いらつく作家〜クリスチャン・ボルタンスキー展
クリスチャン・ボルタンスキーの作品は、いつもイライラさせられる。
それでもやはり展示があると聞くと行ってしまう。それだけ、ワシの心にぞわぞわを植え付ける現代アーティストなワケだけど、今回、国立新美術館でLifetimeと名付けられた回顧展をやるってんで、やっぱり来てみた。
そして、とんでもない疲労感を持っていま、会場を後にしている。
いや、理由は分かってるんだよね。氏の作品は常に「消失」を意識させられる。有り体に言えば、「死」を直視させられる。物理的には非暴力(アート作品だから当たり前)なのに、心の奥底に向けてとんでもなく暴力的に、「死」を語りかけてくる。
だからいつも、生という名の急流に飲まれ溺れているような苦しさを覚える。
たくさんの点灯する電球が置かれた部屋、その電球はこの会期中に3つずつ消えていき、最後の方の日には暗い部屋になっていく「黄昏」という作品が、今回は特に響いた。分かりやすいが故に染み込む消失の実感。
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そしてこの後、SNSでの友達からの情報で、「エスパス ルイ・ヴィトン東京」でやっていたボルタンスキーの映像作品の展示「アニミタス2」も行ってしまった。まさかのはしご。まぁそっちは、そこまで抉ってこない作品だったのでのんびり楽しんだけど。