雪と白と本
大地の芸術祭で何度も来ている新潟県はまつだいだけど、雪に覆われている「農舞台」を見るのは初めてかも。道も、草間彌生氏の作品も埋もれた中、静かに開かれている「アート/ブックのとても大きな部屋:読む・作る・考える」を見てきた。
まずは白い表紙の本が並ぶ本棚。雪を思わせる棚だけど、白にも色々あるなぁと思う。
メイン展示という「松代/妻有 バナキュラー・ブック・リサーチ」は、地元の方の作ったり語った内容の本。「バナキュラー」ってのは「土着の」とか「その土地固有の」って意味らしい。地元のおばあちゃんの昔話もあるが、ほぼ全ページに色版画が貼られたりと、少部数ゆえの凝った作りにも感嘆。
「CONTEMPORARY(ART BOOK)review 005」は、「従来の本の形態に囚われず、存在自体が内容を表す本」のコレクション展示。装丁も好きなワシに刺さる外見と、それに連動した本の中身で、本という形態を持つアイテムと言うのが相応しい感じ。好みはあれど全て面白い。
普段の大地の芸術祭会期中は混み合い、チョークで落書きされ放題の農舞台内の常設展示空間「教室」も、客のほぼいないこの時期は綺麗なもの。
雪深過ぎて屋外展示が見られないのは残念だけど、これはこれで楽しい空間だった。