コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

スペースシャトル打ち上げ関連の写真集

http://picasaweb.google.co.jp/tomosaku.n/STS131_02#

フロリダ出張全体(除シャトル打ち上げ)の写真集
http://picasaweb.google.co.jp/tomosaku.n/STS131_#



註)各項目の『T - hh:mm:ss』とは、『T』が発射の時間で、そこから『-』(マイナス)何時間何分何秒、という、カウントダウンの時間のことです。概してワシの記録では適当ですが、それっぽい雰囲気が伝われば。ちなみに打ち上げ後からは『T + hh:mm:ss』となります。





T - 06:21:00【現地時間 4/5 0:00(日本時間 同日 13:00)】
ホテルのロビーに集合&出発の時間。だが、いきなりアクシデントがあって出発が20分ちょっと遅れることに。現場の技術スタッフはさらに6時間前(4日18時)には出発して現場でセッティング中。


T - 05:30:00 ぐらい【現 0:55(日 13:55)ぐらい】
現場到着。黒い空の下、VABが光に照らされて浮かび上がっている。各国の取材クルーがそれぞれにセッティングを進めていて、多くの中継車がやはり輝いていて、深夜とは思えない活況。

ライトアップされたVAB


T - 05:01:00 ぐらい【現 1:20(日 14:20)ぐらい】
ウォークアウトの取材に行く人々の集合時間。荷物検査あり。ながーいスクールバスのようなものに乗り込んで、3台くらいで100人以上の取材陣が、アストロノーツたちが隔離されている場所に向かって出発。

ウォークアウトとは、アストロノーツたちが、シャトル打ち上げ直前まで隔離されている場所からシャトルに向けて移動するところに立ち会う、発車前最後に彼らの勇姿を生で見られるセレモニー。


T - 03:51:00 ぐらい【現 2:30(日 15:30)ぐらい】
多くの報道陣と、恐らくは搭乗員の家族が待機する中、ついにアストロノーツたちが登場。オレンジの宇宙服に身を包み、笑顔で手を振りながら表れ、横一列に並んでいるさまは、まさに映画のワンシーンのようであり、その笑顔の下にかけられた彼らの命に対する覚悟に、心底かっこいいな、と感じる。


出てくるアストロノーツたち


笑顔で手を振る。宇宙服の左から二番目が山崎宇宙飛行士。

並んでいたのはほんの1分ほど。銀色に反射する車両に乗り込んで(まるでアメリカン航空の機材のよう)、護衛の車両と装甲車に囲まれて、アストロノーツたちはシャトルに向かう。


T - 03:11:00 ぐらい【現 3:10(日 16:10)ぐらい】
中継現場であるプレスエリア、我々の呼んでいる(勝手な)通称「スタジオ原っぱ」に戻ってくる。発射台からは2マイルちょっと(約3.2kmちょい)の距離にあり、VABからはすぐ近く、湿地帯に囲まれた屋外で、本当に原っぱ。

技術スタッフによる現場仕込みは9割方終了。順次、リハーサルをすることに。近くにあるカウントダウンクロックも、ゆっくりと1秒ずつ、発射までの時間を刻んでいる……と、発射3時間以上前なのに、表示は「- 02:20:00」くらい。これ、何故か分からないが、発射判断の何回かのタイミングでカウントダウンはホールドして、発射への判断がくだされるとまた動きだし、最終的に予定時刻に帳尻があうシステムらしい。


カウントダウンクロック


T - 01:31:00 ぐらい【現 4:50(日 17:50)ぐらい】
最終の、番組のリハーサル。個人的には番組前最後のTweet。スタジオ原っぱから肉眼で見える発射台は、3km以上離れていることもあってかなり小さいのだが、そこもライトアップがされて明るく輝いている。着々と、発射準備は進んでいる模様。


T - 00:31:00 ぐらい【現 5:50(日 18:50)ぐらい】
ncnc生放送での中継を開始。スタジオ原っぱから、JAXAの方にも来ていただき、またワシは司会をしながら、現地の様子をお届け……したものの、回線のトラブルがあって冒頭の何分間かが日本に送れていなかった模様。

トラブル・アクシデントは生放送にはつきものだけど、今回も事態の把握や対応にドタバタ。結果的には発射前に回復したが、番組をご覧になっていた皆さん、大変失礼しました。申し訳ありませんでした。


T - 00:09:00 ぐらい【現 6:12(日 19:12)ぐらい】
9分前でホールドされていたカウントダウンクロックが動き出す。発射の最終判断がくだされるのが9分前で、ここから時計が動き出したということは、95%以上、打ち上げは確実。ちなみにシャトルの打ち上げが予定通りの日時に行われる可能性は1割〜2割程度で、天候、機材の状態、その他ちょっとしたことですぐに延期になる。それを考えると、今回はものすごく運が良いのかも知れない。

……いや、思えばこのSTS131のミッションは、当初3月18日予定だったものが半月ほど延期したんだった。その時はその10日以上前に延期が決まったから全然対応できたんだけど、発射直前に何日もの延期が決まる場合もあるらしく、日本からスタッフを送り込んでいる身としてはかなり気が気でないポイント。


