コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

無人島、暗闇の美術島

横須賀は三笠公園の沖に浮かぶ猿島。昼間はBBQ、夏なら海水浴で賑わい、また弥生時代の人の痕跡や、明治時代に置かれた砲台や戦闘拠点の遺構もあるが、夜は無人島になる島。その夜を使って開かれている「Sence Island -感覚の島- 暗闇の美術島」に来てみた。

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島に着いて最初にやること。それはスマホの封印。明かりを最小限に抑えて作品を見せる効果と共に、写真を撮ることに夢中になって作品や島の自然を感じられなくなるのを防ぐため。その狙いはよく分かるし、今回、それは上手くハマっていたように思う。


やはり、写真を撮ろうとする、すなわち記録に残そうとすると記憶に残らないもので、今回ワシはガイドツアーを申し込んだのだが、解説を聞き漏らすまいとなるし、作品に向き合う時の集中力も違う。最近は写真でのバズを狙う施策が多い中で逆張りになるけど、久々にこの感覚を楽しんだ。


作品は、猿島の自然や歴史、地形や施設を活かしたものが多く、暗闇の無人島であることを上手く使っている。けど、ワシは何度か猿島に来たことがあるので「おー、ここにこう来ますか」が楽しめたが、初猿島だと島の個性を掴めずに終わってしまうかな、とも思った。それはそれで一つの楽しみ方だけど。


個人的に気に入ったのは、回転ジャングルジムに映像を投影する「遊具の透視法」。あと、海沿いで、聴診器を耳にして自然音を聴く「地球交響楽団」は、風や波の音を拾いつつ、自分の頸動脈に当てると脈動音が聞こえて、それらが混じってエモい体験になった。


写真&動画に収まってるのは、ほぼ唯一撮影できる乗船場近くの「prism」。キラキラが綺麗、なだけではなく、これ、普通に見ても分からないけど、ある角度から見るとある形になっているらしい。

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で、ワシはガイドツアーを申し込んだんだけど、これお勧め。


スマホもなく、ペライチの紙とミニライトを持って巡るのだけど、普通に回ると圧倒的に情報が足りない。それは主催者の意図するところなので、見方の好みではあるけど、ワシはガイドさんの解説を聞きながら巡れたことで何かと腹落ちした。


とはいえガイドツアーに申し込めるのは、三笠公園側受付にて各船先着15名まで。今日は出航1時間前と超早く着いたけどそれでも5番目だったので、45分前くらいには来た方が良いかも。
なおワシは、ガイドツアーで一周した後、独りでもう一周。解説を反芻しつつ、ほぼ暗闇の中を独りで歩くのは、作品との対話や、島や自然との触れ方が1度目とは異なった感覚があり、面白い。

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木〜日の夜だけ、人数限定で12月1日までと短いイベントだけど、ここだけの体験が出来るのでオススメ。