コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

天にも昇るほど、働け~おみくじ2015

大丈夫……旧暦ならまだ新年は来ていない……。

とまぁ、年が明けても全然アレな感じで過ごしておりますが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。いろんな意味で今更感のある2015年一発目のテキストでございますが、内容も今更感のある……

<ここからテンプレ>ほぼ毎年書いている新年の恒例備忘録。ワシの通う神社で今年ワシが引きました「おみくじ」についての記録です。なんだかんだで、毎年このネタを楽しみにしてくださっている方もいるようなので、今年も書きます。

一応予防線を張るべくいつもの文句を書いておきますが、ワシ自身は神道の信仰を持っていますが、もちろんそれを周囲に強制することも必要としない人に広めることも無いですし、違う信仰を持つ人とも信仰を持たない人とも等しく付き合ってます。

そもそも信仰を持っているといっても「オマエが神主なら神など信じられぬわ」と言われる程度には日常生活で全く露出してないというかむしろ破戒的ですらあるかもしれません(これ神社の人も見てますが!)。なのでまぁ、こんなのもあるのね、程度に軽く読み流していただければ。

で、おみくじと言っても「大吉」とか「凶」とかの「吉凶」ではなく、易や陰陽道で言うところの「八卦」を組み合わせた「六十四掛」と同様に表しまして、神道では(つか通う神社では)「月日のおしえ」ってのを元に解き分けします。ちなみに、陰陽裏返る場所が一箇所あるんで、全部で384通りの組み合わせがあります。

下記にて、赤丸(塗りつぶされている丸)が「日(陽)」、白丸が「月(陰)」です。上三つと下三つがそれぞれ「宮」の意味を為して、その「宮」で解き分けをします。細かく言うと、上三つは「周囲」の、下三つは「自分」の、「宮」です。さらに、青丸(右側に丸がある箇所)の部分が陰陽転じて、年内の変化の時期と変化した後の「宮」となってまた意味を為します。<ここまでテンプレ>

では、今年のワシのおみくじ。

● 



上三つが、上から陰-陽-陽の順番で、これが「兌宮(だくう)」という「澤」の働きを持った位。下三つが、上から陽-陽-陽の順番で、これが「乾宮(かんくう)」という「天」の働きを持った位。


ここまでを合わせて「澤天夬(たくてんかい)」と言います。


で、陰陽転じる箇所が下から三つ目でして、転じた後は下三つが上三つと同じく「兌宮」。


この転じた後は「兌為澤(だいたく)」と言います。


※テンプレ解説&相変わらずの説明下手で恐縮。雰囲気を感じていただければ。

例年通りな「仕事」を中心にお願いしながら引いております。周囲からは毎年のように「結婚(縁事)でも引きなよ」と言われますが、そんなこと言われても興味ないものを聞いても仕方ない。や、結婚を前提としないなら縁事は興味ありますけどね(何)。

このおみくじさん、上三つが周囲、下三つが自分、を表してもいるのですが、まずは自分が「天」の位置にいる、すなわち最も充実した位に入っているのです。仕事における充実とは、これすなわちお忙しい予感!さらに周囲が「澤」の位置でございますが、これは「職」や「食」を象徴していたりもしまして、これすなわち「職」に困らないほど後から後から仕事がやってくる予感!(そして「食」にも困らない)

……うん、なんか「以上!」で終わってしまうくらい、「仕事」で引いた以上シンプルにまとまってしまうのが出てしまっておりますが、まぁもうちょい(本職の=ワシみたいに心得見習ではない)神主さんに解き分けていただきましたのでもうちょい書きますがね。

自分が「天」ってことは、リーダー的な部分、人を引っ張っていくような仕事が増えるかもしれません。まぁ一応管理職ではありますし、一応新規事業的なサムシングの一部門を預かっている身ですので然もありなん、さらなる飛翔をするかはともかく、いろいろと引っ張っていくことにはなりそうです。

