コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

シチリア横断と初アフリカ

パケ死防止のため写真は取りあえず小さく一枚(今日の一枚は、カターニアパレルモ間の寂漠とした大地)。簡単且つ粗いですが、リアルタイム旅記中。


イタリア旅厨からアフリカ旅厨に代わるはずのこの日、9月17日の出来事。サマリーは、ひたすら移動、です。それサマリーじゃない。


またも朝4時半に目が覚めましたが、ふかふかの布団と別れる気にはなれずに二度寝、6時半頃に起床します。ちょうど太陽が昇りつつある時間、急いで部屋を出て、ホテル内のガーデンから海沿いのプールまでを散歩します。紺碧のイオニア海を白く染める強烈な陽射しが水平線に別れを告げ天空を目指しています。洋上には小さい漁船のような船がちらほら。「グラン・ブルー」で言うならジャックの父親のような仕事でしょうか。


前日と同じ場所で朝食。本当に、ここからのエトナ山と海の眺めは絶好のおかずです。実際の腹の方も膨らませて、海に行こうかと迷いますが、まぁもう体を焼くのは十分で【こんがり肉】が出来上がってますから、出発まで部屋でのんびりしつつ、更新用日記を書きつつ、今日の行程を検討します。


今日は夕方、シチリア島最大の都市で島の北西にあるパレルモから、チュニジアに飛ぶ飛行機を取ってあります。当初、タオルミーナから鉄道でメッシーナに戻り島の北岸を行くコースを考えていたのですが、
シチリア島の鉄道はとにかく時間が信用ならないという情報
・海岸沿いではなく島の内部を通ってみたい(内部を通ってパレルモに行く鉄道は便が全然無い)
というところから、結局、バスでタオルミーナからカターニア乗換でパレルモに行く、という選択をします。


タオルミーナからカターニアに行く快速バスは、このホテルのすぐ近くから乗れる模様。ホテルのフロントに聞いたら、チケットは車内で買えるってことだったんで、半信半疑ながらバス停に向かうことに(イタリアのバスは普通乗車前に街中でチケットを買う)。チェックアウトがギリギリになったので坂道を走ります。まぁそれでも数分遅れで着たのですが。


ここからカターニアまでは海岸沿いを走ります。途中からは高速道路になって海からは離れますが、それでも左手にイオニア海、右手にエトナ山を見ながら、その間に広がるレンガ色の屋根と白い壁の家々は、それだけで絵になる風景。写真に収めたかったですが、このバスも鉄道同様窓が汚くて上手く取れずに断念。心の映写機に残して、読んでる方には言葉で伝え……られると良いな(弱気)。


バスは高速道路を降り、カターニア市街へ。市内が渋滞していて中々前に進まず、定刻より15分程度遅れてワシが降りるバスターミナルに到着。当初のワシの妄想では、11時55分の定刻に到着していれば、12時カターニア発のパレルモ行きに乗れるかな、と思っていたのですが、まぁ一本遅れても良い時間で出てきているし、さくっと乗換手続きでもしようかな……。


これが甘かった。さくっとなんて行くわけなかったんです。


まず「バスターミナル」で降りたはずなのにどこがバスターミナルか分からない。正解は、降りた場所の壁一枚向こうだったのですが、いろんな会社のバスがいろんなところに居て、しかも鉄道の駅前でローカルバスもあるし……で、まずはチケット売り場捜しに翻弄されます。人に聞いても、英語が通じず。聞きたいことの意図は単語と紙とジェスチャーで伝わるんですが向こうの回答がイタリア語なのでさっぱり。


それでもなんとかバスチケット売り場を発見。そして今度はバスターミナルを捜す旅に出ます。ここは頭脳線。イタリア人がチケットを買って向かう先に着いて行けば……ああ!あったあった!と感激にむせいだ場所が、さっき降りたところと壁一枚しか隔てられていなかったワケで。


や、たかだか半径数十メートルのことなんですけど、土地勘もなく、意志疎通も困難だと、ものすごい大変です。結局、バスを降りてチケット買って乗り場を確かめるのに30分。5分で乗換〜、とか思ってたさっきまでのワシに説教したい。


ちょうど昼時だったので、次のバスが出るまでの時間で急ぎBARでパスタとビールの補充。作り置きのパスタを食べて、ああ、やっぱり昨日までに食べてたパスタの茹で加減は絶妙だったのだなぁ、と知りますが、味付けは塩気が強くなくこのくらいが良かったかも。パスタ一つ取っても難しいものです(何が)?


