コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

良い肉と良い接客

昨日は年に一度の「良い肉」の日、そう、11月29日です。ワシのmixiなどで主宰するコミュ「倶楽部29」でこの日に良い肉を食べに行くのも、もう4回目となりました。


2006年11月29日、麻布・雅山の塩すき焼き。
http://www.gazan.net/
日記(mixi日記)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=280661946&owner_id=65677

2007年11月29日、銀座・うかい亭のビフテキ
http://www.ukai.co.jp/ginza/index.htm
日記(mixi日記)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=639853730&owner_id=65677

2008年11月29日、末広町・鳥つねの鳥料理&親子丼
http://r.tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13005547/
日記(mixi日記)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1009369568&owner_id=65677


どちらも、1万円台後半から2万円台前半というステキ価格でございまして、高い肉が良い肉ってぇわけじゃあございませんが、高くて良い肉は、それはそれで良いじゃない!ということで、毎年それとなく高級店をあえて選んでいるわけですが、今年行ったお店はこちら。


銀座 季楽(きら)
http://jasaga.or.jp/kira/ginza/


JA佐賀直営の、佐賀牛をメインにしたお店。最近、会社の近くにできた焼肉屋がやはり佐賀牛を使っていて高い肉クオリティを誇っていたので、全国的な知名度はまだまだ低いようですが、佐賀牛には興味津々なのです。まぁその焼肉屋を知る前から知っていた店ではありましたが、今回ついに、来店が適うことに!


並木通り沿いの、高級感溢れるビルの入口をくぐって5階へ。店に入るなり漂う高級感。店員さん、仲居さんに迎えられてテーブル席に通されます。鉄板焼のお店なので、カウンターで調理人の技を目の前に見ることも出来るんですが、カウンターだとこの店の名物のひとつ「せいろ蒸し」が食べられないので、この日は技を見るのを我慢して、テーブルにて楽しむことにします。


コースは、参加者の三人とも「天山」コース16000円。ひとつ下のコースとは肉の質が若干違うようですが、ここでケチっても面白くないので贅沢に行きます。あと、前述の名物、佐賀産和牛の「せいろ蒸し」をひとつ別注。こちらは6800円。


さてここからは、豪華絢爛?写真を見ながら料理の説明と感想などを。



前菜の盛合わせ〜佐賀の彩り〜

左から、紅芋のスープ、佐賀産自然薯を出汁とあわせて、佐賀牛のタタキと長芋のピクルス・トサソース、白身魚と野菜のテリーヌ・バルサミコソース。最初に一気飲みした紅いものスープが濃厚に美味く、またタタキの肉の良さにいきなり驚きです。


玄界灘直送 鮮魚のお造り……の写真は撮り忘れ。

しめ鯖、平目、ハタ。白身、光り物系ですが、どれもサッパリしつつも味はしっかりしていて、噛んでて食べ応えを感じます。身がしっかり引き締まっているんだろうなー。



季節のひと品

いかの切り身と白子を軽く揚げたもの。上に付いているのは(写真では横にどけましたが)えびせんのピリ辛揚げ。ソースは、確かイカの内臓かイカスミだったかな?イカの甘さもさることながら、やはり白子のこってりとした風味がたまりません。これは酒のツマミに最高。



季楽せいろ蒸し(佐賀牛)


蒸す前の肉。きめ細やかで色が綺麗!

こちらがコースとは別注のせいろ蒸し。白菜、青菜、椎茸など、6種の野菜&キノコが入っていて、ポン酢とゴマだれでいただきます。お肉はとろけるような柔らかさで野菜も蒸したのにシャキシャキ新鮮身を感じたんですが、タレが、ワシにはイマイチ。ポン酢はちょっと辛すぎるな、という印象で、また、ポン酢、ゴマだれともにタレが冷えていて、肉・野菜の温度を奪っちゃってたんですよね。常温ならもうちょっと美味しく頂けたろうに、と思うと残念。



最高級佐賀牛のステーキ


この断片のピンク色!