あと、陰陽転じると自分も周りも「澤」の位置ですので、まぁ「職&食、倍盛り!」感ありますが、同時に何らかの形で「ライバル」的な人が出てくるのかもしれません。すなわち、自分も周りも同じ位に入りますので、同じような立場=ライバル。まぁあるいは、パートナー的な人かもしれませんね。何らかの転機は3月か9月と出ておりますので(陰陽転じる箇所で判断。下から1月2月と数え、最上部6月まで行ったら改めて下から7月8月と重ねる)、要チェキでございます(軽)。

まー、今の置かれている立場と周囲の環境を見て声を聞いていると、「最も充実/大変」は大袈裟ではありますが、傾向としては確かに感。気合いを抜いているつもりはないのですが、活を入れなおすくらいがちょうど良いのかもしれません。

ちなみに昨年のを見返してみれば、なるほど首肯しうる部分は結構ありまして。まぁそれも解釈論じゃんと言われればそれまでですが、自分自身は大きく動かないまでも周りの動きに影響されたり、また転じる月には確かに大きな意味で新しいことが起こっていたり。


ま、これも例年の言ですが、これは予言ではなくて指針。これをもらってどのように未来に役立てるかは自分次第、さて今年はどうなることやら。

つれづれづれ

やー、先月はブログやmixiを始めてから初めて、ひと月の間にひとつも日記を書かない月になりました。そんで、一度やってしまえばそれに対する気がかりなんて簡単に薄れてしまうもので、今月も日記を書かないまま大晦日。一時期、mixiでですが1100日以上連続更新をしていたとは思えn(ry


まぁ例年言ってますが、文章を書くモチベがないorそれがtwやFBで満たされているんだろうなぁ、と。旅記とか、今年もいろいろ楽しいイベントをやったので、書きたいな、と思いながら「非日記形式」で満足していると言うね。8月〜10月は、ほぼ毎週末旅に行っていたようなものなのに、書きかけの旅記がひとつだけという体たらくだったりね。


その分、って程じゃないですが、今年意識的に力を入れていたのは読書。小説はブクログに読んだものと星を記録していますが、124冊と、昨年の59冊に比べて倍増してました。
http://booklog.jp/users/tomosaku/chart/2014/total/book
読書メーターの方には、5月以降のものですが、twに書いた簡単な感想と、マンガの方も記録していて(マンガは仕事絡みで読んだのがほとんどですが)、まぁ結構読んでるなぁ、と。
http://bookmeter.com/u/463647


インプットだけしてアウトプットしなければ余り意味は無いので、こう、もうちょっとしっかり出していきたいな、と思いつつ、今年もふんわり終わってしまいそうです。


ま、これも例年書いているとおり、あまり大晦日だからと一年を振り返るのは趣味ではないですが、今や少ない読みに来てくださる方にご挨拶がてらの日記でございました。


今年も年越しは、仕事はなしで、友達と遊びに出かけておる所存でございます。その上で、三が日はだいたい通う神社のお手伝い。例によってバタバタしておりますが、それでは皆さん、よい今年を!(←あと5時間弱)

日曜の文化充

図らずも、直近の日曜日が二回ほど続けて、日本文化的なものに触れる機会となりまして。



先週、19日の日曜日は、埼玉県川越の「川越まつり」。二日間で公称約100万人近くの人出がある大きなお祭りです。この祭りの特徴は、やはり豪華絢爛な山車と、その山車どおしがすれ違う時に行われる「曳っかわせ」と言われるアクション。
http://www.kawagoematsuri.jp/index.html

 

f:id:tomosaku:20141027035815j:plain

 

f:id:tomosaku:20141027035821j:plain


山車は町会ごとに何台もが練り歩き、その上には日本武尊や弁慶、浦嶋といった、架空から歴史上の自分物までの妙に精巧な人形が乗っています。その人形を含む上部がエレベーターのように上下するのも面白い構造です。そして曳っかわせは、それぞれの町会の人々が提灯をかかげて声を張り合い、その様はさながら、あるマンガになぞらえて「決闘!(ディエル!)」とでも叫びたくなるもの。や、本当に喧嘩とかするわけじゃないですが。

