コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

アート

デミタスは、カップまでほろ苦い

デミタスという珈琲の飲み方を知ったのは大学時代。足繁く通っていた好きな喫茶店で出していて、その苦味と旨味にすっかりハマってしまった。今もその店に行くとオーダーは必ずデミタスコーヒー。砂糖もミルクも入れないことをすっかり分かっているマスター…

幻影を見せられたのは誰か

「冨安由真展|漂泊する幻影」(神奈川芸術劇場(KAAT))観賞感想。昨日行ったばかりだけど明日で終わってしまうので、急いで書いちゃう。 さて、本展ノーマークだったのを友人に勧められて見に行ったが、まずは行って良かった。だけどこれ、感受性豊かな人…

キュレーターの素晴らしさ

「日本美術の裏の裏」(サントリー美術館)鑑賞感想。 良かった、すごい良かった。もしかしたら最近見た中でも一番かも。 別に国宝級の作品が来てるとか、初展示のものがあるとか、そういうことじゃない。見せ方の切り口、解説文のセンス、空間の作り方、す…

What is 東京

「MANGA都市TOKYO」(国立新美術館)鑑賞感想。とっくに終わってしまったけどログしとく。 さて本展。「東京」を軸に、主にマンガやアニメやゲームのパーツとしての東京を追った展示。 うーーーん、面白い、面白いんだけど、なんだこの違和感。何か解せない…

観るよりスマホ

東京都現代美術館で、現在(今週末まで)開催中の企画展三展をはしごしたので感想。 https://www.mot-art-museum.jp ▼ その1「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」。 とりあえず身もふたもないこと言うけど、光系のアートは映えるな!どの部屋に入…

メ芸2020

第23回文化庁メディア芸術祭受賞作品展行ってきた感想。会場は今年も日本科学未来館。無料だけど、時節柄事前予約制、と言っても会場入口でも予約出来てるようだけど。 https://j-mediaarts.jp ▼ 毎年どんどん分からなくなるアート部門は、今年も順調によく…

これは展示か演劇か〜【ネタバレあり】「目 非常にはっきりとわからない」鑑賞記

「目 非常にはっきりとわからない」展を見に千葉市美術館へ。何かと話題で、SNS上では暗黙のうちにネタバレ禁止が合意され、最終的にはチケットを求める人の列が2時間に達したという(ありがたいことに事前にチケットは手に入れてたので入るのには並ばなかっ…

見立てと駄洒落

千葉そごうで今日から始まってた「MINIATURE LIFE展 -田中達也 見立ての世界-」鑑賞。 twitterで食べ物や日用品を使ったミニチュア写真を精力的に発表している田中氏の、写真やミニチュア実物を多数展示。https://twitter.com/tanaka_tatsuya 見立て、って…

海に面した美術館

猿島の暗闇の美術島から、三週間ぶりの横須賀。人生、こんな頻度で横須賀に来たことがあるだろうか、いや無い(反語)。 なんていうと横須賀近辺住まいの友人に怒られそうだけど、メインの用事は夜なので、一度来てみたかった横須賀美術館来てみた。今の展示…

ゴッホ展〜ハーグ派から印象派への作風の変化

近年、小説や漫画の題材としてよく見かけ、以前より気になってたので「ゴッホ展」行ってきた。上野の森美術館。 画家として生きていこうと決意してからの作風の変化を見ていける展示なのだけど、小説漫画で読んだアレがこの辺で影響してるのかなぁ、なんと思…

渋谷今昔物語

昭和女子大学内、光葉博物館にて「羽化する渋谷」展をやっていて見に来た。新宿駅の巨大立体模型や山手線全駅の立体模型を造られた田村研究室さんの展示。 ‪したら、いきなり渋谷駅全路線の発車時刻をプロッティングして「時刻譜」としている展示があって頭…

お値段以上?似鳥美術館

小樽芸術村は、お値段以上なニトリが運営する複合アート施設(創業会長が似鳥さん)。 主要な館が三館あるけど、全部巡ってみようと、まずは旧北海道拓殖銀行小樽支店を使った「似鳥美術館」に往訪。 ステンドグラス、ガラス工芸品、日本画、西洋画、版画、…

名作vs現代美術

箱根は仙石原方面にあるポーラ美術館、そこで初の現代アート展をやるってんで初めて行ってみた。「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」は、モネ、ピカソ、ロダンなどの作品をベースに現代アーティストたちが再解釈、再構築した作品が並ぶ。なお…

無人島、暗闇の美術島

横須賀は三笠公園の沖に浮かぶ猿島。昼間はBBQ、夏なら海水浴で賑わい、また弥生時代の人の痕跡や、明治時代に置かれた砲台や戦闘拠点の遺構もあるが、夜は無人島になる島。その夜を使って開かれている「Sence Island -感覚の島- 暗闇の美術島」に来てみた。…

ミステリークロック

“ミステリークロック”って知ってる? 文字盤が透明で、時針分針が宙に浮いているように見える置き時計。宝飾メーカーであるカルティエが20世紀初頭に考案した不思議なアイテム。 引用、参考: https://www.cartier.jp/ja/%E3%83%A1%E3%82%BE%E3%83%B3/%E3%83…

