大肉会
散々「ちょっと大規模な個人の飲み会」と言ってたけど、「違う、これイベントじゃん」ってことに気付いたのは、本番前夜に運営マニュアルをしこしこ作ってた時。遅っ!
てことで「大肉会」。「平成29年、ニク年だし、なんか大きい肉会やりたいよね」という酔っ払いの与太話みたいなところから始まり4ヶ月余り。10月29日に無事……でもないけど開催できました!
なんやかんやあって東京国際映画祭に乗っかることになって、会場は六本木ヒルズアリーナに決定。大肉会でも肉を供していただく、フードコート出店店舗さんへも相談。この辺は特に共同幹事の石原さんが大活躍で「肉山」「鼓次郎」「鴨一ワイン酒場SUN」「スーパーホットドッグ」とすごいラインナップに!
ちなワシも懇意のお店に幾つか相談に行ったんだけど、それぞれあれこれで出店はかなわず、でも「かがやき」が肉のお重を用意してくれることになって、嬉しかったー!
与太話が膨らんでいくと、いつの間にやらお友達も集まってくれて、各界のプロたちによる「大肉会実行委員会」なるものも結成。陰に日向に活躍してくれて、イベントの骨格を固めていきます。
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映画祭も始まり、さあ間も無く!という時に入ったのは、台風の報。六本木ヒルズアリーナは、屋根はあるけれども、吹き抜けの屋外。雨は凌げるけど、風が強まれば会ができない……日々進路を確認し、当日も直前まで中止も見据え迷いましたが、1時間予報を見ながら会場側の安全確認を聞き、実施を決断。
当日準備には早くからたくさんのお手伝いの皆さんにも来ていただき、運営マニュアル片手にブリーフィング。何故かリーダーはインカムも持ってもらい、これ完全にガチなイベントなやつ。でもそんな皆さんのおかげで、憂いなく全体進行を見られて、感謝してもし足りないレベル。
ご参加の皆さんも集まり始めて、16時30分にステージをお借りして、正装の「肉人」Tシャツを着て開宴&乾杯。
かがやきの肉重をテーブルに置いて、肉山カレー、鴨一の骨つきモモ肉、鼓次郎の水炊き&唐揚げ、スーパーホットドッグの特製ホットドッグと、味と量は自信を持ってオススメできるものばかり。あちらこちらで「屋台クオリティの肉じゃない!」という声を聞くたびにほくそ笑んでました。
さらにドリンクカウンターには、何故かたくさんのレア日本酒!肉会に来てくださる人たちには日本酒好きも多いので、仕入れも頑張ってくださいました。ありがたやー。そして、最近「Maison grandir」なる自分のブランドを立ち上げたパティシエールの友達からはマカロンの提供。これ、マカロンが苦手なワシもパクパク食べられるのです。ありがたやー。
そして。映画祭なんで、アリーナでも映画が流れるワケです。この時間の上映作品は「タイタニック」……炊いた肉?やー、なんという偶然でしょう!
開宴時にまだ弱かった雨足は、映画の進行、というか夜に近付くにつれて徐々に強まります。そして、タイタニック号が氷山にぶつかり映画のクライマックスが始まるにつられたように、少しずつ客席を侵食する雨風。
これ……リアル4DXだ!