そんでまぁ、友人がある町会の人と仲が良くて、そこの山車を曳けるってことで行ってみました。本川越の駅を降りたところから街は大混雑。多数の人々が多数の屋台の中を行き交います。そんな祭りの雰囲気も楽しみながら友人と合流し、まずは祭りを見学。川越の古めかしい町並みの中をぐるぐるする山車を見かけては、その豪華な造作に感心します。

大変な混雑の中をビールや屋台のツマミを摂取しながらひとしきり歩いて楽しみ、その町会の集会処に再集合。そこでもお酒やおでんなんかの振る舞いをいただきながら、夜の帳が降りた頃、いよいよ山車を曳かせてもらいます。

 

f:id:tomosaku:20141027035850j:plain


大きな掛け声を出しながら綱引きのように何十人もで山車を曳くと、不思議と日本人としてのDNAが刺激されたかのようにどんどんと高まるテンション。ではあったのですが、ワシの曳いてた山車ではちょっとトラブルがあって、長時間に渡る待機とその後ちょっとした故障が引きずったのが残念。

 

f:id:tomosaku:20141027035912j:plain

とはいえ、左右に観光客の押し合いへし合いする中、山車を曳いてまるで「祭りの中心」にいるような気分になれるのも乙なもの。残念なことに、曳っかわせはお手伝い曳きの我々ではできませんでしたが、それでもなにか、文字通りの「お祭り気分」で川越の町並みを闊歩できたのは、楽しい体験でした。

三時間ほどの曳航を経て、その町会の神さまを迎えている会所に戻って来る頃には、すっかり疲れていましたが、それでもこの、日本っぽい文化に触れてあまつさえ参加まで出来たのは、なんとも言えない心地よさでした。

ま、念のため次の日は、有休を取ってたのも良かったんだけど。



昨日の26日の日曜日は、浅草橋のHulic Hallというところで行われた「曹洞宗法要ライブ『法悦』」に行って参りました。
http://www.sotozen-net.or.jp/houetsu/

うん、ワシも初めてイベント名を聞いた時は頭の中がクエスチョンマークだらけでした。この一週間ほど前に飲んだ後輩が、ネットですごいの見つけたんですけど行きませんか?と誘ってくれて、もうタイトルだけで好奇心が溢れかえったワシは、脳内クエスチョンマークのまま、中身を調べもせずに首を縦に振っていたのです。

このライブの主旨は上のイベント紹介サイトに譲りますが、思えば法要自体は、寺のイベントや、あるいは法事で高野山の寺に泊まった時とかに、何度か見聞きしております。それをホールでやる、ってのがイマイチ分かりませんでしたが……というまま会場に行ってみれば、まさかの開場前に大行列。自由席なので良い席で見たいってことでしょうが、え、そんなにモチベーション高く見に行くようなものだったの!?と驚きながら、近くの茶店で一休みして遅めに入った我々は、ほぼ満席の場内の、隅っこの方に席を確保。

 

f:id:tomosaku:20141027035930j:plain


なんで席に、タオルと歯ブラシがあるのよ。

各席には、パンフレットとともに、紙に包まれたタオルと歯ブラシがあります。きっとお土産なんでしょうが、なんで!?とパンフレットと開いて二度ビックリ。なんと演目の二つ目に「洗面」というのがあるじゃ無いですか。

待ちたまえ。ライブで洗面、ってなんだ。

サイトにもありますが、このライブ、曹洞宗の修行道場の、毎朝の作法を再現しています。すなわち起床の鐘の音から、洗面、座禅、そして法要、とその作法をなぞるのです。なるほどそれなら分かる……かー!……や、失礼しました。もちろんそれを悪く言う気も揶揄する気も無いのですが、あまりに想定外のプログラムに驚きます。

