コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

文学賞という指針

芥川賞>最年長75歳黒田さん 直木賞は朝井・安部2氏
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130116-00000101-mai-cul


どなたの作品も読んだことが無いので、正直、また話題熱めか……と穿った見方をしてしまったことは事実です。芥川賞には史上最年長の、直木賞には平成生まれ初の作家さんが、選ばれました。


もちろん、読んでないので作品についてどうこうは言えないのですが、少なくとも芥川賞の黒田さんの「abさんご」は、公開されてた冒頭だけ読んでみましたが文体が斬新、というか読み慣れない形で、読むのにかなりの気合いが必要ですが、読み進めたいな、とは感じます。読み終えられる自信は無いけど……。

芥川賞「abさんご」がすごいので1回読んでみたほうがいい(NAVER まとめ)
http://matome.naver.jp/odai/2135833187810505401


そんな中、こんな記事も上がっていまして。

じん(自然の敵P)は芥川賞・直木賞を受賞できないのか?(ダ・ヴィンチ電子ナビ)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130115-00001498-davinci-ent


まぁ「取れるわけ無いよね」というのはわかり切っている話しで、それはちょうど、この記事を引用して書いていた東浩紀さんのtweetに完結に書かれています。引用させていただきますと、

          • 引用ここから-----

芥川賞がじつに閉鎖的で腐った文学賞だという、つい10年まではだれもが知っていた常識を忘れ去られ、ネット時代になってかえって(なにも実態は変わっていないのに)なにか偉いものなんだからすごいんだろうというブランド強化が始まっているあたりに、日本社会の限界を見るのは考え過ぎかしらね。
https://twitter.com/hazuma/status/291537117400670208

たとえば舞城王太郎は、覆面作家とか言っているかぎりまず芥川賞とれない。それでも候補作になっているのは実力があるからだけど、あのふるまいじゃとれない。でもそんな彼だって、芥川賞候補になれるのは文芸誌で半年にひとつ100枚の短編を書くというノルマをこなしているから。そういう賞なのよ。
https://twitter.com/hazuma/status/291537688429998080

芥川賞は日本文学の最先端とかとはなんの関係もない。菊池寛の業績に集まった遺産相続者たちが、自分の目の届く新人に恩を売るための賞でしかない。だから文芸5誌からしか選ばれる。そんなの常識。ライトノベル芥川賞取れないのとか、サッカー推薦で東大入れないんですか、と同じくらいナンセンス。
https://twitter.com/hazuma/status/291538365331959809

          • 引用ここまで-----


だからこそ、ワシはネット発の文学賞とか、きちんとした形で出来ないかな、とたまに考えるのです。それこそ先の作品のじんさんなんかは(これもワシは読んだことが無いのですが人気の作品ということで)、正確には「ネット発」でもないですが、ネットから現れた人なのは確か。そういう、いわば「野生の物書き」を「評価」する文学賞、のような。


文学賞でなくても、「評価する仕組み」があれば良いのだろうとは思います。ただそういうと議論になるのが、「そもそも評価なんて必要があるのか」ということ。確かに、評価ではなく「キュレーター」を仰ぐのもひとつの手ではあります。まぁそれも「評価」の派生ですけどね。


その仕組みが出来る場の一つはncncなんだろうとは思いつつ、自分が中の人をやってて、そういった「評価」作りが難しいのも分かってますし、感じます。これはまだまだきちんと考えないといけないところ。


ともあれワシは、「評価」はあって良いと思っています。それが作る人のモチベーションになり、読む人の指針になるならば。


正直、最近読んだ芥川賞、直木賞作品は、面白くないとまでは言いませんが「面白い!」ものではなかった。今回については分かりませんが、「面白い」と思えるものに出会える「指針」は、何らかの形で欲しいものですね。(自分自身が指針になる、というのとは、別に)