13時発のパレルモ行きは、そこそこ人が乗っていて、何故か迷彩服を着た軍人らしき一団もいたんですけど、あれはサバゲーとかじゃないよね?バスはカターニア空港も経由し、高速道路に乗り、一路パレルモを目指します。


この、シチリア内部の風景はすごかった。こっちのルートを選んで正解だった。


カターニア周辺にいるころは、まだエトナ山が堂々とした風格を見せ、その麓に町が広がり、オリーブ畑とおぼしき木々が広がっているのですが、一時間もすると、回りに何もなくなります。ただただ、白茶けた荒涼とした地面が続く丘、廃墟なのか人が住んでいるのか分からない建物がたまに、世話をされているのか野良か分からない動物もたまに、そんな風景が延々と続くのです。


こんな風景、どこかで見たことあるなぁ、と思ったら、漫画「マスターキートン」での描写でした。キートンが行く田舎では、たまにこんな描写がされていたような、ああ、あの風景は本当にあったんだ、という感覚。前日のグラン・ブルーの舞台にも感じた、初めてみるのに懐かしい、妙な感じです。


バスはシチリア島の北側に出て、再び海岸沿いを走ります。なんとなくですが、南側に比べると、海の青みが強くなった気がします。なんと言いますか、非常にシチリアらしい(と脳内で想像していた)風景が続き、飽きません。そうそう、このバスは窓が綺麗だったんで写真が撮れたんです!まぁ腕の方が悪いので結果同じですが。


ほぼ定刻にパレルモ着。カターニアで乗換の困難さを学んだワシに死角は……ありまくり。空港行きのバスはどこーーー!近くにパレルモ中央駅を見つけたので、中を歩き回ってインフォメーションを発見。おじちゃんが必死に英語で説明してくれようとする!嬉しい!


んで、そこで「駅前のスクエアをライト」的なことを言われたんで、駅を出てひたすら右に歩いたんですが、目的のバス会社の表示が見つからない。焦るワシ。また謀られたのか……と駅前に戻ってやりなおそうとすると、空港行きのバスを発見。「駅前のスクエア内の右手」にありました!ごめんおじちゃん、疑って。


もういろいろ遅れると怖いので、そこにいたバスに乗って空港へ向かい約50分で到着。なんだかんだで17時でしたから、18時半のフライトにはちょうど良い時間でした。


そしてここが懸念点のひとつ。果たしてきちんとチケットは取れているか?


日本を出る前に、パレルモチュニスを結ぶ「チュニスエアー」っていうチュニジアのフラッグシップキャリアのサイトで、一応予約&支払いはしてきたんですけど、英語のサイトとはいえきちんと出来たか、リコンファームが必要かもという噂があるがしてない、とまぁおおむね自分が原因の懸念ですが。で、窓口言って予約番号とパスポート見せたらあっさり発券されました。拍子抜けしたけど、良かった!


セキュリティを抜け、指定のゲートに行くと、そこには出国審査場。そっか、そらそーだよな。小さい空港なんで国際線は少ないのでしょう、ゲート三つ分しかなく、しかも搭乗開始近くなるまで係員が来ず審査そのものもできない模様。やむなく空港内を一周してきたら、なんかざわざわしていて、なんか分からないけど集まってた人が散開したから恐らくディレイかな、とディパーチャー表示を見に行ったら案の定、1830が1920になってました。


ま、仕方ないね、とのんびり白ワインを傾けて、改めて表示を見たら1900になってる!おいおい、一度出したものを早めるのは勘弁してくれー!出国審査場に行ったら係員がいてチェック&スルー。ゲート前で待機します。


が、一向にゲートが開かないまま19時。飛行機材も来ない、係員も来ない、ディレイ表示の更新もない。と、数分したら係員が来ましてボーディング開始……ってだから飛行機は!?