そして始まるライブ。本当に洗面などもし、模擬座禅ともいうべきパートも経て、いよいよ法要パートへ……って、たくさん出ていらっしゃる僧侶の皆さん。ざっと、50人くらいはいたでしょうか。広くは無いホールのステージ部にごった返す僧侶。うーん、壮観。

 

f:id:tomosaku:20141027035945j:plain

 

f:id:tomosaku:20141027035950j:plain

(法要パートは撮影可)


法要は、仏具のリズムに乗せて読経をするスタイルで、イマイチ経の分からないワシには把握しづらい内容もありましたが、分かる言葉の部分もあり、何よりなんとも不思議な、仏具の音と僧侶の声の音波が、心地よく体を包みます。

無心に聞いていると、なんとなく自分が浄化されていくような……思い込みかも知れませんが、そんな気持ちにさせられます。と、二つ隣に座っていた女性の姿がいつの間にか消えていて、まさかの成仏?とか不謹慎なことを思ってたら、ライブ後に後輩が、途中で退出してましたよ、と教えてくれて一安心。

や、まがりなりにも、神主(心得見習)なワシですが、やはり根っこに通じるものはあるのか、とても貴重な文化に浸ることができました。曹洞宗は、大本山である永平寺に行ったこともありますが、そこも観光地化されているのを思いつつ、重厚な雰囲気は感じられたので、なにかすごく、感じ入るところがあります。



文化、と一口に言ってもかなり傾向の違うそれぞれでしたが、好奇心旺盛なワシはとても愉しみましたし、触れることそのものが価値だとも思います。今回はどちらも友人や後輩に誘われての参加ですが、昔に比べて機会が減っているのも確か、これからも出来るだけ触れていきたいものです。

プロージット!

先の18日土曜日は、昼に「東京食肉市場まつり」に行って肉食と肉買いをしてきたのですが、夜は、大好きな小説関連のイベントが高円寺で開かれると知って、つい参加して来ちゃいました。

銀河英雄伝説好きの飲み会 in 薬酒Bar高円寺 〜リアルにプロージットします!
http://twipla.jp/events/67631

好きな小説、とは「銀河英雄伝説」。田中芳樹氏の書いたスペースオペラです。ワシが中学時代にぼんやりと「小説書きになりたいな」と思った原因の書ですし、それを踏まえれば大学からその先の人生まで影響を与えている作品。ちなみに、アニメ化もされていますが全110話とこれまた超大作。ワシはやはり小説の方が好きですが、アニメもたまに見たくなっちゃう面白さがあります。

さて、その小説の中で、宇宙に戦いに赴く前に将校たちが勝利を記念して「プロージット!」(ドイツ語で、「乾杯」の意)とワインで乾杯するシーンがあります。乾杯後は床にグラスを叩きつけて割るのが、作中の様式美です。

と、前置きが長くなりましたが、このイベントではその様式美をリアルにできちゃうとか!ワシも、過去にビールかけをやったことはありますが、グラスを叩き割ったことはありませんよ?

ということでお邪魔してみれば、店主を含めて9人ほどの銀英伝好きが集まりました。特に自己紹介などもないまま、早速銀英伝トークにいそしむ皆さん。アニメの設定集を持ってきた方もいて、ひとしきり盛り上がります。数人、大学生くらいの方もいたようで、80年代の作品なのに知っている若い方もいるんだなぁ、とおっさんみたいなことも思ってみたり。おっさんですが。

店内には銀英伝のアニメが流れていますが、それぞれが「あのシーンみたいね」「それは第○話ですね」とフツーに交わされて、集まっている人たちのレベルの高さ(銀英伝フリークとしての)を思い知ります。先述の通り、小説から入りどちらかというと小説の方が好きなワシは、「そのシーン、原作なら○巻の○章あたりですね」とは言えるのですが。

