コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

天空の城チヴィタ

パケ死防止のため写真は取りあえず小さく一枚(今日の一枚は、まさにチヴィタ)。簡単且つ粗いですが、リアルタイム旅記中。昨日までのペースで増えると今日は5500字越えですが、充電的制約で短くなる、はず!


イタリア旅の折り返し地点、9月15日の出来事。サマリーは、美しきオルヴィエート朝焼けと、「死にゆく村」チヴィタ(正確には「チヴィタ・ディ・バニョレージョ」)探訪、です。


またも起床は朝5時ちょい前。まぁでも今日は、朝のオルヴィエート散歩をしようという目論見なのでむしろ好都合。と言いつつ、例によって日記類書き書きしてたらあっという間に6時半。書きかけですが、ここは当然散歩優先。


ホテルの場所から街の縁までは徒歩数分。まぁ元々小さい街ですが。昨夜はオレンジ色の街灯に浮かび上がっていた町並みも、今日は涼しい朝もやにけぶり、まさに「中世風の町並み」を見せ付けます。ドイツ、ロマンティック街道にあるローテンブルグを思わせる街角も、ちらほら。派手さはないですが、それでも美しいです。


そして到着した街の縁。すなわち崖沿いであり、城塞沿いに当たりますが、そこから街の外を見た瞬間……息を飲みました。


ここ、オルヴィエートは城塞都市、崖と城壁に囲まれた高台にあります。そして周辺は、朝日と朝もやに包まれたレンガ色の屋根に白い壁のヨーロピアンな家家、その回りに広がる葡萄畑や木々の青々とした丘、それらを一望できるのです!


これは見惚れた。むしろ惚れた。これを見られただけでも、今回の旅に来て良かった。


さらに街中を散歩し、ビューポイントを見つけては下界を眺めてニンマリするだけの簡単なお仕事をこなし、そんな間にホテルの朝食時間になったので戻ります。地下の、洞窟風の食堂で、これまた中々に雰囲気があります。居心地の良い宿でしたが、今日は予定もあるので部屋に戻り、荷物を片付けて、早々にチェックアウト。


オルヴィエートのドゥオモ近くのツーリストインフォメーションで、「チヴィタ」というところに行くためのバスの時間を聞きます。ネットで調べたら、9時10分に出るのがあるって書いてあったんだけど、念のため……え?12時45分まで無い!?うーん、またもトラップ。トリップトラップ。


まぁそれならばと、チヴィタから帰ってから敢行予定だったオルヴィエート市内観光を今敢行することに。バスの時間の都合で、朝チヴィタに行っていればこの日の夕方はローマを軽く見ようと思ってたのですが、この時点でローマを諦めるという英断(何)。まぁそもそも、ローマは時間が取れても、この日の夕方と最終日のチュニジアからのトランジット時の6時間くらい、という元々無茶な想定だったので、ローマはいずれそこだけのために何日か来ることにしましょう。


街歩きを開始したら、どこぞの公園内に螺旋階段を発見。これはもしや……を下を見れば、城壁の外側を歩けるようです。一気にあがるテンション、外周を歩き、天然の崖と人工の壁をあわせた城壁を見上げ、下界を眺め、それなりにアップダウンはありつつも充実の散歩になりました。


街の入口、カーエン広場までやってきまして、ここにある二重螺旋階段になっている井戸を降り、戻ります。60mの井戸の底から見上げる空は妙な希望を感じます。かなり足にきたので一休みし、今度は街の中心地へ。モーロの塔という時計台を登ります。さっきから、ていうか前日のフィレンツェのドゥオモから、昇ったり降りたりしてばかりです。塔の屋上からは、それこそオルヴィエートの街とその周辺を一望でき、これがまた雄大で、つい長居をしてしまいます。


小さい街のワリに立派なドゥオモを見学し、ドゥオモ広場にあるジェラート屋でこの日はキウイのジェラート。一日一ジェラートが決まりになりつつありますが、そんなこんなでいつの間にやらバスの時間になったので、再びカーエン広場へ。タバッキオでバスチケットを買って、いざ乗り込みます。


基本的には通学の足なのでしょう。途中で学生を満載させたバスは、トスカーナののどかな田園風景、それこそ葡萄畑の中を走り抜け、途中途中の集落で学生が降り行きます。終点バニョレージョまで乗ってたのは数人で、そのほぼ全てはチヴィタを目指す模様です。拙い英語でバスの運ちゃんにチヴィタ行きの道と帰りのバスの時間を確認します。そう、ここはチヴィタの麓の集落。ここからさらに歩くか、集落内バスでチヴィタに向かいます。バスがなさそうだったのでワシは徒歩を選択。


20分ほども歩いたところで、その村は急に表れました。山に囲まれその中の谷の中に、一カ所だけ高くそびえ立つ、まるで城のような集落。そこに至る道は300メートル以上あるという一本の橋だけ。まさに「陸の孤島」を絵にするとこうなるのではないでしょうか。ジブリのアニメ「天空の城ラピュタ」のモデルになったとの噂も、あながち嘘ではないかもしれません。


途中、一緒のバスに乗っていた中の、日本人の母娘の方と、台湾人の一人旅男性と声かけし交流しながら、天空の街を目指します。最後の昇りの橋が意外にしんどいですが、それも昇りきってようやく到達!


家は廃墟が増え、今では住人が20人程度、別名「死にゆく村」と呼ばれているチヴィタらしいですが、ワシの入った時は、意外にも思ってたより活気がありました。それは観光客の存在。多いわけではないのですが、村自体が小さいので、100人くらいでも活況を呈しているように見えるのです。ほとんどは欧米人で、東洋人はワシらだけふう。


ゆっくり歩いても30分もあれば一周できてしまう小さい街、それでも、教会があり、トラットリアがあり、お土産屋さんがあります。そして、中世から時間が止まってしまったかのような町並みを歩き、街の縁から見える「どこを見ても」絶景を楽しんでいたら、結構時間が経つのは早いもの、戻りのバスにあわせてチヴィタを出発します。


【チヴィタについてはいずれ別項でもう一度書こうかと。予定で未定】


ランチで酒を飲み、土産に村特産のワイン&オリーブオイルとか買ってしまったので、帰りの道程がそうとうしんどく感じますが、なんとか間に合う時間にバス停について、再び、トスカーナの田園風景の中をオルヴィエートに戻ります。帰りは、行きのバスでも一緒だった、広島からこられているという日本人の母娘さんと結構おしゃべりしながらのバス路。お二人はローマ泊で来ているということで、列車の時間などから、ローマまでご一緒することになりました。


ワシは一度ホテルに戻って預けてあった荷物をピックアップし、四度カーエン広場、ケーブルカーで麓に降りて、ローマ行きに乗り込みます。奇しくも、昨日オルヴィエートに来たのと同じ列車でした。


母娘さんとお喋りしてたらあっという間にローマ。お二人は二週間でイタリアだけを巡っているそうですが「それでも全然足りない」とのこと。そりゃそうだよなー、ワシなんかそれこそ全然だわ。ローマでお二人とは別れ、ワシはシラクーサ(シチリア島)行きの夜行列車に乗り込みます。


イタリアの夜行列車、それなりに危険が危ない(!)との評判です。特にワシは、コンパートメントではなくフツーの座席車(6人掛け座席の部屋)で予約を取ったので、それなりにドキドキ。明日朝無事にタオルミーナに着けることを祈って、いざ、出発!





さて、実は翌日はワシの誕生日。今年のその時を、ワシはどこで迎えているのでしょうか?(答え書いてあるし)