コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

「めがねと旅する美術展」鑑賞記

前日に突発で「さわやか」往訪が決まり、そういえば見たい美術展近くであったじゃん、ということで、温泉組と分かれて静岡県立美術館「めがねと旅する美術展」行ってみた。

f:id:tomosaku:20191230141706j:image

 

「めがね」と言っても視力矯正のためのものって意味だけじゃ無くて、虫めがねやレンズ、フィルターとしての意味も持たせているのだとか。

 

やー、面白い。錯視とも違い、なんだろう、「視点」を意識させられるというか。それは物理的、空間的な視点のみならず、思考的、感覚的視点も含めて、有り体に言ってしまえば「ものの見方」そのものを考えさせられる。でも展示はあくまで「(上記定義の)めがね」が軸なのが良い。

 

推されてた江戸川乱歩の「押絵と旅する男」原作の映像作品も、独特の雰囲気を絵柄やアニメーションで表現していて、視界の中に入る不思議とその顛末、その恐ろしさを丁寧に表現してたな、と。

 

以下、個人的に気になった作品のメモ。

 

夜の衛星写真ふうだが光点ではなく企業ロゴを配した岩崎貴宏氏の「コンステレーション」。

 

絵巻ふうの鳥瞰図で現代の街並みを表記する吉田初三郎氏。

 

フラットな画面が不思議な感覚をもたらす松江泰治氏の空撮写真「JPシリーズ」。

 

現役の建造物を世界崩壊後の廃墟風に描く元田久治氏。

 

レンズ越しにペンライトを当て小箱の中の光景を幾層にも映し出す桑原弘明氏「scope」。

 

後ろ向きの少女の頭部と背景が描かれるがそこに付記されたタイトルからその少女の顔や心を想像力が掻き立てられる門眞妙氏。

 

あと、生頼範善氏の人体図があったのも驚き。