コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

津軽半島〜青森旅記1〜

漫喫で3時半に寝たものの6時前に起きられた奇跡。こりゃ幸先良いぞ!


というワケで、初っぱなから奇跡に頼るいい加減さで始まりました青森の旅。目的の大なるは昨日の日記にも書いた国盗りぽい気がしつつ、実はこれまで青森は「観光したことがある」と言っても駅前と青函フェリーに乗ったくらいのものですから、この際、きちんとアチコチ行ってみよー!という目論見。


てことで昨日、5月3日。朝一のこまち1号に乗るべく東京駅新幹線ホームにいたら、別部署ながら勤務先の部長にあうというハプニング。宇都宮にゴルフに行くらしいのですがなんという偶然。ちなみに同じ方は、前々日夕食食ってたら同じ店に入ってきていたりで、これはもしや運命?(50過ぎのオジサマですが)


新幹線、仙台までは以前国盗りをしているので、7時からビール飲んで駅弁食ってオネム。駅弁は、JTB時刻表通刊1000号を記念したという「はっこう弁当」。「発行」と「発酵」をかけているらしく、蓋を開けたら醸され系の匂いが広がります。味は美味かったけど。


仙台から盛岡を経て秋田まではひたすら国盗りタイム。ナニゲに270km/hでトンネルが多いとタイミングがドキドキしたりもしますが、事前に集めていた情報通りには盗れて一安心。


秋田でジョイフルトレインの「リゾートしらかみ」(青池バージョン)に乗り換え。昼飯の駅弁購入も忘れません。今度は「秋田まるごと弁当」。いろいろ名物とか地のものを使っているっぽい弁当でこれまたなかなかの美味。最近の駅弁は、味はもちろん企画的にも練られていて侮れませんなぁ。


さてこのリゾートしらかみ五能線というローカル路線を走っていくのですが、また窓がとても大きく取られているので素晴らしい風景をダイナミックに楽しむことができます。お天気は生憎の曇り(一時雨)で日本海の見通しは遠くはなく、山側の白神山地もガスがかってましたが、風光明媚な箇所ではスピードを落としたり、千畳敷駅に少し長く止まったりで、沿岸の光景はしっかり楽しめました。


さらにこの列車はいろんなイベントをしてくれていて、東能代駅ではホームでお茶と地元甘味屋の羊羹サービス、能代駅ではホームでバスケットボールのゴール挑戦(能代高校はバスケで有名)、鯵ヶ沢駅から五所川原駅までは津軽三味線の生演奏などなど、風景の無い場所でも客を飽きさせない演出です。おかげで、途中うつらうつらしつつも、4時間の道中を楽しく過ごせました。


そんなリゾートしらかみ五所川原syで途中下車。津軽鉄道に乗り換えて金木という街に向かいます。ここは「斜陽館」という、文豪太宰治の生家があります。


太宰は、そんなにのめり込んだことがあるワケでも無いですが、文筆を志すものとしてやはり避けられない人ではありますから、一度は行ってみたいなと思っていた所です。果たして行ってみれば、観光地化した生家では「ここで太宰が生まれたのか……」と感慨に浸ることもありませんが、やはり展示を見ていると、なんとなく太宰がひねくれた原因とかが見えて来るようで面白いです。


正面の土産物屋をひやかして、なんでも隣駅にある芦野公園で桜祭をやっているということで、散歩しつつ行ってみることに。金木の街は意外にも(というと失礼ですが)綺麗で新しい家も多くしかも広い。ナニゲに潤っているのかしら? で公園にたどり着きまして、お約束のお祭り屋台群も夕方のこの時間では閉まり気味。さらに桜も散り気味という、まさに斜陽を感じる中でしたが、一時間くらいプラプラ歩きました。


と、ここで晴れ間の見えかけた空の、雲の合間から差し込む光が、公園の湖に反射してものすごく美しい風景を見せ付けてくれました。しばし見とれてて、危うく列車の時間に間に合わなくなりそうな始末。


裸電球に照らされる鄙びた芦野公園駅から津軽鉄道五所川原に戻り、津軽三味線生演奏を聞きながら郷土料理を楽しめるお店「だだん」で夕食。直前に予約をしましたが、演奏前後は満席のようで、予約しておいて良かった。けの汁、貝焼味噌、十三湖のしじみ、といったベタな津軽の郷土料理はもちろん、ホタテとポテトのマヨネーズ焼きやトントロの陶板焼きといったものまで、どれもなかなかの美味しさ。さらに地元の日本酒も何本か揃えていて、利き酒セットとかもあって楽しめます。ワシが気に入ったのは「七郎兵衛」の純米吟醸。さっぱり飲み口ながら香り深い一品でした。


そんな酒と料理に華を沿える津軽三味線生演奏も、上手いかどうかは知りませんが、勢いあって楽しく聞けました。やはりあの叩くような奏方は耳を引き付けますね。そして、その奏者の人が「旅の人ですか?良かったら明日来て下さい」と渡されたのが、吉幾三コレクションミュージアムなるもののチラシ。で、明日はご本人も登場されるとか。こんなところでまさかの幾三ニアミス。まぁこの辺りのご出身らしいので、こんなところで、も無いですが。


それなりの深酒にそれなりに酔っ払って、眠りながら列車に乗って弘前へ、駅前のホテルルートイン弘前に投宿……するも、弘前公園で夜桜ライトアップがあるということで、20分ほど歩いて現地へ。フツーの桜は葉桜気味でしたが、枝垂れ桜がほぼ満開で、宵闇に美しくもやや不気味にライトアップされていました。BGMは、公園で津軽三味線の練習をしている女性の音色や、カエルの鳴き声。


五所川原が食い足りなかったか、ラーメン屋を求めて繁華街へ。嗅覚を頼りに歩いていたら見事行き着きましてラーメン屋を探します。テキトーに目に入った「ととりぬーどる」というお店に入りますが、たいして期待していなかっただけに意外な美味さに驚き。味噌ラーメンは甘めでコクがあり太麺、少し麺を茹ですぎでしたがこのあたりは好みかも。中華そば(醤油味)は煮干しで取ったであろう出汁の風味が豊かな細麺、とにかくスープが美味い。


満腹の腹を抱えてまた20分ほど歩いて帰宿。どうやらこの街は、駅前と観光地&繁華街が離れているようですが、良い腹ごなしにはなりました。さすがに朝早い疲れが出たか、宿では大浴場で足などをマッサージしつつ、部屋に戻ればすぐに睡魔に強襲されました。





●写真
一枚目:斜陽館で太宰愛用のマント(レプリカ)を着るワシ。ギャグにしか見えない。
二枚目:芦野公園にて。風景が湖に反射している。
三枚目:賑やぐ「だだん」の店内。奥中央にいるのが津軽三味線奏者。