遅れてきたメンバーも揃って、いよいよ「プロージット」します。折角なのでアニメのシーンにあわせよう、と、とある作戦に向かう前のシーンを見て、まずはリハーサル。その後、同じシーンを流しながら同じタイミングで「プロージット!」と叫び、ワインを飲み干して、グラスを叩き割ります。

f:id:tomosaku:20141018194622j:plain

f:id:tomosaku:20141018195652j:plain


ちなみに店内の一角をゴミ袋で覆い、そこを「プロージットエリア」として叩き割りゾーンにしてました(写真2枚目)が、やはりそこからも幾つかの破片は飛び出してしまい、プロージットできた高いテンションのまま掃除をしてみたり。

その後も、主に有名将校が死ぬシーンを中心に観賞し、盛り上がっているのに肝心の部分が来るとお通夜みたいに沈み込む、の繰り返し。謎の一体感を保ったまま、21時までの予定が23時過ぎまで店に居座って楽しんじゃいました。

行く前は、知らない人ばかりだし(ひとり、肉友を誘ったので全員初見ではなかったですが)ちょっと不安もあったのですが、そこは同じ作品を好くもの同士、コンテンツを軸にたっぷり楽しんじゃいました。

余談ですが。作中「ブランデー入り紅茶」と「紅茶入りブランデー」というのがあるのですが、その再現とばかりに、店主が「紅茶入りブランデー」を作ってくれたのですが……紅茶が、ティフィンという紅茶のリキュールで、すなわちアルコールをアルコールで割っていて、飲んでいるものの逃げ場無い感がすごかった。ユリアンなら、アルコールだらけで激怒してるレベル。

2周半

先の日曜日、中学校の同窓会がございまして。クラス単位ではなく学年単位だったので、実質、卒業後初の学年同窓会。すなわち、15歳の卒業から23年の時を閲しての開催でございます。


23年!中学卒業までの年齢を基準にするなら、その倍の人生を生きてさらに8年。人生的には、2周半していることになりますな。


ワシのいた中学は公立でしたが、当時の千葉県の中でもマンモス校で、生徒数は約470人。13クラスがありまして、ワシは卒業時、その最後の13組でした。今回の同窓会ではその内130人くらいが集まりましたが、我らが13組は15人が集まり、全体の中でも出席率の良かったクラスのようでした。


まぁクラス単位では、成人式の後に集まったり、当時の担任の奥さんが鬼籍に入られた時に会ったりはしていたので、一部の人とは15年ぶりくらいですが、最近も個別に会っていた数人はともかく、ほとんどのクラスメートは結構な年月会っていなかったワケです。そんでもちろん、ワシを含めて皆、中年の粋に差し掛かっているワケです。


なのに、全然変わってない!ほとんどの人は、一目で誰だか思い出せました。もちろん、皆社会に出て、結婚や出産も経ていて、知らない人生の期間の方が多いわけですが、それでも見た目、キャラともに、ほとんどが思い出通り。そりゃ、多少の思い出側の補正もあるでしょうか、すんなり打ち解けるものです。


実際、ワシはその頃、一部の人とは仲が悪かったりもしたのですが、それも過去の話。少なくともワシは、今や誰とでも普通に、むしろ違和感を感じるほどに普通に話せるようになっていました。これも、重ねた年月のおかげか。


13時に始まった宴席は、場所を変え日が代わる頃まで続きまして、他のクラスの友人たちともこってり話しができました。いやはや、同窓会って行くまでは緊張しますが、行ってしまえば楽しいもの、楽しい時間を過ごさせていただき、参集いただいた幹事諸氏に大感謝でございます。

it's' a small world

いや、なんか今更の話しなんですけどね。

昨夜、神宮前の馴染みのバーにいったんですよ。ダンディなマスターと愉快なママさんがやっている落ち着いたお店で、バーなのに毎度食事が充実している、一見さんお断りってワケではないけど馴染みのお客さんがほとんどという、何かと面白いお店で、ワシなんかはその店では若輩も良いところですが、可愛がっていただいております(たぶん)。

