コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

水の都の放浪、憧れのドゥオモ

パケ死防止のため写真は取りあえず小さく一枚(今日の一枚は、雨にけぶるフィレンツェのドゥオモ)。簡単且つ粗いですが、リアルタイム旅記中。今日は昨日よりは文章量削りたいな!(涙目)


イタリア旅酎の小生、9月13日の出来事。サマリーは、うろつき回るヴェネツィアの街、うろつき回る雨のフィレンツェ。うろつき回ってばかりだな。





朝5時。会社ケータイが鳴ったと思えばウチの生放送チームの人から。体調が悪いんで今日休ませて欲しいんですが……って、ワシ、今週は夏期休暇で海外だって言っただろうが!(w)てことで、留守を預けている人に連絡をしなおしてもらうように指示して、二度寝はせずに日記などの書き物タイム。


あっという間に7時を回ったので朝食タイム。質素な安宿に相応しい、質素な食事でした。まさか袋に入ったままのパンが出てくるとは!(アプリコットジャムの入ったクロワッサンとかでした)でも、エスプレッソだけはいれたて。


この日の昼過ぎまではヴェネツィアにいるつもりですので、今日の作戦を考えます。荷物を宿に預けての観光がスタンダードでしょうけど、駅の窓口が昨日到着時に見たら大混雑なので、朝のウチに指定券を取っておくべく駅に向かうつもり……だったら駅に預ければ良いんじゃね?


この判断はすぐに誤りだったことが分かります。


チェックアウトをして、サン・マルコ広場を抜け、水上バス(ヴァポレット)乗り場へ。9時前ですが広場は既に賑わい、でもヴァポレットの本数は少なく、駅に着いたらもうすぐ10時という時間。とはいえ案の定、チケット窓口は長蛇の列。さてまずは荷物を預けよう、と構内を捜すと……えー、ここも長蛇の列!?しかも進みが遅い!ので、荷物を預けるのは諦め、指定券の取得へ。十数分並んだ末、希望の便より一時間後発のフィレンツェ行き指定券をゲット。ちなみに、全席指定の高速列車なのです。


ワシの荷物は、キャリーも付いてますがリュックとして背負うこともできるハイブリットな作り。ということで石畳や屋内でも背負えるだろう、と手荷物にしたのですが、予想以上に重たくてしばしば挫けそうになり、実際挫けて入るのを諦めた施設もありました。まぁ行列がひどかったのもあるんですが。


さて、駅を出たらまた目の前の水路(大運河:キャナルグランデ)でヴァポレットに乗り込みます。今から乗る路線は、大運河ではなく、外海側に出てヴェネツィア本島とジュデッカ島の間の、ジュデッカ運河を走るもの。大運河とはまた赴きが異なり、広々とした海上を進み、巨大客船や帆船の横を通り、ダイナミックさを感じます。


と、(不謹慎ですが)ワシの目的のサン・ジョルジュ停留所の一つ手前で、船の縁にいたワシの割と目前で、船から降りたおじさんがその場でダイナミックに倒れました。船員が駆け付けますが、ピクリとも動かず、瞳孔も見開いていて、これはヤバいかも……と船内がざわめき始めます。ワシも、もしかしたら命が……と緊張しますが、たっぷり10分は経ったでしょうか、姿勢を変えられてたおじさんが目を覚まし首を動かし始めました。少し安堵。船は相変わらず動かず、20分後くらいにワシらは後から来た船に乗り換えさせられます。おじさん、無事だと良いな……。


サン・ジョルジョで降りたワシの目的地は、ヴァポレット停留所の目の前にそびえる「サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会」。サン・マルコ広場からは運河を挟んだトイメンにあり、「孤島の教会」として有名なのだとか。内部の円柱を多用した作りや、荘厳な聖歌隊席なども見所ですが、ここもエレベーターで鐘楼にあがり、ヴェネツィア本島を眺めることができます。とはいえすぐ近いので、全景俯瞰というわけではないですが、一歩引いた視点からのヴェネツィアもまた、美しいものです。


島内では、他にもアートイベントやインスタレーションなんかもやっているようでしたが一個だけ見て本島に戻ります。サン・マルコ寺院とかを見学したかったのですが、しこたま行列ができていてしかも重い荷物を抱えていたので、ここは独り旅の気楽さ、あっさり諦め(挫け)て、ビールを一杯飲んで、再びヴァポレットに乗り込みます。


残りのヴェネツィア滞在時間は、街中散策とランチにあてようと、適当な停留所(サン・トマ)で下船。入り組んだこの街を、駅に向けて歩きだします。


入り組んだ、とは言っても、主要な場所への案内板(って、地名と矢印だけですが)は随所に出ているので、例えば「ローマ広場」を目指している今のワシなら、それ自体は造作も無いことです。ただ、著名じゃない場所、宿やリストランテを捜そうとすると、やはり大変な街です。


サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会、なる舌を噛みそうな教会の横路地にピッツァのスタンドがありまして、近くに学校でもあるのでしょうか、地元っこっぽい若者でごった返していたので、これは安くて美味いのだろう、とワシもチキンのカルツォーネとコークを所望。たった5ユーロ。昨日のランチの10分の1です。や、昨日のも美味しかったので良いんですけど、昨日のチップでこれ食えるな、と思うと苦笑。味も、なかなかでした。


再び歩き始めて、気になる路地があると入り込んで写真を撮影して……の繰り返し。元の道には戻ってこられるのですが、恐らく自分が入った路地をもう一度見つけるのは困難でしょう。きっとこの街は、二度と出会えない風景を捜して歩く街なんだろうな……なんて他愛もないことを考えているウチに、ローマ広場を経由して、駅へ到着。