現代美術と文学性

国立新美術館「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」往訪。狙ったわけじゃないのに、行ったのが文化の日で入場無料だった! 展示の解説にこんなことが書かれている。 【古代ローマの詩人ホラティウスが『詩論』で記した「詩は絵のごとく」という一節は、…

デザインタッチ

昨日見たもののうち、今日で終わるものから書いておこう。 六本木の東京ミッドタウンで「デザインタッチ」って祭典が開かれてて、全部追おうとするとこれまたとんでもない情報量なのだけど、とりあえず絞って、「六本木カラー渓谷」「グッドデザイン賞受賞展…

スタシス展@武蔵美

ポーランドの大好きなアーティスト、スタシス・エイドリゲヴィチウスの美術展「イメージ—記憶の表象」が、ポーランドと日本の国交樹立100周年を記念して武蔵野美術大学で開催されている……というのをスタシス仲間から聞いて武蔵美に来てみたら、学園祭(芸術…

禅と庭のミュージアム

広島県は福山市にある「新勝寺 禅と庭のミュージアム」がおかしい。 ・現代アーティストが手がけるインスタレーション・ピエールエルメとコラボした焼き菓子・浴室があってしかも入れる 前情報だけでお腹いっぱいだけど、ここを知ったのは、一昨年の正月に見…

縁と絆と紡ぐもの〜塩田千春展

「塩田千春展 魂がふるえる」(森美術館)に行ってきた。 ワシが氏の作品に初めて触れたのは、2009年の越後妻有アートトリエンナーレ(大地の芸術祭)に出展していた「家の記憶」という作品。古民家に糸を張り巡らせ地元住民の家具などをよりつけたインパク…

いらつく作家〜クリスチャン・ボルタンスキー展

クリスチャン・ボルタンスキーの作品は、いつもイライラさせられる。 それでもやはり展示があると聞くと行ってしまう。それだけ、ワシの心にぞわぞわを植え付ける現代アーティストなワケだけど、今回、国立新美術館でLifetimeと名付けられた回顧展をやるって…

メディア芸術祭2019

文化庁メディア芸術祭受賞展行ってきた。 ずっと国立新美術館=六本木だったので気軽に行こうと思ってたら、今年はお台場でちょっと遠征感。日本科学未来館とフジテレビ湾岸スタジオ。 アート部門。例年だけど、ハマるものとそうでないものが二極化してて、…

見たことのある、知らない未来

平日美術館巡り3本目は「シド・ミード展」。車メーカーでのインダストリアルデザインに始まり、SFを中心にした様々なコンセプトアートやアートワークを生み出してきたイラストレーターの巨匠。 やー、すごい。何を見ても言葉にするのが無粋というか、陳腐に…

ピュリスム展&林忠正展

平日美術館巡り、二軒目は国立西洋美術館へ。西洋で日本美術を商った初めての日本人で、ジャポニズムを支えたといわれる林忠正の展示を見たくて来たが、そちらは常設展の入場で見られるようようで、ピュリスムってワードが気になった企画展「ル・コルビュジ…

「トルコ至宝展」鑑賞記

平日美術館巡りと称して、まずは「トルコ至宝展」を見に国立新美術館。 オスマン帝国の繁栄を伺わせる宝飾品の派手さはもちろん、服飾品のしつらえなんかも見どころ。一点ものでこんなに作り込むのよねぇ。東洋の陶磁器に後から宝石を付けたものや、時計なん…

挑戦し続ける印刷

印刷博物館でやってる「 #グラフィックトライアル 」見に来た。 黒を追求する、青を印刷で表現する、140倍拡大に挑戦する、印刷不良を表現に取り込む。テーマは「興奮」とのことだけど、確かに興奮するなこれ!それぞれのADのアプローチに嘆息する。 そんな…

タイポグラフィ今昔

先日、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)でやっていた「東京TDC賞2019」を見てきた。これ、東京タイプディレクターズクラブが主催する国際アニュアルコンペティション、だとか。あにゅある? タイポグラフィを軸にしたグラフィックデザインの優秀作品…

原美術館

品川大崎界隈を散歩してるとしばしば前を通って気になっていた「原美術館」。なんでも間もなく閉館との報を聞いてきてみた。なおその散歩は「カンテサンス」帰りとかなんだ!(←殴打) さておき。昨日から始まった展示は「The Nature Rules 自然国家:Dreami…

芸術の土台〜皇室文化展

六本木一丁目駅近くの泉屋博古館分館の特別展「明治150年記念 華ひらく皇室文化 ―明治宮廷を彩る技と美―」観に来た。友達のポスト見て来てみたけど、やー、すごい、嘆息漏れる華飾な美術品の数々。 語弊があるかもだけど、やはり権力と信仰は素晴らしい芸術…

工事中

お台場の日本科学未来館でやってる企画展『「工事中!」~立ち入り禁止!?重機の現場~』も行ってみた。 重機萌え。このひと言でほぼ感想は終わってしまうのだが、​普段そんなに近付くことのない重機、あんまり見ない重機などが立ち並び、「掘る」「ならす…