コトノハのシズク Blog(仮)

肉の妖精のライフログ。

赤城山登山

昨日。「朝5時に起きられたら赤城山登りに行こー。でも前夜もしこたま飲み食いしてほぼ終電で帰ったから起きられるワケないよねー」と思ってたらまさかの3時半に目が覚めてしまったので、予定を早め4時半に家出て電車とバスに揺られて4時間半。

 

赤城山登ってみた。

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6年前にこの界隈に来た時に「次は登りたいなぁ」と思った山なんだけど、でも実は赤城山という山はなくあのエリアの総称的な感じらしく、目指すは最高峰の黒檜山(くろびさん)。東京からだと電車とバスを乗り継いで約4時間かかるけど、公共交通機関で登山口まで行けるのはありがたい。

 

今回選んだコースは、黒檜山登山口から山頂を目指し、赤城駒ヶ岳へ縦走し駒ヶ岳登山口から帰ってくるもの。両登山口は徒歩10分程度なので実質円環。

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まぁ言うても初心者向けでトータルでも3時間40分程度、赤城山登山の基本コースみたいなものと聞いていたのに。

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意外にきつくね、これ?

 

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赤城神社に登山の無事をお願いして黒檜山登山口から入れば、突然の急坂。岩場も多く手足を使って這い上がっていく感じ。そんな中、地元の慣れた方なのか、中々の初老の方が体幹を崩さずすいすい登っていくのがすごい。途中、何度か富士山ビューポイントがあったけど、そっち方面ガスってて見えず残念。

 

で、休み休み登って黒檜山山頂に着いたけど、あれ、あんまり眺め良くない?

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案内も出ているんだけど、山頂からさらに徒歩2分ほど行ったところが展望地。こちらからの眺めは雄大関東平野の北の端っこを眺めながら食べるおにぎり美味しい!

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帰路は赤城駒ヶ岳経由の登山道。おや、こちらの方が整備されてる!来る時の道は岩場多めだったけど、こちらは木や石、場所によっては鉄製階段があり、斜度もきつくなく歩きやすい。登り降り、どちらにこの道を選ぶか考え所だけど、ワシは足の負担が大きい降りにこの道だったのは正解だなー、と。

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駒ヶ岳山頂からは、そんなに眺望が望めず残念。今回、山の東側がずっとガスっていて雲しか見えなかったのよね。その分、稜線歩きながら雲の境目が見えたのはラッキーだった。

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そのまま緩やかに駒ヶ岳登山口まで降りてきて、完歩。緩やかな分、時間は掛かったかな。

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どちらの道も、基本的には林の中を歩いて行くので、余り日差しが気にならずに歩けるのはありがたい。その分、眺望はたまの木々の切れ目からのになりがちだが、大沼や赤城神社、遠望して小沼とかまで見えると、爽快で登山の醍醐味を味わえる!

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今回実感したのは体力の低下。普段、標準タイムの8掛けくらいで行けるんだけど、今回はほぼ標準タイムどおり(寝不足のせいもあるかもだけど)。やはり普段ほとんど何もしてないと、突然山登りたくなった時にしんどいなぁ。鍛え直す、までは行かずとも、少し運動量増やさねば。

ブラタモリ「阿寒・摩周」私的まとめ

NHKブラタモリ「阿寒・摩周」視聴。テーマは「“色”とりどりな宝の秘密とは」。先に書くがこの色とりどりとは「摩周ブルー」「黄色い硫黄(硫黄山)」「純白のエゾイソツツジ(硫黄山近辺)」「緑のマリモ(阿寒湖)」そして「黒い滝」であった。さて、それぞれどのように成立したのだろうか。


まずは摩周ブルー。摩周湖のある摩周カルデラは7000年前の噴火で出来たが、透明度の高さが日本で一番の湖で、それ故に空の青さが美しく映えている。ではその透明度は何故成立したかというと、摩周湖流入する川がないため、水に栄養分が含まれず、生き物が住めないからだとか。

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摩周湖(撮影筆者)


