コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

好きな作家

先日後輩と飲みに行きまして。まぁなんか以前、会社の宴席の二次会だか三次会だかまでご一緒してて、その時日本酒が好きだ!というのでじゃあそんな店に連れてくよ、と言ってから半年くらい経って実現した宴席。


でまぁ、後輩、しかも結構年も下なので、口べたなワシも頑張って話題を見つけては振っていたのですが、なんか、ある瞬間に小説の話になって、そこで出てきた好きな作家・作品が、山本弘著の「妖魔夜行


おお、話せるじゃないか、キミ!(←何様だ。笑


まぁワシに取って妖魔夜行は、GURPSというシステムを使ったTRPGとしての要素が強いんですが、その世界観を元にしたノベライズも何冊も出ていて、いろんな作家さんが書いています。が、その中でも群を抜いているのは……


「『山本弘』だよね!/ですよね!」


いやぁ、ワシは物語は作品単位で捕らえることが多く、余り「好きな作家」というのはいないのですが、山本弘氏と田中芳樹氏だけは別格。作品としても、山本氏の「サイバーナイト(2はダメ)」「神は沈黙せず」と田中氏の「銀河英雄伝説」「創竜伝」は別格。


しかし世の中、田中氏のファンは結構いるんですが、山本氏のファンって中々見ないんですよ。氏が書くジャンルの、SFやファンタジーを好きな友人が多い方であるワシですらそうですから、これは嬉しかった。


で結局宴席では、読んだことのある作品の被りこそ少なかったものの、作品や世界観の共通項からえらく話も弾みまして、ああ、やっぱりワシは「物語」が好きで、その世界観を共有できる話には夢中になっちゃうなぁ……と、自分の嗜好を再確認しました。


そういえば、銀河英雄伝説をバイブルとする友人と、いつか「銀河英雄伝説トークだらけの飲み会」をやろうと言っていてまだ実現してなかったから、これもやりたいし、10冊、読み直さないとな(何)。


ちなみに宴席の時たまたま鞄に入っていたのも山本弘氏の「MM9」。ちょうど今日読み終わったので、mixiレビューに上げた感想を再掲します。

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MM9 (創元SF文庫 )

評価:★★★★☆

ワシの読書歴において「怪獣小説」ってものは類がなく、世の中でも余り聞きませんが(「怪獣映画」のノベライズはありますが)、本作はそれを真っ正面から描いた作品。

と言っても、ウルトラマンやゴジラのようなヒーローor破壊神的な主人公ではなく、怪獣が日常的に自然災害として発生する世界で、その予測や特徴の分析をし、退治する自衛隊に助言する気象庁職員が主人公。

まずはやはり、この設定に惹かれます。公務員が主人公な上、そこには予算や規制の壁、協力を渋る民間、と言った妙な現実感が存在します。怪獣退治のためなら何をやっても良いわけではないのです。

そういう根っこの設定が良かったのですが、収録されている五作品は、どれも氏の作品らしい読みやすさと展開の良さはありつつ、掘り下げが足りない。また、きっちりSF要素も入れてきていて怪獣ものであることの設定と上手く融合しているのですが、これも少し浅い。

雑誌連載したものの単行本化だったようですから、枚数の制限なんかもあったんでしょうけど、逆に、単行本化するに当たってもっと加筆してくれたら良かったな……著者のファンとしては、そんなところにも期待したかったです。

最終章のバトルも思ったよりはあっさりの展開で、そこまでの設定なり背景を考えると、物足りない感じはどうしてもありました。

とまぁ、感想としてはネガティブな部分を抜き出してしまいましたが、そうは言っても面白い小説です。よく言われる、著者の特撮・怪獣への愛が詰まった作品というのは然り、それは余り特撮を見ないワシでも、最後のページのやりとりを見ただけで感じられます。