ここからフィレンツェまで乗る列車は、イタリア国鉄の最新高速列車「EuroStarAV」。通称「赤い矢」と言われているそうで「AV」の部分がそうかと思ったんですがそこは「高速」を意味する「アロタ・ヴェロチタ」、「赤い矢」は別途「Frecciarosso」と着いている、とtwitter経由で友人が正してくれました。ありがとう!確かにそんな表記が車体にされてたわ!(ぉ)


イタリアでは、高速鉄道も各駅停車や快速と同じ線路上を走ります。日本でいえば、山形新幹線福島以北や秋田新幹線盛岡以西のような感じです。線路の標準規格が日本の新幹線と同じなのでできる芸当ですが、このESAV、最高速で時速300km出るようで、さすがにそれは、専用軌道を設けているとか。ミラノーローマ間のどこからしいので、残念ながら今回は300km体験は無し。


フィレンツェまでは約二時間、徐々に天候が悪くなってきまして、外の色彩がどんよりと重たくなってきます。今回も窓際では無いので(何故一人なのに四人席の一角かなぁ)、外はチラ見程度で、フィレンツェの地図を見たり寝たり、隣のねーちゃんに話し掛けられたり。英語で良かった……(半分も分からなかったけど、コミュニケーションは成立!)。あ、一等車なのでドリンクやクッキーのサービスもありました。


16時半、定刻にフィレンツェ着。あれ、イタリアの鉄道って遅れるのがデフォじゃなかったっけ?こんだけ正確だと信用しちゃうよ?と思いかけますが、やはりまだローマ以南は遅れがフツーだとか。3日後のタオルミーナからパレルモへの移動が不安だ……。


そういえば、旅程がどうなるか分からなかったので、今夜は宿を取っていなかったのでした。ツーリストインフォメーションに行って、拙すぎる英語で「駅に近くて安宿を手配してくれ!」とお願いをしてみたら、駅徒歩2分で55ユーロのところを紹介してくれました。すごい、フィレンツェの人レベル高い!


で、宿自体はたまたまワシの持ってたガイドブックに載ってウチの一軒で「Boccaccio」というところ。でも、ガイドの金額より数ユーロだけど安い!部屋は、ベットが手狭ながら、シャワーブースは扉が付いてて、カーテン仕切りだったこれまでと比べれば一番マシ。フロントの対応も(ワシの拙い)英語に対応可能と、なかなか良い宿です。


フィレンツェに着いたころから、しとしとと雨が降り始めました。降りは比較的穏やかながら雷も鳴りはじめ、さてこれからどうしようか迷いますが、何はともあれドゥオモには行ってみることに。雨の中、折りたたみ傘をさしての散歩です。


駅を経由して徒歩10分もせず、フィレンツェのドゥオモが見えてきましt……って、すげー!あのクーポラ超でかい!


今回の旅がイタリアを舞台にした物語の、その舞台を見に来たのも動機のひとつって話は以前もしましたが、その最大の目的地のひとつがここ、フィレンツェのドゥオモ。小説「冷静と情熱のあいだ」で重要な場所として描かれています。映画も見に行きましたが、ワシの中では圧倒的に小説での印象が強いです。


ここで、ちょっと厨二っぽいことを書こうと思ったのですが、既に三千字を越えているっぽいので、別の機会(恐らく帰国後か、明日)に。


ともあれ憧れのドゥオモ。日も落ちかけて闇の濃度が増すフィレンツェで、ワシはワシで「初めての再会」を果たしました。


クーポラに昇れる時間は過ぎていたので、今日は後は飯を食うだけだろうと散策再開。アルノ川方面に向かうはずが完全に方角を間違えてたりしましたが、リカバリーして川を渡り、ガイドブックに載ってた店内に生ハムがぶら下がるというトスカーナ料理の店「アランティーコ・リストーロ・ディ・カンビ」へ。


英語メニューが無いということで若干の絶望感に襲われつつ、イタリア語解説の本と首ったけでなんとか注文。恐らくトスカーナ産のスプマンテと赤ワインは、どちらもワリと軽口で、特にスプマンテは炭酸も弱く、料理の味が濃いことを考えると飲みやすくてちょうど良いです。


料理は塩気が濃かった!その場で切り分ける生ハムは、ハム自体はそんなに濃くは無かったですが付け合わせの別の肉が超しょっぱかったです。パスタで頼んだボルチーニ茸のタッリョリーニも塩気強し。茹で加減が良かっただけにやや残念。


それでも腹は膨らんだので、メインの料理は頼まず、値段も24ユーロとそんなにお高くはなく。むしろ、ワインが安すぎますが。さらにホテルへの帰路、ふらりバールに立ち寄って赤ワインをもう一杯、グラスで2ユーロ。トスカーナ産らしいのですが、若すぎるのか、ちょっとまだ酸味が強く味もこなれていない感じ。


ホテルの前のお菓子屋さんで、ドルチェがわりにメレンゲとコロネを購入。部屋で食べる前に寝落ちしてしまいました。





今日は、今一度フィレンツェを回り、入れそうならウフィッツィ美術館も行き(大混雑らしい……)、夕方にはローマとの間にある「オルヴィエート」という街へ向かい、そこに宿泊予定。今夜は安宿ではないっぽい!


そして今日は結局、昨日を500字以上上回って4000文字オーバー……こんな駄文でもケータイでこの量だと書くのに一時間ちょっとはかかるもので……推敲もせずにあげてお見苦しいですが、ご容赦ください(そもそも誰もここまで読まねーよと)。