コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

RENT 20周年東京公演観劇記(初日)

つかれた。


というのが、12月15日の夜、ミュージカル「RENT」を見終えての率直な感想。この作品、とにかく感情が揺さぶられるので、観劇後はとんでもない疲労感に包まれます。それは同時に、スポーツの後のようなすっきりとした満足感も携えているのです。

 

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知らない人も多いかもですけど、この作品は1990年前後のニューヨークが舞台。イーストヴィレッジに集うボヘミアン、アーティストやマイノリティたちが主人公。クリスマスイブに「RENT(家賃)を払えるものか!」と高らかに歌い上げるある種の開き直りから幕が上がります。

 

そして伝説たらしめている理由の大きなひとつは、この作品の創り手、脚本を書き音楽を全て創ったジョナサン・ラーソンが、オフブロードウェイでのプレビュー公演初日の未明に命を喪ったことにあるかと思います。2ヶ月後にはオフからブロードウェイに昇格し、その後12年のロングラン。今回のように今も世界中で公演されています。

 

民族、性、貧困、そしてエイズ。様々な社会問題で身をやつした若者たちの群像劇が見事だけど、やはり本作の最大の魅力は、エンジェルという稀有なキャラクターを産み出したことにあるのではないかと個人的には思っています。

 

そして音楽。通常のミュージカルの倍以上あるらしいその数々が本当に素晴らしい。不満、焦燥、葛藤、歓喜、愛情、友情、出会いと別れ、そして死が音楽で浮かび上がります。「Today 4 U,tomorrow for me.」や「No day,but today」などの印象的なフレーズも心に残ります。

 

ワシが言うのも笑止ですけど、RENTを観ると人を愛したくなるし、愛する人の死を思って胸が潰れます。出会いの奇跡を信じたくなるし、形はともかくいつか来る別れの辛さを追体験します。その上で、生きてていい、と肯定され、右に左に激しく心が揺さぶられだ結果、疲労し満ち足りるのでしょう。

 

 

一昨日は、東京公演の初日初演ということもあるし、小屋が広すぎたこともあるかもしれませんが、舞台の迫力としては7年前に赤坂で見た公演にまだ届いてない気がしたのは残念でしたけど、それでもこれだけ心満たされたので、クリスマス時期、もしご興味の方は是非に。

 

http://rent2016.jp/

 

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