コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

二人きりのハッシュタグ〜ほぼ日ワークショップ〜

土曜日、「糸井重里のワークショップやります。at日芸」なるものに参加して参りました。日芸の放送学科主催で、「ほぼ日刊イトイ新聞」が共催。
http://www.1101.com/workshop_nuart/index.html


先日、ほぼ日さんと打ち合わせをしていたら、その席に同行していた会社の人が「これ当たったんですよー」という話になり、ワシが「えっ、私の母校(日芸)でそんなことを?」と驚き、ほぼ日の人から「良かったら見に来てください」というお誘いをいただき、恐縮ながら見学をさせていただきつつ、WS(ワークショップ)終了後に打ち合わせもさせていただこうかな、と久方ぶりの母校訪問。


いや、久方ぶりと言っても、昨年11月の芸術際に行ってるし、その意味では新校舎を見るのも初めてでも無く。とはいえ、会場になっている大講堂(大ホール)は、リニューアル後初めて見る&入ります。(註:日芸江古田校舎はここのところ6年ほど掛けて建て替えをしたのです。なのでもう、ワシの通っていた校舎ではないのです)


でまぁ、見学のはずが何故か参加することになってしまいまして……せ、せっかくだから楽しみましょう!


さてWS。一応テーマは「素直であるためのワークショップ」ということですが、前夜、糸井さんが「準備するのやーめた」とtweetしたように、いろんなものが未確定で始まりました。……スタッフの皆さんの心境を察するに余りある状態ですね。


内容としては、まずは糸井さんのお話しが1時間強。これも、台本無し、どこまで喋るか分からない、というものらしく、まぁ結果的に結構長くなりました。そのお話しの内容は、まぁワシのようなネットのコンテンツ業界でのコミュニケーションを生業にしている身には、いつも実感しているしとても悩ましいことでした。


すなわち、何らかのアウトプットに対して「すぐに突っ込まれる」大変さ。ワシらには日常でも、会場の半分近くを占めていた日芸などの学生さんとかには、特に新鮮な話だったのでは無いでしょうか。


で、それは面白くないし何も産み出さないよね、ってところから、実際のWSが始まります。と言ってもやることはひとつ。前後の席の人で向かい合って、1時間、何かを産み出すために何かをする。ルールはひとつ「仲良くやる」。席はランダムに振り分けられてますし、一緒に来た人も「横」並びですから、ほぼ全ての人にとって初対面の人と急に1時間を過ごす、というシチュエーション。


この辺の、糸井さんのお話しとWSのルールについては、テキスト中継のこのページ当たりにまとまっています。
http://www.1101.com/cgi-bin/photolive.cgi?p=110305nuart&dt=20110305121532&ob
って、このページの13:26のところに、ワシがこっそり写って……こっそりってレベルじゃねーなというか、我ながら威圧感あるな……。


……でまぁ、こう言うのも後出しジャンケンですが、この展開はちょっと予測してました。ほぼ日さんが、編集部の社員同士でインタビューをしているってのは知っていたので、それの延長線上にあるものが来るんじゃ無いかな……という予測。まぁ、予測していたというほどのものではないですし、そもそも目の前の人が誰かは予測できません。


で、ワシと組になった方は、現在放送学科の3年生、という女性。まぁとにもかくにも始まってしまったので、自己紹介をしながら「どうしましょっかねー」なんて相談をします。周りの人たちは、着席したままの人もいれば、どこかに出ていく人も多数、1時間後に戻ってくればこの1時間の使い方は自由、とのことです。


とはいえワシらは、ワシもここの卒業生であることから結構話は弾み、サークルのこと(ヒー研の人でした)や先生方のこと、江古田の街のことなんかを話していたら、いやぁ、人って繋がるもので、いつのまにか、文芸学科の先生でワシの先輩でもあるKCさんのお話しになりまして、さらにワシも友人であるその奥さんの話にもなりまして。


なんでもtwitterでその夫婦がイチャイチャしている、ってことで一部で話題になっているらしく、「(みんな)一方的にフォローしているんですけどね」ということ。いやまぁ、実際には「イチャイチャ」はしてないと思うけど、確かに夫婦でtweetしあってるしなぁ……なんてことを話していたら閃いた言葉があるのです!


それが「二人きりのハッシュタグ


twitterで、ある夫婦なりカップルなりが、その二人だけのハッシュタグを使って会話をし、当人たちはそれを読み返せば会話が思い出せるし、それをウォッチしたい人もそれを追えば把握できる。これってダダ漏れ時代の新しいユーザー発のコンテンツとして成り立つんじゃ無いかな!?


なんてちょっと興奮気味に思いつきを話してしまいましたが、一応WSの目的が「(初対面の)二人で何かを産み出す」ってことだったんで、企画を思いついたことに満足しました。今思い返せば、そんなにたいしたことでは無いけど。


1時間が過ぎ、糸井さんも壇上に戻り、じゃあこの1時間で何があったか報告してくださーい、ということで、次々と人が並び壇上で糸井さんと会話をしていきます。ワシも行きたくなったのですが、相棒さんが時間に区切りがあると言うことで断念。まぁ仕方ない。というか、この時点で本来の終了予定時刻を回っておりまして、ここからは「退場自由」となりました。


テキスト中継のページ( http://www.1101.com/cgi-bin/photolive.cgi?p=110305nuart&dt=20110305085416&ob からの6P目くらいから)を見てもらえれば分かりますが、本当にみんなこの1時間で、いろんなことをして、いろんな出会いをして、いろんな発見をしているな、と思い知ります。


WS終了予定時刻を大幅に過ぎても報告の列は続き、ワシもそろそろ次の予定的にアウトの時間、だけどもう少しで終わりそうだし、(別件だけどほぼ日の方と)打ち合わせもしたいし……と思って残っていたのですが、17時を回ったところで断念。途中退場をしてしまいました。


でまぁ、最後の糸井さんの話は聞けなかったのですが、ワシなりにこの日のWSをまとめると、これは「人間力」を試されたのかな、と。


人って、人と実際に向かい合うと、これだけの話が出来てこれだけの発見があって、それは人間関係としての「人間力」でもあるし、その人を作ってきた背景としての「人間力」でもあります。


ところがこれが、例えばネットや、あるいはリアルであっても、相手のことをおもんばから無くなった瞬間に、目の前にいる(モニター越しにいる)人が、感情を持った人であることを忘れてしまう。それが会ったことの無い人なら、なおさらでしょう。


でも、人は人と向き合うことで、初対面であってもこれだけの出来事や関係を生み出せる、それを知るのに確かにこの方法は、シンプルだけど面白いものだな、と。ホント、発表した人の話を聞いていたら、あの場から生み出されたものの数は10や20じゃ効かないでしょうし、ことの違いはあれどそれだけの「0から1」が発生したってのは、すごいことだと素直に思いました。