そんでまぁ、ワシもマスターたちも旅が好きなのでよく旅の話しをしているのですが、フランスというかパリの話しをしていたら、お二人が世話になったという、現地にいる日本人コーディネーターの話になりまして、話しを聞いているとなんとなく感じるデジャビュ

トモサク「もしかして、Tさんですか?」

「そうそう!」と喜色満面、ハイタッチをしてくるママさん。そう、ワシが5〜6年前、フランスの「Japan Expo」への出展で出張した時、代理店が手配してくれた現地コーディネータの方でした。

いやね、世間の狭さなんて今更な話しだとは思うんですよ。でも、この二週間の間だけでも、

・とあるアーティスト事務所にいるの飲み友達に誘われて、芸能系含むプライベートパーティにお邪魔をしてみたら、50人くらいの集まりなのに全く別のところで知り合った方があわせて3人も来てて思わぬ再会にビックリ。

・去年、披露宴の司会をさせていただいた後輩夫婦の家に遊びに行ってダベってたら、奥さんの方が昔働いてたって会社に聞き覚えがあって、そこに一時いたはずの友人の名前をあげてみたら「知っている!」と。そしてその友人は、この後輩夫婦の披露宴の三ヶ月前に、やはりワシが司会をさせていただいて披露宴をあげていた、と、ただ知っているだけではない、行動すら近似値だった偶然。

なんていう、「あ、その方ご挨拶したことあります」に留まらない思わぬ繋がりが露見したばかりで、そこにきて今度は、フランス在住の方ですからね。

いやはや、世間どころか、世界は狭い。さすがに海外を通して繋がりを感じたことは初めての記憶です。

人と会うのも仕事のウチですし、好奇心旺盛なものでどこにでも顔を出していくので、それなりに顔のでかs、もとい、広さはあるのかもしれませんが、卑小の身ながらこうした繋がりを感じられるのは、ほんのり、嬉しいものであります。

シマシマ

シマシマと言えば、世の中的には馬か漫画の名前かで知られていますが(そうでもないかな?)、旅人的には長野県の新島々駅が有名ですね(ワシの中では)。でも今日はそっちではなく、四万温泉のお話し。って、前の旅記を、四日間のウチ一日目しか書いてないのに他の旅記になるとかもうなんかどうしようもない気がしますが、開き直って書き書き。

先週末、友人に誘われて四万温泉に行って参りました。最初は誕生日祝いで何かイベントをって話しだったのですが、なんかFacebookメッセンジャーで色々話している間に話しが大きくなって、そんじゃあ四万温泉に行ってみようか、と。うん、どういう過程を経ればそうなるんだか。

ともあれ、友人が諸々手配をしてくれるというので、ワシとしては珍しく旅幹事スキルを発動せずに当日を迎えまして、そしてそれがとてもとても新鮮だったのです。

決まっているのは宿だけ。待ち合わせ時間&場所すら事前に特に決まっておらず、また前日に先方の都合がありまして、12時過ぎくらいに東京エリアで到着し次第合流して、その時点で乗れるのに乗っていこう、的なノリ。まず昼過ぎに待ち合わせってのが、ワシが企画する場合は(独り旅でもグループ旅でも)まずあり得ないので新鮮でしたが、その上、別件用事終わり次第合流とか!

こうね、全然悪い意味で言うのでは無く、斬新。こういう体験、自分ではやらないであろう経験ができるのはすごく面白い。



ということで、旅の開始は結局、13時ころの東京駅での合流から。高崎までを鈍行で行くか新幹線で行くかを検討しますが(どちらに乗っても接続するバスは同じ)、まぁここはオトナだし、東京駅で昼飯食ってから新幹線を使って行こう!ということになり、ちょっと前々から行きたかった「日本食堂グランスタダイニング」へ。

