幻影を見せられたのは誰か
「冨安由真展|漂泊する幻影」(神奈川芸術劇場(KAAT))観賞感想。昨日行ったばかりだけど明日で終わってしまうので、急いで書いちゃう。
さて、本展ノーマークだったのを友人に勧められて見に行ったが、まずは行って良かった。だけどこれ、感受性豊かな人というか、妄想の滾る人にはキツい展示だと思う。キツいというか、想像(妄想)が止まらないとでも言うか。
や、ものすごくシンプルに捉えることもできるんだよ。でも、複雑に思索し始めればどこまでもフクザツにできる。
会場はKAATの中スタジオ。場の使い方としても上手いなと感じたし、世界を構築していた感がある。この空間-ーこの場合、空間とはほぼ世界と言い換えても良いんだけど、この世界をどのように捉えたか、誰かと語りたくなる。
近年自分が体験した中から近似のものを見つけるなら、千葉市美術館でやっていた「目-非常にはっきりとわからない」。どこか不思議な所にトリップし、そこで起こっている「何か」に思考が囚われる。そんな感じ。
写真を幾つか挙げてるけど、この作品は写真を見てもあまり意味はない。あの場、あの世界に囚われて初めて思索がスタートする。なおワシは一周して数瞬思索して、二周目を巡った。
何だろうね。絶賛とも違う。斬新とも違う。でもワシは確実に心に染みを付けられたし、この世界を体感できたことは良かった。