メディア芸術祭2019
文化庁メディア芸術祭受賞展行ってきた。
ずっと国立新美術館=六本木だったので気軽に行こうと思ってたら、今年はお台場でちょっと遠征感。日本科学未来館とフジテレビ湾岸スタジオ。
アート部門。例年だけど、ハマるものとそうでないものが二極化してて、それはアートというものの特性上当然ではあるんだけど、今年の大賞作「Pulses/Grains/Phase/Moiré」は個人的には全然響かなかった。
強く響いたのは、バクテリアを題材にした生物学の論文をバクテリアに食べさせる、という「Culturing <Paper>cut」。もはやアートとは何かを問い直すレベルだけど、表現としては入れ子構造とメタ的な収束を感じて、いろいろ妄想が膨らんだ。
もうひとつ、精神的に不安定になりつつ気持ちよさも感じたのが「datum」。『空間を表すXとY、色の混合要素R、G、B、フレーム数にあたる時間Tの、6つの数値を空間座標として持つ点として捉えると、映像中の全画素を6次元空間に浮かぶ点の集合と考えられる。』何言ってるの?って思うじゃん。でもその場に立ちすくむと、この『6次元』を浴びている妄想が捗る。
紛失騒動で話題になった「Watage」はシンプルに綺麗。
エンターテインメント部門の大賞は、さすがの人気「チコちゃんに叱られる」。着ぐるみとCGを合成させる演出の面白さよ。
優秀賞には、結局遊びに行けなかったスクラップさんの「歌舞伎町 探偵セブン」、Perfumeのテクノロジーパフォーマンス、そして「TikTok」と横綱相撲感あるラインナップ。
そんな中、認知症が進み子供返りしていく祖父と、美大に通い大人になっていく孫娘に、やがて同期する瞬間が現れるという「春」という映像作品が気になった。「ふたり、思春期」というコピーも良い。
アニメーション部門は、原作小説好きな「ペンギン・ハイウェイ」の受賞が嬉しかった。アオヤマくんとお姉さん(そしてお父さんも)、やっぱり好きだな。会場で知って気になったのは、スタジオポノック製作の「透明人間」と、「The Little Ship」なるロシアの短編アニメ。
マンガ部門の受賞作に読んだことあるのはひとつも無かったが(推薦作品の「ブルーピリオド」くらい)、画力の無駄遣いと評されたギャグマンガ「宇宙戦艦ティラミス」が気になったので読んでみたい。
会期は今週末まで。無料だよー。
http://festival.j-mediaarts.jp/