こちら、かつての食堂車をイメージした店作りで、慌ただしい東京駅の中ながら雰囲気があります。デミグラスソースが自慢で、ハヤシライスやシチューなんかが有名ですが、ワシが目を惹かれたのはデミグラスソースを掛けたメンチカツ。ソースとの相性は完璧とは言いかねましたが、カツはジューシーで充分に美味しい一品でした。

新幹線で自由席に乗り込んで、一気に高崎まで。吾妻線に乗り換えて、鈍行で中之条駅に向かいます。吾妻線、たぶん中学生くらいの時に独り旅で端っこまで乗って以来の曖昧記憶。実は、一応沿線にあたる草津温泉四万温泉も行ったことが無かったのです。バスで40分ほど、17時近い夕暮れの中、四万の温泉街に到着です。

荷物を置いて散策。手配してくれた友人は三回目の四万温泉とのことですが、過去はいつも宿で過ごすのがほとんどで、散策したことがほとんど無いとのことで、こんなところでも彼方此方覗きたがるワシとの違いが新鮮。晩飯の時間までに帰ってこられるところまで、と、隣の集落まで足を伸ばしてしまいました。

四万温泉は、思っていた以上に鄙びた温泉街でしたが、寂れているという程でも無く、随所随所に味を感じます。重要文化財という古めかしい旅館や、なぜかスマートボールが流行っているミニ繁華街などなど、鄙びてはいるけど人が動いているのが見えるので、静かな活気を感じるのかもしれません。とはいえ、廃屋になっている宿や店も見かけますから、大変なところもあるのだと思いますが。

 

f:id:tomosaku:20140916070627j:plain


宿に戻ります。この日の宿は「地酒の宿 中村屋」。その名の通り、ご当地群馬のお酒にこだわり、豊富な料理と一緒に日本酒を楽しむことができます。ただでさえ大量の料理に、少量ずつ飲める利き酒セットや岩魚酒、さらに奮発して上州牛のステーキなんかも付けてしまい、なんと言うか、力尽きるまで飲み食いした気分。

 

f:id:tomosaku:20140916070633j:plain

f:id:tomosaku:20140916070638j:plain


温泉は、そんなに癖がなく、露天の方は長湯するにも良さげで、しかも、風呂でお酒のオーダーもできるというステキな仕組みが整っています。……が、宿に帰着したころから降り始めた雨が夜には強くなり、雨風呂好きのワシでもちょっとしんどいレベル。この状況で酒を頼むのも躊躇われ、概ね内風呂を堪能して上がることに。

風呂後、友人がまさかの東京から誕生日ケーキを持ってきていて、驚きつつのしめやかにお祝い。ノリと勢いで始まった誕生日旅の夜を締めくくりました。



翌日。昼下がりに四万温泉を出発するバスに乗ることだけが決まっています。前述の通り、何度か来ている友人はほとんど観光したことがないとのことでしたが、どうにも彼方此方行きたがるワシは、結局友人を連れて周辺観光に出ることに。とはいえ公共交通機関で行ける範囲を捜します。

正直、そんなにたくさんの見所があるわけでも無いようなので、宿に荷物を置き、まずはバスで「甌穴」と呼ばれる景観ポイントを見て、歩きながら何かあれば見つつ、あるいはバスに乗って温泉街に戻ってきて、昼飯&帰りのバスに乗ろう、という算段。

群馬県指定の天然記念物という四万川の甌穴。そもそも「甌穴」(おうけつ)とは、川の流れで循環した石などが川底を浸食しできる穴のことらしいです。流れの速い川沿いに行って見てみますが、今ひとつ、どこが穴なのかは分からなかったのですが、緩急ある流れに青い水面が涼しさを演出します。