T - 00:07:00 ぐらい【現 6:14(日 19:14)ぐらい】
スタジオ原っぱのカメラ前から、司会とゲストは一旦退却。NASA TVからもらっている映像と独自カメラの映像で発射の瞬間を待つ。

これもちなみに、だいたい皆さんがテレビなどで見ている発射の瞬間の映像はNASA TVが撮影・配布している映像で、当たり前だがシャトルのすぐ近くで撮れている映像であり、2マイル以上離れている我々とは臨場感が違う。各メディアは、それに自前のカメラでの中継を組み合わせて放送しているのが主なスタイル。

なお、↓がNASA TVの映像。
http://www.youtube.com/watch?v=TvZH-nhuxgo


T - 00:03:00【現 6:18(日 19:18)ぐらい】
一旦中継がスタジオから離れているこの隙に、カメラを持って発射台のよく見える地点へ。宇宙好きなワシ自身、やはり発射の瞬間を思う存分体験したく。隣のカメラマンがちょうどNASAの無線を流しているのでありがたく傍聴しつつ発車待ち。


T - 00:00:00【現 6:21(日 19:21)ぐらい】

LIFT OFF.


T + 00:00:03 ぐらい

ものすごい光が発射台から弾けて、暗闇の中に沈んでいた湿地帯や夜空を一瞬にして明るく染め始める。シャトルは、思ったよりはゆっくりな速度で上昇を始める。

と、ここで違和感。音がしない。これまでに見たことのあるシャトルの映像は、発射の瞬間から轟音が響いていたが、目線の先にある膨大なエネルギーの塊は、今のところ無音で夜空に向かっていく。そう、音速は秒速約340m。2マイル以上あるここまで、まだ音が届いていなかった!

これは、映像と音が同期したものを見慣れていた身には、当たり前なんだけどちょっとした衝撃。


T + 00:00:08 ぐらい

周囲の空気がいきなりびりびりと震え始める。でもまだ音はしない。ほんのりと気温が上がった気がする。熱気を持った空気の渦が体の上下左右を後方に向けて走っていく……そんな感じ。


T + 00:00:12 ぐらい

いきなり、ものすごい轟音が鼓膜を震わせる。シャトルそのものはもう中空にあり、肉眼ではシャトルの形状を視認することが難しく、光の玉と化しているこの時になって、やっと音が届いた!この頃にはもう興に乗ったか、シャトル……といか光点の速度はぐんぐん上がっていくような感覚で遠ざかっていく。


T + 00:01:40 ぐらい

噴煙を残しながら、光点は東の空へ。

ここから当分は、もう独自カメラでは追えないので、シャトルのブースターについているNASA TVのカメラからの映像。ブースターが切り離され、画面に青い地球の見えてくるT+8分くらいまでは、その映像を流し続ける。一方、スタジオ原っぱでは再び独自番組に戻るための準備を開始。日テレのクルーの方が日本との中継でやり取りをしているのを横目に、我々のベースへ。


T + 00:09:00 ぐらい【現 6:30(日 19:30)ぐらい】
独自番組の再開。今回は、ncncで独自に今回のディスカバリー号の船長や山崎宇宙飛行士の取材もしていたので、それらを流したりしつつ、また今回のミッションの説明をJAXAの方にしていただきつつ、番組はエンディングへ。


T + 00:19:00 ぐらい【現 6:40(日 19:40)ぐらい】
番組終了。撤収開始!


T + 00:25:00 ぐらい【現 6:45(日 19:45)ぐらい】
サマータイムのアメリカ・フロリダは、ようやくこのくらいから空が白み始め、深いトワイライトブルーに染まり始める。そんな空に、シャトルが残していった水蒸気がプカプカと漂い、そこにまだ、地平線の下にいる太陽からの光が照り返って、虹のようなクリスタルのような宝玉のような、美しい雲が!

どうやら、普段雲などが発生しない高々度(1万m以上の高度)に残されたシャトルの水蒸気が凝固して雲状になり、そこに光があたってプリズムのようになったのではないか……とのこと。JAXAの方も初めて見たという、時間と天候が織り成した奇跡の空が、ケネディ宇宙センター上空を彩っている。

時間の経過で、徐々に色合いを変えていく。この写真じゃ伝わらないほどに、本当に美しい空!


T + 01:20:00 ぐらい【現 7:41(日 20:41)ぐらい】
粛々と撤収が進む中、太陽も地平線からすっかり顔を出し、まだ涼やかながら今日も暑くなりそうな、常夏の朝の空気に包まれる。つと発射台のほうを見やれば、シャトルのいなくなった鉄柱の塊。そこにはまだうっすらと煙が漂い、LIFT OFFの衝撃を物語っているかのよう。



と言うわけで、先日のNASA出張時の、シャトル発射前後の模様をワシなりのドキュメンタリーっぽい視点でお送りしました。山崎さんが帰還する前に書けてよかった!ちなみに今日の21時からは、その着陸の模様をJAXAさんから映像をいただいて生放送しますので、お時間のある方は是非にご覧ください。宣伝乙。

スペースシャトル『ディスカバ​リー』着陸 生放送
http://live.nicovideo.jp/watch/lv14550974