでMAKEというお店でちょっと雨宿り、のつもりが、ここの雑貨&衣服がとてもセンスがよくて、これまた見てるだけでも飽きません。そんな中で一目惚れしたTシャツがあったので、サイズを聞いてみましたがちょうど良いのが無く、でも日本でLが入るんだからこっちのMでもなんとか、とMを買ったところやはりキツキツ。ぐぬぬ、無念。

雨が小降りになってきたので、バスに乗ってダウンタウンへ。取りあえず、出国前に慌てて取ったホテル・アンバサダー・バンクーバーに投宿します。立派な名前ですが、ディズニーのアレを想像しちゃいけません。室内にはシングルベッドと冷蔵庫がポツンと置かれ、シャワーブースとトイレは共用。典型的な安宿ですが、それでも日本円で6300円。円安め……。まぁ、ワシはホテルは寝るだけなので、これで充分です。



12時前に着いたのに、この時点でまだ17時過ぎ。濃い、わずか5時間分でこんなに書いてしまったか……その濃さに当てられたワケでもありませんが、少し休んでいるウチにちょっと仮眠を取って目が覚めて、やっとWi-Fiが使えたので、いろいろSNSポストして、まだ明るかったので再び散策&晩飯のために、街に出ます。

20時近いですが、サマータイムでもあるためまだまだ明るい町並み。それでもそろそろ日が傾いているようで……あれ、これ、今なら沈む夕日が見られるんじゃね?

という思い付きで、またも適当に当たりを付けてバス乗車。狙い通り、到着したのはイングリッシュ・ベイ。ここからは、イングリッシュ湾の先に沈む夕日を見ることができるのです。そして時間的にもちょうど沈んでいくところで、やはり流木が置かれたビーチには夕焼けが広がっていきました。いやはや、さすがに過去3回も来ていると、海外とはいえ思い付きで行動してもなんとかなるものです。

 

f:id:tomosaku:20150506003256j:plain



もうそろそろ晩飯を摂らないとな、とビーチから振り向いたら目に入ったのが「ボートハウス・レストラン」。バンクーバーに来たらシーフードでしょ!と思っていたので、渡りに船とそのまま入店します。ウッディーで暖色系の照明に包まれた落ち着いた店内。窓際からはイングリッシュ湾が一望できて、沈んだばかりの太陽が引き連れて蒼く暗くなっていく空と、瞬きはじめる星に囲まれてのディナーです。

 

f:id:tomosaku:20150506003359j:plain


マンゴーモヒートを片手に頼んだのは、まずは生牡蠣。海外で、旅の初日に生牡蠣とは、ワシの冒険心もピークに至った気がしますが、これも、前にバンクーバーで食べた生牡蠣がすごい美味しかった記憶故です。こちらのお店のは、少々小ぶりではありましたが、味は中々。レモンやビネガーが合います。食べた中にROYAL MIYAGIって種類があったのですが、産地はカナダの模様。なぜ?

 

f:id:tomosaku:20150506003420j:plain


メインで頼んだのは、ワイルド・メープル・サーモン。てっきり、カナダの象徴的にメープルって入れているのかと思いきや、杉板に乗せられ焼かれたピンク色のサーモンからは、本当にメープルの味!なんだろ、照り焼きのような、ハチミツで焼いたような……ちょっと驚きの味わいですが、美味い!そして驚いたのが付け合わせの野菜&ポテトも美味しさ。海外の付け合わせって手抜きイメージがありますが、これは美味い。

 

f:id:tomosaku:20150506003437j:plain


そんなこんなで、お一人さま故もあって若干割高にはなりましたが、旅の食事には金をけちらない方針なので満足。あと、ワシの席を担当した金髪のお姉さんがとても綺麗だったのも満足!



時刻は22時過ぎ。バスでホテル近辺まで帰ってきますが、当然ワシがマンゴーモヒートなんかで酒が足りるはずもなく、このまま少し歩けばイェールタウンがあって、そこにもビール醸造所があるらしいな……ってことで、夜の散歩。バンクーバーは治安のよい街ですが、やはりこの時間になると中々にうら寂しいものがあります。

 

f:id:tomosaku:20150505144511j:plain


それでもイェールタウン地区――この界隈も来るのは多分初めて――に到着。レンガで出来た建物の街区が、夜の街灯に照らされて雰囲気のある町並みです。入ったのはイェールタウン・ブリューイングのパブエリア。メインランド・ラガーと、イェールタウン・エールを、1パイントずついただきます。イェールタウンでエール……。

 

f:id:tomosaku:20150505150129j:plain


暖炉も置かれた、一見落ち着いた店内ですが、この日は奥のビリヤード台を囲んで現地の若者が20人くらい賑やかにしていて、隣の席ではナンパも始まり、まるで六本木のスポーツバーみたいになっていました。日によって雰囲気も違うんだろうなー。これまた、治安の良さが分かっているからこの時間にこういった店でも飲めますが、ちょっと海外の危うさはありますね。

ほろ酔いして、帰ホテル。共用シャワーブースでシャワーを浴びて一段落です。や、12時間の出来事としては詰まり過ぎだな、しかし!




てことで、今は二日目、5月5日朝。少し早い時間に目を覚ましたので、ふとリアルタイム旅記を書き始めてみれば、予想外の長さにワシがビックリです。この先続けられるかは分かりませんが、可能ならまた旅中に書くかも。