コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

お値段以上?似鳥美術館

小樽芸術村は、お値段以上なニトリが運営する複合アート施設(創業会長が似鳥さん)。

 

主要な館が三館あるけど、全部巡ってみようと、まずは旧北海道拓殖銀行小樽支店を使った「似鳥美術館」に往訪。

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ステンドグラス、ガラス工芸品、日本画、西洋画、版画、木彫などが5階分の建物に詰まってるけど、特にルイス・C・ティファニーティファニー創業者の息子)のステンドグラスは圧巻。
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ステンドグラスの主流だったガラスに顔料で絵付けをする方法ではなく、ガラスだけを使って絵柄を表現しようとした人らしく。ガラスを様々に加工し、新しい技法を開発し、重ね合わせ方を工夫して、混色や遠近法を表現しているのが、技巧的に見事で、見て美しい。
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絵画彫刻系は撮影不可だったのだけど、日本人作家のものを中心に、いろいろ集めたのを頑張って分類したのかな、という感。横山大観平山郁夫棟方志功高村光雲と、さすがに作品に力のあるものが揃っていて、ひとところでまとめて見られるのは僥倖。


ガラス工芸はガレやラリックが中心で、その点では各所で見るし日本人受けする作品だなぁ、と思うけど、ランプが集められた展示ボックスは壮観だった。

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あと、エンパイア・ステートビルの模型に「似鳥会長が『かっこいいね!』と一目ぼれして購入したものです」という解説がついてて草。かわいいか。

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2軒目は「旧三井銀行小樽支店」。こちらは銀行施設そのものが展示品で、明治期に建てられたルネサンス様式の建築模様を堪能できる。

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や、しかし他の銀行もそうなんだけど、本当に明治末期から昭和初期の小樽って、金融と経済の街だったのだなぁ。


豪奢なあれこれが楽しいけど、面白かったのは地下にある「貸金庫回廊」。貸金庫室が地下にあり夏は結露するので、それを避けるために部屋を囲うようにタイルの回廊を作ったのだとか。ただそれだと死角が出来てしまうので、警備のために四隅に鏡を置いて回廊のどこにいても人が見えるようにした、と。


言葉で聞いてもどういうことか分からないと思うけど、これ、正面にある鏡に向かうと、自分の後ろ姿が見えるの!斜め45度の鏡が四隅で映しあって、回廊を一周するの!当たり前なんだけど、実際に見てみると少し不思議。

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あと、やっぱりここにもステンドグラス。この後行く小樽芸術村3軒目はそのまま「ステンドグラス美術館」で、どんだけステンドグラス好きかよと。
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3軒目は「ステンドグラス美術館」。こちらは旧高橋倉庫なる大豆を納める倉庫を使った施設。階段と柱との造作が無骨で良い。

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そこに飾られるステンドグラスは、19世紀後半から20世紀初頭にイギリスの教会にあったものだとか。当然、キリストモチーフのものがメインだけど、イギリスの聖人や風土も描かれて、歴史文化的な視点からも興味深い。

 

そんな中、やはり磔刑図や最後の晩餐なんかは目立つよねー。建物の雰囲気と相まって、すごく雰囲気のある空間。


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あと、こちらは先の似鳥美術館にあったルイス・C・ティファニーの作品と違い、昔ながらの顔料を使った絵付けをしているので、やはり見た目も異なり、その表現手法の違いを楽しめるのも面白い。

 

 

三館共通券で2000円。通常の美術展よりちょい高めだけど、すごせる時間を踏まえるとお値段以上かも!