続いて黄色い硫黄。アイヌ語アトサヌプリと呼ばれる弟子屈町の硫黄山は、活火山であり名前の通り硫黄が産出されている。その産出量はかつては北海道一で、この山から釧路港へ硫黄を運び出すために造られていたのが、今の釧網本線の元。その名残(鉄道跡)は「青葉トンネル」として残っている。

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※硫黄山(撮影筆者)


また、硫黄山の麓には3つ目の色、純白のエゾイソツツジが群生しているが、これ、本来は高山植物。それが標高150mのところにあるのは、硫黄の噴出による硫化水素の影響で低木が育たず、また噴火前に火山の高い標高に映えていたものが噴火で低い土地に来たのでは、など諸説あるらしい。


そして阿寒湖の緑のマリモ。巨大な天然マリモは阿寒湖の中でも2つの湾でしか育たず、その狭い範囲に数は6億。激しい火山活動でカルデラ湖とは思えぬ複雑な地形が造られ、それで発生した湾と浅瀬に風が吹きつけ適度な波が立ち、動かないけど回転し大きくなるマリモが産まれたのだとか。偶然の自然の神秘!


最後の色、黒い滝の場所は雌阿寒岳の麓、オンネトー湯の滝。火山の末端岸にあたり、流れる湯の下には黒い藻。これ、温泉と藻が産み出した二酸化マンガンの影響で、陸上にてこの規模で二酸化マンガンが露出しているのは世界でここだけなのだとか(通常は深海)。地球上で唯一の宝、の言も頷ける。

ブラタモリ「釧路湿原」私的まとめ

NHKブラタモリ釧路湿原」視聴。

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釧路湿原(撮影筆者)

 

テーマは「世界に誇る釧路湿原のスゴさとは」。釧路湿原はたぶん3~4回は行ったことがあるが、その広大さと、鉄道に乗りながらの左右の風景は日本でも類を見ない絶景だと思う。


そんな釧路湿原は、日本の湿原面積の三割を占めるらしく、元々は釧路あたりから山の方まで続く海の入江だったが、西方にあった砂丘が六千年前から延びてきて入口を閉じ、山から流れ出る土砂が入り込み、三〜四千年前から今の状態になっている。


通常、それくらいの時間があれば、湿原には木が増え森が出来「陸地化」をするのだが、それが昔のまま保たれているのが、世界的にも珍しい釧路湿原の凄さなのだとか。では、その理由は何か。


まずは湧き水。昔の地形の影響で海性段丘の砂地が広がっており、2万箇所以上の湧き水があり、それが湿原を潤している。


そして釧路川釧路湿原の中を走る鉄道、釧網本線はかつての海岸線に線路が敷かれているらしいが、車窓に見える釧路川はほとんど動きの無い、凪いでいるような流れが特徴。その理由は高低差の無さ。なんと4kmで1mしか下がらないのだとか。これはすごい。

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釧網本線から見える釧路川(撮影筆者)


川は流れがゆっくりだと川筋は横に広がり蛇行し、雨が降ると広い川のカーブから水が溢れる。また砂丘が入り込んだ結果、川の流れが複雑化し、時には海から山の方に流れることすらある。それらの現象が湿原の隅々にまで水を届け、空気の入った泥岩の層(枯れた植物が分解されずに積み重なった層。四千年掛けて4mの厚さになった)を作り、陸化しようとした所が湿原に戻る。

 

これを番組では「4000年掛けたアンチエイジング」としていたが、すごいしっくり来る言葉!

