コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

移動日;横断とは(北米大陸ぼっち横断5)

横断の定義って何ですかね?

ある一定の二つ以上の地点を、基準軸に対して横方向に移動すること。なんとなく言葉の定義として言うならそういうことになるでしょうか。なので、今回の旅を「北米大陸ぼっち横断」としているのは、北米大陸の西海岸沿いにあるバンクーバーから入り、東海岸沿いにあるニューヨークから出る、という行程のゆえ。

でもま、それなら、バンクーバーからニューヨークまでを飛行機でひとっ飛びしても、横断、と言えちゃうんですよね。やっぱり横断というならずっと陸路で行かなきゃ!ってツッコミも、実は旅の途中から含めて何人かにいただいておりまして、それはそれで感覚的には分かるなぁ、と首肯しつつ、でも、限られた時間で行きたい場所も選ぶとどうしても飛行機移動は盛り込まざるを得なくて……。

という、ひとしきりの言い訳をこいてからの、5月8日、旅の5日目の記録です。



今回の旅、このバンフに泊まるところまでは概ね日本で手配していました。と言っても、各宿も、カナディアンロッキー横断ツアーも、VIA鉄道の切符も、買ったのは日本出国当日でしたが。そして、もう一つ決めていたのが、9日夜にニューヨークの友達と待ち合わせてミュージカルを見ること。

すなわち、8日朝のバンフから、9日夜のニューヨークまでの旅程を決めないまま、8日を迎えてしまいました。

当初、この二日間の旅程を、SNSでアンケート出してもっとも得票の多いところに行く、という、友達参加型の旅にしようかな、と思っていたんですが、ケータイ紛失騒ぎで心の余裕を無くし、とはいえ手続きを終えてしまえば何も出来ることはないのですがやはりささやかにテンションは下がり、順当に、自分で決めることにしました。

ちなみにその考えていた選択肢はこちら。

1.やはり好きなカナダの首都には行っとかないと、ではなく、ワシに座右の銘を与えた後輩と同じ苗字の都市に聖地巡礼『オタワ』
2.カナダに来たなら行かない意味が分からない『ナイアガラフォールズ』
3.美味友さんもこないだまで留学してた!別に北米横断はアメリカ経由でも良い『シカゴ』
4.こないだ後輩が行っていて面白そうだったし、ナニゲにこっちの首都もまだ未訪だ『ワシントンD.C.

……なんとなく「水どう」っぽい選択肢になりましたが、選んだのは「2」。ある意味順当な観光ルートのナイアガラフォールズに行くことにして、前夜、ブリューイングから帰ってきてショートスリープをしてからの深夜に、ポチポチとPCで手配開始。

バンフからカルガリーへのバス、カルガリーからトロントへのエア、トロントの宿、ナイアガラからニューヨークまでのエアまでを手配。ナイアガラでのカナダ−アメリカ国境越えの交通がよく分かっていませんが、まぁなんとかなるでしょうあ。余らせていたスカイチームのマイルで、ナイアガラからNYCまでのエアが取れたのと、トロントでの宿泊にトロント大学の学生寮を見つけて4000円強で泊まれそうなのが嬉しい!

と思ってもうちょい調べていたら、どうもトロントの空港から市街に行くよりは、そのままナイアガラフォールズ周辺に行って泊まった方が効率よさそうだったので、先の安宿を諦めて(返金不可予約だった……)宿取り直し。ついでに乗り合いタクシーの予約までし終わったら、すっかり朝日が昇っておりました。



朝食付きだったのでホテルのバイキングで腹を満たし、バスの出発時刻までを散歩に当てます。バンフは、前回の日記にも書きましたが2〜3ブロックも歩けば渡りきってしまうほどの小さい街。氷点下の凜とした空気の中、朝日を浴びるその町並みは、やはりお伽話感がありますし、街の外周を流れるボウ川も美しく絵になった上、どこを向いても急峻な山の偉容が望めるのはすごいです。