メインのビフテキです。本来はロースだけらしいのですが、サービスでヒレも数切れつけてくださいました!付け合わせは、佐賀にんにくのスライスに、たまねき、かぶ、里芋、チンゲン菜の焼き物。つけダレは、左から佐賀産醤油とにんにくを混ぜたもの、ヒマラヤの岩塩、佐賀の柚子胡椒。

や、さすがに良い肉!とろけるような肉の歯ごたえで、噛むほどに旨味が溢れます。ワシは岩塩を付けるのが一番気に入りましたが、肉の「甘み」を存分に堪能できます。幸せの味がするよ……。ちなみに、佐賀産のにんにくはとてつもなく大きく、一玉が他所のフツーのにんにくの大きさだとか、仲居さんが教えてくれます。




炊立てご飯とふるさとの漬物(漬け物は大皿で出てきます)

米が、米が美味い!もちろん、このまま何も付けずに食べても美味しく頂けます。漬け物は、全体的に甘い味付けで、これがまたもっちりとして白米と合います。米の銘柄は、フツーは「ひのひかり」らしいのですが、今年は「さがびより」というのを入荷したとか。

さらに、写真左上にあります鯛をほうじ茶でいただくお茶漬けも堪能。ああ、そういえば昨年佐賀に行ったとき、鯛茶漬け食べたなぁ……。これ、ほうじ茶がほうじ茶だけで飲んでも絶品でした。さらにサービスでお米のおかわりをもらったり、勧められるままに岩塩を今一度出してもらってかけて食べたり、まさに白米堪能タイム。



季楽特製デザート 〜季節のうまかもん〜

左がココナッツのプリンで、上にかかっているソースは、佐賀の苺「さがほのか」。プリンの中にも入っています。右は佐賀産さつまいものケーキ。ケーキもさることながら、プリンが美味い!苺が美味い!クレームブリュレのごとく濃厚なココナッツプリンに、苺の爽やかさが調和して、なんとも贅沢な逸品です。


最後に佐賀のお茶、うれしの茶をいただいて、コースは終了。


ちなみにお酒の種類もそこそこ多く、特に焼酎や日本酒は佐賀産のものを揃えています。そんな中で面白かったのが、海苔酒とわらすぼ酒。佐賀海苔や、わらすぼという魚を入れた、ふぐのひれ酒や岩魚酒みたいな感じの日本酒です。海苔酒の方を頼んでみましたが、海苔の風味がよーく出ている、なかなかの逸品。海苔が好きなら試す価値はあると思います。あと、ワインで「バロン・ド・ロートシルトSAGA」というのがありましたが、産地はボルドーでした。どういうことなの?笑。


海苔酒


また、使っている器も、陶器は佐賀産、すなわち有田焼やら唐津焼やらだとか。実はそれも楽しみに行ったんで、様々な料理が綺麗な器に盛られて運ばれてくる、それそのものがひとつの食的エンターテイメントな感じでした。


ということで、料理を堪能した二時間半でしたが、それと一緒に堪能したのが仲居さんたちの接客。料理の説明をきちんとしてくれるのはもちろん、こちらの質問に答えてくれたり、オススメの食べ方を教えてくれたり、プラスアルファの提供をしてくれたり、食材を持ってきてくれたり。食べるだけじゃなく、食事を楽しむためのサジェッションを、適度な距離でこなしてくれました。


同行者から、一昨年の良い肉で行ったうかい亭の話なんかも聞きまして、良い肉の会合の後に家族で行ったらしいのですが、料理の途中で「母の誕生祝いなんです」というのを何気なく調理人に言ったら、その後、誕生日用のデザートや、花束まで用意されたらしく、全くそんなつもりは無かったから嬉しくなったのだとか。確かに、ちょっと言ったことに対して、即座に対応して盛り上げてくれる演出は心憎い。


そういう、プラスアルファの心遣いがあるお店。それは、料理の味もさることながら、楽しい食事ができる重要な要素であり、この「季楽」というお店にも、その心遣いを感じました。


そして、この日のお会計は、平均一人22500円。良い肉の日記録更新にはギリギリ行かず(一人23000円のうかい亭が過去最高)。まぁ、お高いなりの価値を感じたのは間違いない!(薄くなった財布を握りしめながら)