コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

小笠原の憂鬱?

■平泉と小笠原、世界遺産へ…国内16件に(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20110507-OYT1T00130.htm


平泉、小笠原ともに旅をしたことがあります。平泉は、まぁなるほど、といった感もありつつ、ぱっと見はそこまでインパクトのあるものでも無かったよなといった感もありつつ、とはいえ過去に旅したことのある世界遺産もそういうところが多かったし、特に文化遺産は見た目じゃないからなとも思いつつ。なんにせよ、このまま順調に登録に至ればおめでたいことだと思います。


もうひとつの小笠原。東洋のガラパゴスの名もさもありなん、船で25時間半をかけなければたどり着かない自然の宝庫は秘境感たっぷりの場所でもあります。とはいえ、街中は小さいなりに賑やかですけどね。3年前初めて旅をしましたが、その時も世界遺産登録に向けていろいろなPRをしていたので、これもこのまま登録されれば朗報でしょう。


ただ、気になることが。まぁワシが気にすることでも無いのかもしれませんが。


父島に行った時にお話しを聞いたのですが、先述の通り、基本的な渡航手段はほぼ週に一日の船、それも片道25時間半掛かるというもののみの小笠原・父島、そこで必ずと言って良いほど話題になるのが、空港建設問題。wikipediaにも、経緯や計画が書かれているので、よろしければご一読を。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E7%AC%A0%E5%8E%9F%E8%AB%B8%E5%B3%B6#.E7.A9.BA.E6.B8.AF.E5.BB.BA.E8.A8.AD.E5.95.8F.E9.A1.8C


住人にとっては急用や急病になった時の搬送手段として、旅人にとってもアクセスのしやすさとして、それぞれ空港を待望する声と、その表裏として、景観や稀少生物保護のためとして空港に反対する声と、両方が存在しているようです。


それが、今回の世界遺産登録が成されたら、空港の建設は難しくなるんじゃ無いかな、というのが気になること。


そうすると、他の国内の世界遺産に比べると屈指のアクセスのしにくさがネックとなって、観光客の急増があるかと言えばそれも難しいでしょうし、住民の空港が無いことによる憂鬱は解消されなくなってしまいます。さてではその代替手段はどうなるんだ、というと、また雲を掴むような話になってしまうのでは無いかな、という気がします。


小笠原の世界遺産化は、あのステキな自然を世界にアピールする素晴らしい機会だと思うのですが、同様に、住んでいる人や旅人にとってどのように賽が転がっていくのか、一度あの島を体験した身として(そしてまた行ってみたい身として)注目するところです。


※まぁ、同じような問題は例えば白川郷の世界遺産化による老朽化や住みにくさの時にもあったものですがね。


【参照】
平泉に行った時の日記(mixi
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=10913080&owner_id=65677
小笠原諸島に行った時の日記(ここから7日くらい)
http://d.hatena.ne.jp/tomosaku/20080716/1216169753
小笠原日記の最後、空港問題も少しだけ触れています
http://d.hatena.ne.jp/tomosaku/20080721/1216618475