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<同じ場所でも夜とは趣を異ならせる街角>

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<バンフ駅のホーム>

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<街のほとりを流れるボウ川>

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<たぶん、カトリック教会>

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<たぶん、プロテスタント教会

鉄の習性で駅の方も巡ってホテルに戻ってきたら、ちょうどピックアップ時間。バスディーポ(バスターミナル)までの送迎車の運転手が日本人の方で、フツーにいろんな話をしてしまいましたが、降りる時に(必要か不要か微妙なところですが)チップを渡し忘れてしまいました!日本人の方と日本語で話していると、ついつい意識から抜けてしまいますね、チップ……。

ブリュースターのバスは、10時ちょうどにバンフを出発。カルガリー空港までは2時間ちょっとのバス旅です。最初の30分ほどはカナディアンロッキーの山並みの端っこを走りますが、急に山が途切れたと思ったら、そこからはカナダ中部の平原地帯……ひろっ!地平線の果てまでどんだけあるのこれ!

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国道1号線。ひたすら真っ直ぐ!>

広い光景というと、やはり北海道やヨーロッパなんかも思い出しますが、なんというか、レベルが違う。バスが走っている国道1号線はひたすら真っ直ぐで、横を見ればまるでWindowsの壁紙みたいなどこまでも広がる穀倉地帯と雲と青空のコントラスト。カナディアンロッキーもそうでしたが、あまりの大きさに遠近感が狂いまくりです。

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Windowsの壁紙で見覚えがある景色>

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カルガリーの街中に入ると、ハイウェイ沿いも結構な密集地帯に>

そんな雄大な景色の中をひた走るバスは、それでも市街地住宅地も走り抜け、定刻よりやや早くカルガリー国際空港に到着。フライトまでの1時間ちょっと、フードコートの中の「Manchu Wok」って店でランチ。2アイテム、ってのを頼んだつもりが、主食+2アイテムだったようで、焼きそばとオレンジチキンと野菜になりましたが、焼きそばとオレンジチキンが美味しすぎて、やはりジャンクフードすごい。余談ですが、フードコートでは「EDO」という名のBENTO屋が一番人気でした。

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<「Manchu Wok」のランチプレート>

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カルガリー国際空港内には微妙なオブジェがそこかしこ>

さてここからは、さっき手配したばかりのエアカナダで一気にトロントまで飛びます。そう、冒頭の問答が出てくるのはここ。この4日半は陸路でざっくり1000kmくらい移動してきましたが、この先2500kmを4時間で飛んでしまうのです。これは横断なのか……。

ま、いいや、深く考えないようにしよーっと。



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<離陸直後のカルガリー

てことで、13時10分発のエアカナダ128便に乗って、4時間弱のフライトでトロント到着は18時56分。時間が合わない……って、これはまた時差。アルバータ州オンタリオ州は2時間の時差があるので、ワシの5月8日は22時間で終了です。フライト中、カナダの雄大な平原と湿地帯を上空から眺めようと思ったのですが、雲が多く眺望が望めなかったため、深夜早朝の諸事手配の疲れもあって、概ねを惰眠で過ごすことに。

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トロントの住宅街。みっちり>

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トロントの、貨物駅?これまたみっちり>

着陸前に目が覚めたので、トロントの街を上空から眺めることが出来ましたが、さすがカナダ最大の都市、これまた相当な都会の町並みですなー。それでありながら、どこまでも広がる大きさも持っている、とても北米大陸らしい眺望です。

ほぼ定刻に、トロント・ピアソン国際空港到着。結構広い空港を若干迷いながら出口に進み、ナイアガラ・エアバスという乗り合いシャトルの乗車場所を捜します。やはり少し迷いましたがなんとか到着、こちらも窓口のおばさまがたまたま日系人で、手続き&予約変更はスムーズにしてもらいました。ただ、乗車時刻は予定より30分くらい遅れる模様。この辺は、順繰りに乗せているのでしょうか。

20時過ぎ、ワシの乗るシャトルが来たので乗車。ナイアガラフォールズエリアまでは1時間半くらいと聞いていたので、なんとかギリギリ間に合うかな……。

というのも、少し前にたまたま見かけたのですが、ナイアガラフォールズでこの日から花火が始まる、という情報を耳にして、それが22時からということで、どうせなら見たい!と、ちょっと時間に焦っていました。いやまぁ、「これがホントのナイアガラ花火wwwwブヒャwwww」ってSNSにポストしたいって気持ちもありましたけど!でも見たいじゃん!