いや、映画内も現実も、そんな呑気な話では無いんですけど、寒いながらもまだ耐えられる環境の中で、「こんな体験型の映画鑑賞、絶対にどこにもない!」なんて言いながら笑って楽しんでくださる参加者の皆さんの頼もしいこと!台風すら逆手にとって楽しむ姿に、あー、やっぱりこの人たち好きだわー、と深々思いました。
エンドロールの頃には風が強まり吹き付ける雨。でもそれに続いて大肉会のエンドロールが流れ始めて、会場はやんややんやの大歓声。さらに吹き付ける突風で、急に開き始めるアリーナの屋根。そうここは、風速が一定数値を超えると安全のため屋根が自動で開くのですが、このタイミング!?退避、総員退避ー。
とまぁ、雨風の中、大きな拍手を以って、大肉会、終宴。
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ちょっと大袈裟な話をしちゃうと。やっぱりエンタメに生きる人間として、これまでにないことをやりたいって思いはあって。例えば今回、100人近い人に集まっていただきましたが、どこかのお店を借りて100人で宴会するってのは、比較的簡単な話だし、下手したら味的にはそっちの方が安定しているワケで。
でも、映画祭に乗っかって、六本木ヒルズアリーナで、名店各店の味を多様に楽しみながら、映画を見てわいわい楽しむ、ってのは、企画する側も来てくださる皆さんも、体験したことがないと思うのです。その体験そのものを楽しんでいただき、さらに美味しくお腹いっぱいと言っていただけると、企画者冥利につきるなぁ、と。
その上この天候。「雨のイベントは伝説になりやすいですよ」と開宴前に石原さんが言ってましたが、や、自分で伝説というのはすごく恥ずかしいですが、皆さんの楽しもうという姿勢のおかげで結果的にはそう言って差し障りのない、面白い会になりました!
改めて。ご協力いただいた各店の皆さん、映画祭関係者の皆さん、石原さんと大肉会実行委員会の皆さん、当日手伝ってくれた皆さん、そして何よりご参加くださった皆さん(そして残念ながら当日来られなかった皆さんも)、本当に本当にありがとうございました!
あ、フードコートは11月3日までやってますんで(一部店舗入れ替えあり)、お近くをお通りの際は、是非ひと肉、一杯、楽しんでくださいー(宣伝乙)。
頓挫のホンネ
今週、飲む人からも打ち合わせする人からも「お帰りなさい、日本一周おつかれさま」と言っていただき、あんな旅でも追ってくださった方がいて嬉しいところ。
そして口々に「途中欠航、残念」と労っていただけるのですが……企画倒れに終わったのは残念だけど、正直、気持ち的には助かってた!
てのも、3本目のフェリー、神戸から那覇まで48時間洋上にいたやつで、かなりのダメージを喰らっていたから。台風とか船の揺れとかではないダメージ、それは何かと言うと、選択肢がないことによる「精神的閉塞感」。
1本目、2本目のフェリーはまだ良かったんです。基本的には酒飲んで本読んでれば良いや、と思ってましたけど、とはいえやはりなんらかの「別の刺激」が欲しい時に、例えば船内エンターテイメントとか展望風呂とか、選択肢があった。でも3本目はやる気の起きないゲームだらけのゲーセンしかない。
そして何よりダメージを食らったのが食事。先の船はレストランがあり、新鮮な食材がまがりなりにも食べられたけど、3本目はホットミールとカップ麺の自販機だけ。パンを持ち込んだとはいえ、フレッシュな食材はカケラもなし。
やー、まさか自分がここまで、新鮮な野菜や果物を欲することになるとは思いもしませんでしたよ!