遠くに止めてあるところまでバスで移動でした。そんなに混んでないんだから付ければ良いのに……ともあれ、飛行機に乗り込みます。機材はセブンエアーとなっていて、恐らくチュニスエアーの共同運航なんでしょう。もうチュニスに行ければなんでも良いや……って、まさかのプロペラ機!


結局空港を発ったのは19時半。もうすっかり日が暮れまして、これ、定刻通りだったら地中海に沈む夕日が見えたのかな……と考えると、ちょっと残念。十数人の乗客でしたが飛行は順調で、チュニスカルタゴ空港に19時半に着きました。そう、イタリアとチュニジアは時差が一時間あるので、一時間のフライトだと同時刻に発着となるのです。


てことで、ついに初めてアフリカの地を踏みました!


入国も問題なく、アラビア語のスタンプにちょっと喜びを感じつつ、まずはチュニジアン・ディナールへの両替。そして最初の難関、市内への移動。タクシーが一般的で、この国ではタクシーは基本メーター制で心配ないらしいのですが、空港から街までだけが、ボラれる可能性があるのだとか。


さかんに声をかけてくる人を交わし、恐らく正規タクシーと思われる人を見つけ、幾らだい?と聞くと、なんかフランス語なのでよく分からないですが、最終的に金額を言われて、ガイドなどにもある相場無いだったので了承。乗り込みます。愛想の良いあんちゃんで、ワシ同様拙い英語で会話。


で、よくみたらメーター回してる……あ、さっき言ってたのは、メーターだから安心だよ!ってことだったのか!それが分からず金額を提示させたのはワシの方。結果、メーターは4ディナールでしたが、空港で言った金額を支払います。まぁこれはワシの交渉の結果だから仕方ない。チップと思って気持ち良く支払いましょう。


ホテルは「エル・ハナ・インターナショナル」。二泊で五千円弱だった気がしますが、街の中心にあるし、部屋や設備もきちんとしてるしで、エレベーターの挙動が不安な以外は値段のワリに良い宿です。もう夜もとっぷりと暮れましたが、えいや、っと散歩に出てみることに。我ながら危険すぐる。


それでまず足が向かったのが中央駅ってのもどうかと思いますが、その道中、愛想よく英語で話し掛けてくるあんちゃんがひとり。最初は自己紹介やどっからきたのって話でしたが、いずれ勝手に案内を始めます。おっとこれはちょうどさっき読んだトラブル事例、後で案内代を要求してくるパターンですな。てことで、ワシはひとりで回りたいんで、といって振り切りに成功。


駅は、なんか改札があって中には入れず、列車がみられずに軽くしょんぼり。まぁ仕方ないので、もちょっと街中を散策しますが、あれですな、意識過剰かもしれませんが、夜というせいもあって誰も彼も怪しく見える。


腹も空いたので、ホテル裏の「ロリエント」なるレストランにIN。セルティアビール、ブハ(いちじくの蒸溜酒)にブリック、クスクスといった、地の酒と食い物を所望。英語メニューがないので苦労しましたが……。味は良かった!イタリアの塩気に苦笑いしてた身には美味い!


そんなこんなでホテルに帰還。またもシャワーを浴びずベッドカバーの上に寝てしまったのでした。


ということで、「タオルミーナからチュニスに移動しました。」の一文で済むところを膨らましすぎました。ごめんなさい。そういえば、タオルミーナからこっち一度も日本人(らしき)を見てません。やはりこの辺りではレアキャラなのか。





さて今日は一日チュニスカルタゴ観光予定。どこまで見られるか分かりませんが、まー、テキトーに楽しんで来ます。