 

釧路湿原には、氷河期の生き残りの草花も残っているのだそうで、その理由は霧。しかもここでは動きが特異。気温差で出来る霧は、釧路沖、黒潮親潮のぶつかりで発生し、普通は陸に上がり消え去るところが、湿原の湿気で霧が強まり、その結果、摩周湖にまで至り「霧に隠れる摩周湖」という絶景を見せている。

 

ちなみに、湿地と湿原の違いについても説明がされていたが、植生が違うのだとか。湿地にある草原が、すなわち湿原。なるほどまんまだ。

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釧網本線の車窓、飛び立つ丹頂鶴(撮影筆者)

遊んでみた〜マーダーミステリーゲーム

昨日プレイしたマーダーミステリーゲーム「王府百年」所感。

そもそも何それ、という方も多いと思うけど、このゲーム、まず各自がプレイするキャラクターとその設定、背景を与えられ、他のプレイヤーとの議論や密談、取引を通じて、各キャラクターのミッションを達成する、会話型の推理ゲーム。

 

〈参照〉
概要

https://note.mu/t_mizutani/n/n66619a7c1e9e

遊び方の流れ

https://note.mu/t_mizutani/n/na9734d2434ee


中国では「謀殺之謎」と呼ばれ、食事をしながら楽しむ遊戯として流行ったらしく、最近日本にも輸入されて徐々に市民権を得ているのだとか。東中野のディアシュピールなるボドゲ屋でやってる会は、毎回満員の盛況っぷり。

特色の一つは、シナリオはきっちり決まっていて且つミステリーなので、一つのシナリオは一度遊んだら、成功失敗問わず二度と遊べないこと。その点はリアル脱出ゲームにも通じるところがある。

今回遊んだ「王府百年」は、中国の都市開発プロジェクトの始まりを祝う会食のあと、関係者が死亡しているのが見つかり、その原因(犯人)を探すのがメインミッション。ワシがプレイしたキャラクターはマークスという名のロシア人投資家で、彼を含め全キャラ、設定に基づくサブミッションもある。

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前述の通り、各キャラには詳細な背景設定と当日の行動が決められており、それを会話しながら、時には嘘をつき、時には隠し事をし、互いに探りあいしつつ犯人を見つけていく(犯人はバレないように誤魔化していく)。その点ではロールプレイ要素も強くて、没入感がある。

元々中国のゲームなので、今回は日本の有志が翻訳してくれたツールを使用。元の設定の作り込みの甘さや、翻訳ものゆえ認識しづらい部分(翻訳が悪いのではなく、元々の文化やニュアンスの違いが表現しきれない)はあったが、それはさておいても大変に面白かった!

ワシはこのタイプのゲームには馴染みがあって、言うまでもなくTRPG。ミステリー系のシナリオを遊ぶセッションの感覚に近い。TRPGが、キャラは基本的にプレイヤーが作るのに比べて、予めキャラ設定が固定化されているのが違い。そして、サイコロは用いず会話のみで進めるのも違いと言える。

TRPGではGMを務めることもあるので、プレイ後はこのゲームの可能性の広さを感じて軽く震えてしまい、作る側になりたい欲求すら生まれてしまった。合う合わないは当然あるけれども、体験型遊戯が好きな人には全力でお勧めしたい!

縁と絆と紡ぐもの〜塩田千春展

「塩田千春展 魂がふるえる」(森美術館)に行ってきた。

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ワシが氏の作品に初めて触れたのは、2009年の越後妻有アートトリエンナーレ大地の芸術祭)に出展していた「家の記憶」という作品。古民家に糸を張り巡らせ地元住民の家具などをよりつけたインパクトを覚えている。

http://www.echigo-tsumari.jp/artwork/house_memory

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「縁」や「絆」を「糸」で表すのは、日本人的にはシンプルな思考ではあるけれども、氏はそれを徹底的に突き詰めている感があり、またそれを広い空間に表現する構成力は本当にすごい。さらに糸はそれらの概念を超え、血管だったり喪章だったり宇宙だったり、氏の手によってどこまでも広がっていく。

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今回最も好きだったのは、糸に紡がれたトランクが坂道のように連なる「集積-目的地を求めて」。反対側から見た時の影の落ち方も好き。

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高層階からの眺めも盛り込んだ感のある「小さな記憶をつなげて」も、場所を活かした展示で良かった。

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また氏は、学生時代に迷いから絵が描けなくなったらしいが、近年は描いているのかやはり糸が意図的に使われた作品もあって、これも、一見わかりやすいメタ感から引きずりこまれて、なにかと思考の海を漂いたくなる作品群だった。