てことで、3本目は乗船30時間くらい経ってからは、気分にしろ食事にしろ選択肢がないことの苦痛を感じ始めていて。そのままフェリーに乗って日本一周してた場合、4本目はまだ設備的に大丈夫でしたが、ラスト5本目、北九州から東京までも36時間のフェリーが3本目に近い設備だったので、たぶん、かなりのグッタリ帰京だったはず。
旅に出て心が追い込まれるって、なんか本末顛倒な感もありますが、喉元過ぎればなんとやら、ワシ的にはそうやって、新しいアレコレに気付いたり思い至ったりするので、やはりこれは良い体験ですなー。
日本一周小咄
その1「3周目」。
一回の旅で日本一周するのは今回が3回目。いや、今回フェリーでの日本一周は挫折したけど、まぁ一応北海道、沖縄と巡ったし。
ちな過去回は。日本最北端の稚内を0時に出てその日のうちに民間人が行ける日本最南端波照間島に行った「一日で日本縦断」と、日の出を日本最東端の北海道・納沙布岬で見て日の入りを日本最西端の沖縄・与那国島で見る「一日で日本横断」。
それらは飛行機と友達運転の車での移動がメインで、一応、日本の端まで行って巡って帰ってくるので一周扱いかな、と。東京→端っこ→反対側の端っこ→東京。
日本横断の時なんか、3日間で飛行機8本乗ったりとそれはそれで中々の移動でしたけど、まぁ今回も計画段階では10日間でフェリー5本乗るはずだったから、中々。しかし今回は本数や距離より、乗ってる時間の長さが問題よね。
そして、そろそろ世界一周にもチャレンジしてみたいけど、こっちは逆に3日間で回ったりとかしてみようかなぁ。三連休、ちょっと世界一周してきました、みたいな。
旅好きがこじらせると、こうして阿保みたいなことをやりたがるから良くないですね。
※一日で日本縦断
http://tomosaku.hatenablog.jp/archive/category/一日日本縦断
※一日で日本横断、の時のtwilog
http://twilog.org/tomosaku/date-150622
小咄その2「パックで日本一周」
今回の旅に向けて改めて調べてみたら、船で日本一周っていうパック旅行って結構あるらしくて。
ひとつは豪華客船での旅。10日くらいからひと月以上のもあって値段もピンキリ、350万なんてのもありました。定期航路が行かない海路とかも通るようなので楽しそうですけど、何しろ高い!
もう一つは定期航路乗り継ぎでだいたいツアコン付き。今回のワシのに近いですけど、ワシは個人手配だもんね!(威張るな) 値段的には食事もある程度付いて17万円くらいからあるので(ただし2名の場合。1名は追加料金)、まぁ手軽かな。
でも、そんなの誰が乗るんだろう……(ブーメラン)。
そして、定期船乗り継ぎは、たいがい沖縄往復が入ってません。まぁ行くほうが奇特な気もしますけど、何しろ往復だけでほぼ3日かかるからねぇ。
そんなの追加しても、誰が乗るんだろうだよね(ブーメラン)。
小咄その3「三途の海も、金次第」
台風欠航で頓挫したこの「フェリー日本一周」 、企画してた時からちょいちょい聞くのが「幾らかかるの?」という問い。
基本的には一番安い2等船室、すなわち雑魚寝部屋基準ですけど、ワシは二段ベッドなどでも良いから仕切られた空間が数千円で買えるならそちらにしています。なので最安値ではありませんが、まぁ下から2番目くらいの金額を足していくと……
75790円。
これに陸路を足すとだいたい10万円。後は食費と宿泊費。
そう、実は移動だけならLCC使って日本一周した方が安いんですよねぇ。まぁ今回は目的が「フェリー日本一周」だったからいいんですけど、なんとも不思議な気分。
琉球エキスプレス乗船記
そういえばこのブログの方では続報を書いていなかったけど、フェリー日本一周は、沖縄から鹿児島の船が台風欠航で企画倒れとなることに。その後は沖縄滞在で楽しんでおりました。
そんな、3本目にして最後の船になってしまったマルエーフェリーの「琉球エキスプレス」乗船記。
2本目の「あかしあ」と余り変わらない就航14年目とのことだけど、元の設計思想があまり旅客向けではないからか、かなり古めかしい船に感じてしまいます。貨物輸送、トラック輸送の船なんだなぁ。
神戸と那覇を結び、定時運航でも42時間という長距離路線ながら、レストランはおろか売店もありません。食料は、自販機のカップ麺とホットミール。レンジはあるので、予め食べたいものは買い込んだ方が良いでしょう。
そして船内で絶対的に欲しくなるのが野菜。生はアレでも、バナナとか果物でも良いので、あると格段に違うと思います。
その他設備としてあるのはシャワー。くつろげはしませんが、汗が流せるだけ良いと思わねば。あと、お約束のゲームセンター。小説始め本が置かれていたのは特徴かも。船室は2等寝台(安い方)でしたが、カプセルホテルと思えば……なので、やはり寝るとき以外は入らず。
や、これまでの2船の設備が充実していたからかもしれませんが、単なる旅人にこの船は中々のハードル。事前に調べてそれは承知の上で乗りましたが、台風と高波があったとはいえ、思った以上の疲労感でした。
ちなみに、神戸/大阪から那覇まで乗った「旅客」(車無し)は10名ほど、みんなすごいや。
なおこの神戸ー沖縄線ですが、今年の10月で旅客の扱いは終了してしまうとのこと。今後神戸、大阪からフェリーで沖縄に行きたい方は、一旦、志布志までの便で九州に渡りシャトルバスで鹿児島へ、そこから沖縄に渡る便で移動してください。
いねーと思うけど!
