名作vs現代美術
箱根は仙石原方面にあるポーラ美術館、そこで初の現代アート展をやるってんで初めて行ってみた。「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」は、モネ、ピカソ、ロダンなどの作品をベースに現代アーティストたちが再解釈、再構築した作品が並ぶ。なおシンコペーションとは音楽用語だとか。
いやー、これは。見ている分には楽しいけど、作家にとっては過酷な展示だな。
ベースになる作品が当然だけど名作と呼ばれるもの揃いで、すなわちそれだけの強度とコンテクストを持っている訳で、それを解釈し再構築する現代作家の方は、生半可な作品では完全に負けてしまう。
正直ワシも「え、これは……」と思ってしまう作品もあって、この企画を考えたキュレーター鬼じゃね?と感じる部分もあり。でも、名作の再構築、という部分を捨てて見ると、それらの作品にも面白いところは出てきて、これは本当に難しいなぁと。
もちろん素晴らしい作品も幾つもあって、個人的な一番のお気に入りはダリのシュールレアリズムな絵画を再構築し空間作品にしたアリシア・クワデ「鏡の向こう側」。騙し絵の感覚を空間として表現し、それでいて鏡とガラスと電球の取り合わせはそれ単体で美しい。
なお、ポーラ美術館は初めて行ったけど、屋外展示も含めていい美術館だねー。現代建築と自然が融合して居心地が良い。半日くらいのんびりしてても良い。
……ということで、行って半月以上過ぎたけど、この展示が明日までなので今更感想書いてみた。週末お時間ある方は是非に。