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入り口としては大味で、故に人目を引きやすく、だがどこまでも深掘りできる、氏の表現とはそういうものなのかな、とワシの目には写った(もちろん全然的外れかもだが、一鑑賞者の素直な見解)。

 

見て良かったなー。オススメ。

すごい日本地図

すごい日本地図があるとDPZの記事で拝見して行ってみたら本当にすごかった。

 

‪日本列島の立体模型地図がすごすぎて動けなくなりました https://dailyportalz.jp/kiji/should_see_the_three-dimensional_map_in_tsukuba

 

‪場所はつくば研究都市群の中にある地質標本館。隣はJAXAだけど互いの入口は歩いたら10分以上かかりそう。‬

 

‪入口の吹き抜けにはいきなり、裏返した日本地図と長さの違う棒に吊るされた大きさの違う球。これ、地底から見ているイメージで、日本で起こった大きな地震震源の深さを棒で、マグニチュードを球の大きさで表している。何それ早くも大興奮!‬

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‪で、件の日本地図。本当にすごい!‬

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‪立体造作された地表と海洋が下地となり、タッチパネルをいじるとプロジェクションマッピングで映像が投影されて、ベースになる地図や、鉄道網、河川網、等高線等深線、断層や構造線などなどが様々に切り替わる。すごい、すごいしか出てこない(語彙力)。‬

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‪日本って細長い国土なのに山岳国家だし、海側もすぐ近海に深いところが並んでいるし、小笠原諸島の海底火山と島の紙一重さもあるし、地球規模で「起伏に富んだ土地」だなと思わさせられる。‬

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‪そんで、ポチポチいじってると、なんとなく今自分が日本を支配している気分になれるのも楽しい。‬

 

‪別の部屋には、環太平洋の地形が分かる模型があるのだけど、これもすごい。分かっちゃいたけど、やはり日本近海は様々なプレートが沈み込んでいる海溝のデパートなんだけど、これ、大陸側(中国側)から見ると、日本の向こうに崖があるようにしか見えないのな!と一緒にいた友人が言ってて得心した。‬

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‪他にも、火山と温泉の関係(これも日本とその周辺が高密度!)、日本を貫く中央構造線フォッサマグナと断層の展示、石や化石の展示(都道府県の石なんてあったの初めて知った)などなど、たっぷり楽しんでしまった。これで無料とかなんなの。ネ申なの。‬

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‪夢中になりすぎて隣のJAXAの展示を見に行く時間が取れず(まだ行ったことない)だったし、科学をテーマにしたイベントとかをあれこれやっているみたいなので、ここら辺はまた来たい!‬

いらつく作家〜クリスチャン・ボルタンスキー展

クリスチャン・ボルタンスキーの作品は、いつもイライラさせられる。

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それでもやはり展示があると聞くと行ってしまう。それだけ、ワシの心にぞわぞわを植え付ける現代アーティストなワケだけど、今回、国立新美術館でLifetimeと名付けられた回顧展をやるってんで、やっぱり来てみた。

 

そして、とんでもない疲労感を持っていま、会場を後にしている。

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いや、理由は分かってるんだよね。氏の作品は常に「消失」を意識させられる。有り体に言えば、「死」を直視させられる。物理的には非暴力(アート作品だから当たり前)なのに、心の奥底に向けてとんでもなく暴力的に、「死」を語りかけてくる。

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だからいつも、生という名の急流に飲まれ溺れているような苦しさを覚える。f:id:tomosaku:20190811111533j:image

 

たくさんの点灯する電球が置かれた部屋、その電球はこの会期中に3つずつ消えていき、最後の方の日には暗い部屋になっていく「黄昏」という作品が、今回は特に響いた。分かりやすいが故に染み込む消失の実感。

 

 

そしてこの後、SNSでの友達からの情報で、「エスパス ルイ・ヴィトン東京」でやっていたボルタンスキーの映像作品の展示「アニミタス2」も行ってしまった。まさかのはしご。まぁそっちは、そこまで抉ってこない作品だったのでのんびり楽しんだけど。

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