台風と一緒
12日18時半に大阪南港を出てから27時間半、紀伊水道を抜けて四国南方から九州の東へ、薩南諸島を抜けてトカラ列島沖を進み、奄美大島は名瀬港に定刻22時10分に到着。無寄港なのはともかく、あの台風というか嵐の中を……すごいなぁ。
外洋に出てからは少し揺れたなー、とか思ってましたが、なんのなんの、本番は種子島、屋久島を越えてトカラ列島沖に入ってから。そんなに大きなフェリーでもないのだけど(小さくもないけど)、いやはや、上下左右に揺れる揺れる。
台風18号まではまだ数百kmあるのにおかまいなしだねー。船酔いしないと豪語してたワシですけど、さすがにちょっと三半規管に弱ダメージ。それでも読書は継続するのだけど。
雨や雷は散発的で、この辺も台風の雲の流れ次第。只中に入ればカーニバル!船上から見やる雲がすごい威圧感で、自然すげぇとアホみたいに眺めてました。
当初予想してた、紀伊水道出てから名瀬港まで通信途絶なのでは疑惑は解消。外洋を一直線に走るかと思いきや意外に陸沿いで、甲板に出てればだいたい通じていて、例外は四国と九州の間の30分と、トカラ列島沖の4時間くらい。
そんでまぁ名瀬港……22時半に出港予定が、なんと港内待機!明日早朝4時に出港して、那覇まで着けるかトライ、難しかったら洋上待機とのこと。ワクワクしてきたよ!
企画倒れの危機!
条件付き運航キター!
台風の影響で、出航はするけれども、途中洋上待機の可能性があり、その場合1日以上遅れるかもしれないとのこと。
1日以上て!
や、実は昼飯食いながら電話きて「どうしますか?」と言われ、ちょっと迷ったんだよね。沖縄でホテルも取ってあるし、次のフェリーの日程もあるし。
でも、やっぱりこういうのは飛び込んだ方が楽しいよね!
ということで、一応、その後の行程フォローもある程度出来そうな算段が立ったので(金はかかるけど!)、乗っちゃいまーす。
乗船して船員さんと雑談してたら「かなり揺れると思いますよー」と笑いながら言われた。そして仲間内では、「明日那覇では8mの波かも」とか言ってる。こわっ!
そんな、今回乗る神戸発、大阪経由で沖縄まで行くフェリー「琉球エキスプレス」。この旅企画で乗るフェリーの中でも比較的小型で、そのくせ群を抜いて長い40時間半の船旅(しかも台風次第で1日以上遅れるかも……)。
という航路だけど、来月で廃止が決まっているらしいです。その影響か、乗船場の六甲船客ターミナルも閑古鳥。様々な施設が閉鎖されてて、これまた終末の人類感強い。
遠い未来、わずかに残った大地に生きる人々、しかし石油資源も枯渇し流通が途絶える中、ついに神戸と琉球を結ぶ路線も閉鎖が決まったのだった……的な。
沖縄-奄美-関西を結ぶ旅客フェリー、LCC台頭で運休へ http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/139954