シャトルはそこそこ順調に進み次々にお客さんを降ろしていきます。これ、乗り合いタクシーみたいなもので、空港などターミナルになるところから、宿泊しているホテルの前までとか、ドアtoドアで乗れるのが魅力。その分多少コストもかさみますが、時間を買うと思えばまぁそれなりのトレードオフ。そして、どうやらワシが最後になる模様で、二つ前の人たちが降りていきます。ここからワシの泊まるホテルまでは10分くらい。その前にもう1人を送るようですが……。

そのもう1人の行き先が個人宅で、しかもその当人も住所しか分からず、ドライバーもその住所を聞いてどこだか分からない。シャトルのオフィスに立ち寄っても分からない。その結果、住宅街の同じようなところをぐるぐると40分くらい回るのに付き合わされ、時間はとっくに22時過ぎ……。

だったら、ワシを先に送れよ!!!!

と英語で言えれば良かったのですが、なんか、怒りと悔しさと哀しさで、いつも以上に英語が出てこなくて、もうプンスカと下車。プンスカしたまま「Niagara Fireworks」でtwitter検索をしてみますが……あれ、何も出てこない?よくよく調べたら、ワシの得た情報では5月の第2金曜日からと思っていたのですが、今年はさらに翌週から開始だった模様です。おっふ、怒り損!でもまぁ、多少溜飲は下がりましたが、無駄な時間を過ごしたのは確かなので、アメリカの友人の言葉を背に、クレームは入れておきましょう。



泊まったホテルは「ベスト・ウェスタン・フォールビュー」。日本で言うところの東横インのような有名チェーンですが、半分モーテルのような感じで、名前に反してフォールはビューできませんが、繁華街の一角にあって滝沿いまでは徒歩で10分弱と、ウォーキング・トラベラーには優しい立地。ナイアガラに車以外で来る方なら、このエリアへの宿泊はオススメです。

すっかり夜も更けていますが、まだまだ町並みは明るく、どうやら滝はライトアップされている模様。滝のライトアップ?と思いながらも、折角ですから見てみようとてくてく歩き始めます。坂を下っていくと街の喧騒を次第にかき消してくるものすごい水圧の音。下っていくほどに音圧はあがり、やがてそのドドドドドという音と水しぶきに包まれます。そう、ナイアガラの滝です!

そして、微妙なライトアップがされています。

や、これは照明をあてただけ、と言うのかな……巨大な投光器からどぎついライトが協力に発せられ、それがアメリカ滝、カナダ滝、それぞれの瀑布をビビッドな色合いに染め上げます。まぁひと言で言えば、センス悪っ!とはいえそんなものでも見慣れてくるもので、写真のシャッタースピードを落としたら結構面白いものが撮れたりもして、ひとしきり夜の巨大瀑布を楽しんでからホテルに帰投。

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<滝から発光しているように見えるアメリカ滝>

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<ドレッシーな感すらあるカナダ滝。水の糸がシルクみたい>

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<投光器。の後ろにスカイロンタワー。>

そういえば晩飯を食べそびれていましたが、24時もまわりがっつり食べ飲みをする気も失せてたので、ホテル併設のコンビニでカップ麺を買って部屋で済ませます。次の日は、昼頃までナイアガラフォールズ。ヘリに乗ってみようか、そんなに時間無いかなぁ……なんてことを考えているウチに、朝の疲れが出たのか寝落ちしてしまいました。


しかし、書き出してみると、移動日のつもりのはずがそれなりに色々な出来事に巻き込まれたり巻き込んだりしていたのね。