 

f:id:tomosaku:20140916070800j:plain

甌穴の近くにある「森のカフェKISEKI」でしばし休憩。明るく開放的でまわりの緑も美しい新しめのカフェで、午前中から地ビールをいただきます。ちょっと変わったハーブティや軽食、ケーキ類も出してくれる店のようなので、車で来る方には四万温泉帰りのドライブの途中に寄っても良いのかも。

f:id:tomosaku:20140916070818j:plain


温泉街に向けて歩き始めますと、道路沿いに四万川が渓谷を見せ、いかにもな山村の風景が広がり、なんだかんだ楽しい散歩です。間もなく温泉街の入口というところで、川沿いに降りていく階段と「四万川とあそべます」の看板。お、それなら遊んでみようじゃないか、とてくてく降りていきますれば、すぐに土道と岩肌の上を歩くような次第になり、野趣溢れます。

 

f:id:tomosaku:20140916070848j:plain


ここの名前は「嘉満ヶ淵」(かまがふち)。後で四万温泉のサイトを見てみたら、「人があまり訪れなくなりました」なんて書かれてまして悲哀を感じますが、荒々しい眺めや川の流れる音だけが響くのは案外良く、ちょっと、穴場発見気分です。岩肌が滑りやすいので注意ですが(←ワシは滑った)。

さらに、四万大橋の近くにある「桃太郎の滝」に、水力発電をしているらしい河口堰を見て、早くも色付き始めている紅葉に初秋の雰囲気を感じます。

 

f:id:tomosaku:20140916070915j:plain

 

時間はちょうどお昼。近くにある町営の「四万清流の湯」でひとっ風呂浴びて、バスで新湯温泉街の中心に戻ることにします。その「清流の湯」は、よくある温泉施設ですがかなり新しいのか綺麗に維持されていて、しかも露天風呂からはかなり開放的に四万川、四万大橋が見えて、とても居心地の良い日帰り温泉施設でした。


宿泊した宿に寄って荷物を取り、前夜鄙びた雰囲気を堪能した「落合通り」なるミニ繁華街にあった蕎麦屋小松屋」に入ります。入るなり「お時間どれくらいあります?」と、バスの出発を気に掛けてくれている模様。時間が短かったので、名物らしき舞茸の天ぷらは食べられませんでしたが、ワシの食べた「上州鴨汁せいろ」はジューシーな味わいの肉に、地の蕎麦粉を使っているという田舎蕎麦が合い、大変美味。木の芽田楽もビールのアテに甘くまろやかで美味しいです。って、また飲んでるし。

 

f:id:tomosaku:20140916070933j:plain


東京行きのバス停に近いお土産屋「高田屋菓子舗」で土産を購入。「おいらんふろう 濡甘納豆」なるものを勧められて買ってみましたが、帰って食べてみれば、程よい甘さに炊きあげた大きめの豆がとても美味しく、これは良いお茶請けでした。

そんなに大きくはない四万温泉を程よく堪能して、東京までの3時間半ほどのバスでは、渋滞にも捕まらず、概ね寝て過ごしました。いやはや楽しかった!



ひょんなこと(元は誕生日ネタ)から行くことになった四万温泉。や、前々から一度行って見たいな、とは思っていたのですが、行って見れば味のある雰囲気に結構な清流の青さ、涼しさを楽しみました。そして何より、自分とは違う旅のスタイルを楽しめたのも面白かった(二日目は、ワシのスタイルに寄ってしまった感ですが……それでも夕方東京着とかは普段しない)。

そういえば昔、それこそ高校生や大学生の頃は、旅のスタイルの違いが原因で、だいたい誰かと旅に行くと喧嘩になったものでしたが、そこはそれ、ワシもオトナになったのかなぁ……。最近は誰かと旅に出ることも、昔に比べれば多くなり、その場合たいがいワシが計画を立てるのですが、逆に言えばワシのスタイル=かなりの詰め込み型についてきてくださっている同行者も、すごいな。

そんで、この旅から十日ほどが過ぎまして、今日は誕生日本番。すっかり30代後半も板につく38歳になりまして、ワシが産まれた時の父親の年齢や、宮沢賢治の享年を越えてしまいましたが、もうなんか相変わらずの落ち着かなさで生きておりますので、今後ともひとつよろしくであります。

 

写真一覧はこちら。