コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

不安感を逆転(裁判)

逆転裁判」の実写映画版を拝見してきまして。


ここ10年、スポットで好きなゲームというのはあるんですが、シリーズでやっているものと言ったら「逆転裁判」と「レイトン教授」シリーズくらいのワシ。こと逆転裁判は、ゲーム性もさることながら、シナリオの巧みさが大好きで、ストーリーテリングとしてのレベルの高さは、創作を志す身には羨ましいほど。


それだけ好きな作品が、実写映画化されるとなると……えぇ、期待感よりはるかに勝る「不安感」。とはいえ成宮さんの成歩堂をキービジュアルで見た時には、違和感以上に「やり切ってる!」感が強く、こっちもそうと割り切れば楽しめるのかな、といろいろ奮い立たせて劇場に行くことに。


結果……裏切られました、良い意味で。まさに心持ちの逆転。てことでその感想を、mixiレビューに書いたもののほぼコピペですが、日記にも記します。


本作、ファンムービーとしては80点、良く出来ています。


ですが、全くこの作品を知らない人が見に行ったら……と、ワシの中でシミュレートしたら、恐らくかなり理解に苦しむ内容だったと思います。恐らく、一番理解に苦しむのはシナリオ。たぶん、ゲームをしていないで、あの早さと展開からこの事件を推理し、納得いく展開として腑に落としこむのは、かなりの困難だと思います。


そういう方には、例えば出演者が好きとか、トレーラーで感じるものがあったとか、そうでもなければワシからはオススメしません。


先の通り、ファンムービーとしては本当に良く出来た作品で、知っている人にとってはシナリオもさることながら、逆転裁判の世界観、キャラクター性、空気感、それらをよく実写映像に落とし込んだな、と思います。


特に素晴らしかったのは「空気感」。ゲームは、タクシュー節とも言われる、ディレクター巧舟氏の特徴的な表現力が魅力のひとつですが、それが、形は違えど良くでていました。例えば、どうでも良い場所を調べた時に出る解説文の、気の抜けた感じ、あれに似たものが映画でも表現されているような感じです。


そう、その、細かいディテールにこだわる感じ、それがこの映画の一番の魅力かもしれません。


裁判のシーンも、おお、なるほど、こうやって見せるか!と感心しました。それは、原作ゲームでも常々思っていますが、リアリティなんかは二の次で良いんです。あの爽快感を映像化したのはすごかった。


そしてキャラクター。最初は「コスプレ大会?」と思わないでもないですが、すぐに各役者と役が馴染んで、最終的にはほとんど違和感なく受け止められました。あの役作りには相当苦労したのではないでしょうか……なんとなくですけど。


映画を見ながら声に出して何度も笑ったのは久しぶりです。原作ファンには、それだけ楽しめる、ある意味で「振り切った」作品だと思います。


その点で、キービジュアルを見た時に感じたワシの直感は、外れていなかったんだな、と一安心です。


ゲームの方は、逆転裁判5の製作が正式発表されました。「4」で一抹の不安を感じたのは否定し得ませんが、きっとその反省を活かしてくれるのでは……と期待したいところです。


また、どうやら最近、「1」の設定資料集なるものが発売された模様で、恐らく映画あわせなのでしょうが、これがものすごく濃い内容だとか。ちょっと値は張りますが、これも原作ファンとしては手に入れたいものです。